いやらしくて可愛い君を、僕が与える快楽で縛り付けよう――。

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表題作伯爵の蜜愛

アンドリュー・ラドフォード,27歳,老舗店オーナーの伯爵
美園雪弥,22歳,英国老舗ブランドとの契約を狙う商社マン

あらすじ

英国老舗ブランド「サヴァン」との契約のためにロンドンで奮闘中の新米商社マン雪弥。やっと掴んだ交渉の条件は、なんと社長である青年伯爵アンディの恋人として社交界にデビューすることで…!?

作品情報

作品名
伯爵の蜜愛
著者
羽鳥有紀 
イラスト
あじみね朔生 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044529062
3.1

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
3
得点
19
評価数
6
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

誤解が先か嫉妬が先か

今回は英国王室ご用達の老舗店のオーナーである英国貴族と
攻様の店と代理店契約を望む日本の若手商社マンのお話です。

代理店契約の交渉を賭けての仮恋人が本当の恋人になるまで。

受様の叔父が社長を務める商社では
ある英国王室ご用達の老舗店との
代理店契約締結に意欲を燃やしています。

と言うのもその老舗店は
英国内にしか店舗を持たず、
生きる知る人ぞ知るブランドとして
伝統と誇りに生きているブランドなのです。

何人もの営業マンが締結に挑んでいますが、
受付嬢やドアマンに阻まれており、
今は受様が日参しています。

受様にとってそのブランドとの締結は
両親を事故で亡くして以来
世話になっている叔父への恩返しの他に
受様の亡き父がことのほか好んだ事も有り
受様自身にとっても思い入れが有ったのです。

今日もすげなく追い返された受様でしたが、
両親にプレゼントされた幸運のお守りである
フェリスタス銀貨を手に願をかけていると

図ったかのようにどこからか鐘の音が響き、
老舗店の前にロールスロイスが止まり、
老舗店のオーナーである青年が降り立ちます。
この青年こそが今回の攻様ですね♪

攻様は女の子の理想その物の容姿な上に
伯爵の地位をもつ由緒ある貴族であり、
男の受様が見ても別世界の人のようです。

本当なら貴族である攻様に突然声をかける事は
無礼極まりないのですが、
もし彼に話を聴いてもらえたら
願っても得られない千載一遇のチャンスです。

思い切って踏み出した受様は
手にしていた銀貨を落としてしまい、
ソレが縁で攻様と話をする幸運をつかみます。

しかし、攻様の話とは
受様が落とした銀貨を譲れと言うもので、
攻様は受様が銀貨を譲る気が無いと知ると
代理店契約の締結まで持ち出し、
ある賭けをするようにと提示します。

その賭けとは攻様の恋人になること?!

よくよく聞けば攻様はゲイなのに
縁談話が押し寄せて困っていて全てを断る為に
受様が社交界で恋人のふりをして欲しいとの事で
上手く演じきれれば商談に応じてくれて
銀貨も要らないと言うのです。

しかし、賭けを拒否すれば
今後一切の交渉に応じないとまで言われては
受様にはイエスと言う以外に道が有りません。

いやいやながらも恋人役を引受けた受様ですが、
テーブルマナーや社交マナー、
女性パートでダンスまでさせられる事に!!

果たして受様は無事に恋人役を務めて
契約交渉の権利を手に入れられるのでしょうか?!

いざ、恋人役を演じたら
攻様に積極的に迫る女性の嫌がらせや
攻様に毛嫌いされている旧友が受様に迫ったり
攻様の昔の恋人が現れたりと
受様には続々と難問が降りかかります。

どうみても分が悪い賭けですが
のったからには勝ちたいと頑張る受様と
買っても負けてもえるもモノが有る攻様では
最初から勝負は見えているかと思われますが、

まあ、この賭けの過程で
二人が惹かれあうのもお約束ですので
賭けにのった以降のお楽しみは
いつ二人が両思いだと気づくのかという事にある
と言っても過言ではないでしょう(笑)

特定書店で購入すると
番外編掲載のペーパーが貰えます。
まとまってからの攻様は
何をしても嫉妬の嵐のようですね♪

今回は同じく
恋人契約から本物の恋になるカプのお話で、
柊平ハルモさん『愛をちょうだい』をおススメです。

0

態度だけじゃ伝わらないよ!?言葉にしなきゃ。

こういうお話は大好物です、大好きです。
鳥羽さんの作品は英国紳士攻めが出てくる話が多く、こちらの作品も英国の貴族階級で会社もいくつか経営している美貌の伯爵さま。そして、受けは可愛い顔立ちの庶民で社会に出てまだ数年しか経っていないひよっこ商社マン。
雪弥は老舗ブランド『サヴァン』の商品を是非日本でも!と営業をかけるけれど、いっこうに相手にされず。
それでもめげずに毎日通う雪弥についに幸運が舞い込んできました。
オーナーであるレイフィールド伯爵アンドリュー・ラドフォードがサヴァンの店舗にやって来たのです。
幸運を運ぶ銀貨とい言われる『フェリスタ銀貨』がもたらす偽りの恋人関係と誤解の物語です。
切なくて、甘い。

アンディは商談を受ける代わりに条件をだします。それはゲイである自分に舞い込む『縁談話』を無くす為に雪弥に恋人の振りをして一緒に社交界に出るということ。
賭けを持ち出したのはアンディ。
しかし、その賭けのせいでのちのち彼は苦労するのです。
それは一緒に過ごすうちに心から雪弥に惹かれてしまったから。
お約束な流れではあるけれど、アンディには過去に辛い別れがあり、それが原因で本当の恋ができなくて、しかしそんなアンディの心を溶かしたのは、雪弥の健気さ素直さ、人を思いやる気持ち。
でも、アンディがちゃんと雪弥に「好きだ」という言葉を伝えていないばかりに、雪弥は「自分は偽りの恋人」で、アンディには「本命」がいる。と溢れる気持ちを押しとどめるような心の動きを見せてしまう。
でも、強引に奪われて、イタされて、心も体もどんどんアンディに傾いていくのがちょっと切ない。
雪弥の心にはアンディの持ちかけた「賭け」という言葉がいつもあり、それは出会った頃のアンディの雪弥に対する態度のせいで根強く心に残ってしまっているのではないかと思われます。

だから甘く愛おしむように接するアンディに、雪弥は「何故本当の恋人のように振舞うのか?」と疑問に思ったりする、意思の疎通というか気持ちの温度差を感じ、読んでいて冷やりとしてしまう。
雪弥はアンディに惹かれているから、気恥しく抵抗するけれど、でもやっぱり「偽りの恋人」だから、そんな風にされるのは変だな、と。
そんな雪弥の態度にショックを受けているアンディは自業自得です。
早く言葉にして伝えないと、「賭け」を撤回しないと!とせっつきたい気分になる。
態度だけで伝わると思ったら大間違い!

イタすシーンなんだか雪弥の喘ぎ方がいたいけで、悪い大人がお子様に手を出しているようでした。
ちょっと萌えます。
社交界ではアンディにご執心の令嬢が出てきたり、その令嬢の兄はアンディと犬猿の仲だったり、アンディの本命!?な人物が出てきたり。
イベントは盛りだくさんです。
その分雪弥がちょっとしんどい目に遭ってましたが、アンディの愛は相当深いようなので、きっと大事に大事に愛されることでしょう。
二人が手をつないでいるシーンが私の萌えポイントでした。

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なかなか面白かったです。

「サヴァン」社長の伯爵・アンディ×花宮商事新入社員・雪弥

代理店契約獲得のために英国を訪れていた雪弥は日参していた「サヴァン」の前でその社長であるアンディの姿を目にし声を掛ける。
あることをきっかけにアンディも雪弥に興味を示し、「社交界で僕の恋人役を演じ切れば商談に応じる」と言われて…。

最初はただ契約のため。
社長である叔父に恩返しのつもりで貢献したい。
そのためなら、多少無理難題を押し付けられたって立ち向かう。
そうやってアンディと過ごし、ダンスを習い、社交界へもデビューし。
「アンディの恋人」という立場を演じる。
最初は本当にただ「演じている」だけだったのに、いつの間にかアンディに真の恋人の影があることに傷ついたり。
自分が「偽物」でしかないことに胸を痛めたり。
ハマってるハマってる。
でも、なかなか本人は気付かない。
「演じてる」つもりだから。
それでも段々とそれは明確になって。
けれど、アンディの幸せを願うあまり、自分のことよりアンディを、と身を引くような真似をしたり。
王道だけどちょっぴりキュンとなります。
こういう場合、英国紳士な伯爵はしっかり甘い言葉で求愛してくれるので甘い展開に最後はなりますね。

個人的にはなんだかレスターが好きでした。
憎めいないやつというか。
案外、イイ奴なんじゃないかと…。
この子のスピンオフはないのか(笑)

あと。
作者さまと「犯す」に対する見解が違っていたので、そこが個人的には残念ポイント。
本書では「今度言うこときかなかったら最後まで犯すよ」的なことを言ってるんですが…あ、『最後まで』と付いてるからそういう見解なのかな。
「犯す」=「挿入する」的な意味合いで使われてるんですよね。
てっきり「無理矢理抱く」的な意味だと思ってたので、いざ、そのシーンて時にかなり丁寧に扱われていたのにちょっと違和感だったんですよね。
個人的には無理矢理萌えなんで(爆)

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