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表題作Ecstasy -白衣の情炎-

池田弘樹,東都医大付属病院,呼吸器外科医
来生叶,イラストレーター

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

事故によって視力を失ったイラストレーター・叶の元を訪れたのは、意識を失う寸前に自分を励ましてくれた声の男・池田だった。外科医の彼は、見えない恐怖と戦う叶に優しく接してくれた。穏やかで細やかな気遣いをしてくれる池田に、芽生える叶の恋心。だが、描けない自分に存在価値がないと死を選んだ叶に、池田は熱い口づけをくれた。同情ではなく愛されていると感じた叶はその手を取るが、恋人になったはずの彼は、ある日を境によそよそしくなって……。
(出版社より)

作品情報

作品名
Ecstasy -白衣の情炎-
著者
日向唯稀 
イラスト
水貴はすの 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
シリーズ
Dr.ストップ -白衣の拘束-
発売日
ISBN
9784773099904
3.3

(6)

(1)

萌々

(1)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
19
評価数
6
平均
3.3 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数2

地味で誠実な純愛

『Dr』シリーズ11作目です。

タイトルのイメージよりもずっと地味。でも、そこがよかったんです。

ここに来てようやく、シリーズ1作目から脇で出ていた池田(攻)のターンですね。
確かに脇だけど、決してただのモブじゃなくレギュラーキャラクターです。
シリーズのメインCPである黒河×白石の、白石の肺癌の手術の執刀もしてました。

個人的には、(作家さんお気に入りだろう)黒河よりもむしろ池田のような武骨で人のいいタイプの攻がすごく好みなので、彼がメインになるのを待っていました。

お相手は、売り出し中のイラストレーター・来生(受)です。

来生が事故に遭った時に、池田が居合わせたのが2人の出逢いです。来生は、事故で一時的にでも視力を失い、利き手の神経を傷め・・・

もう『どんなメロドラマだ?』というほどの(ある意味ベタベタの王道)展開なんですね~。

でも、キャラクターが好みなので、そのベタさが気にならないどころかすごく面白かったんです。

とにかく、あとがきで作家さんも言われていましたが、来生がホントに池田にピッタリっていう感じでした。

しかも、大好きな『年の差(年上攻)』です。
このシリーズ『医療もの』でキャラクターも医師が多いから、全体的に年齢が高めなんですよね、残念ながら・・・


個人的に『お仕事もの(特に医療もの)』がものすごく苦手なので、このシリーズは仕事描写が多過ぎてそれだけで疲れてしまうこともよくあるんです。

でも、こちらは直接の主治医じゃなくても『医師と患者』なので、医療関係の描写が即『仕事!』にならなくて読みやすかったんですよ。
『医療もの』ではあっても『お仕事もの』ではないというのか。

何よりも、この2人のラブがとても初々しくて可愛くて素敵でした。
シリーズここまででダントツに好きですね。これ読めただけで、シリーズ途中で投げなかった意味はあるとさえ思っています。←何度か投げそうになったんでね・・・

ただ、素晴らしい・よくできたというより単に私好みだったんです。読み応えで言うなら、シリーズ中でも弱いかもしれません(特に、このシリーズに『お仕事もの』を求める方には)。

それでも、特にラブ面は『神級に好き!』です。←『ラブストーリー』としては、日向さん作品でいちばん好きなんじゃないかとさえ思う。

4

ホモホモ病院シリーズでっす!

いやはや、このドクターシリーズも早9冊目!
もう辞めようと思いつつも、ついつい読んでしまうのはこの病院の、登場人物達が気になるからなんですが・・・
この巻だけでも全然大丈夫です。
ついに今回は、中でも決して美男とは言い難い男前で、恋愛にちょっと縁遠い無骨ものの先生がとうとう仲間入り♪
この東都医大病院はホモホモ病院で、スタッフから患者まで、ホモ容認、男嫁歓迎!っていう設定がいいですよね。

新進のイラストレーターの来生叶が、恋人のホスト暁生と、画商の瀬木谷との諍いに巻き込まれ交通事故に遭い、その場に居合わせた東都の呼吸器外科医・池田に手当てされ、東都に入院することが出逢いです。
恋人の冷たさに別れを切り出した直後と、瀬木谷の強引さに疲れていた来生の、遠のく意識にかけられた池田の声は、そのまま来生への癒しと安心の言葉になって、入院後も来生は池田を強く求めるのです。
一方池田は、片思いに終わった同僚医師の清水谷に似ている来生に胸のドキドキを覚えるのです。

今回は、池田の同僚で神の手を持つ外科医・黒河がやけに出張り、まるでうわさ好きのおばさんのように、池田を煽ったりはしゃいだり、かなり盛り上げてくれています。
また、他の医師達も多数出演して、彼らの恋を見守ったり応援したり、もうこの病院ならではな展開は読んでいてニヤニヤしてしまいます。

肝心の恋愛はというと、まず来生の性格の変貌にビックリ!
前の恋人暁生の時は、何か怯えて言いたい事も言えずに謝ってばかりだったのが、怪我のせいで手は不自由に、目は見えなくなるは、とイラストレーターとしての仕事ができないかもしれないと知ると、必死で池田を見て、感じて、求めて、その積極性に別人かと思うほどです。
それほどに、怪我をしたことで不安が募っていたのだと思うのですが。

一方、池田は来生の積極的なアプローチにどうしていいかわからず、そこを黒河が助ける形で自分の気持ちを固めて行くのです。
ある意味不器用同士といった組み合わせかもしれません。
二人が初めて体を重ねるのは病室なんですが、骨折でまだギプスも取れてないのに、池田先生頑張っちゃって・・・それで入院が長引いたかも?
一見ストイックでイイ人そうな池田も男になると「お前がいやらしくてエッチなら、俺はドすけべで、下の息子は野獣だ・・・」などと発言しておりますので、よっぽどたまってたんでしょうねww

そんなで、周りは二人を祝福するムードでフォロー体勢もばっちりです。
来生の目が見えないことから、もし見えるようになったらどうなるのか?といった不安が二人を襲いますが、それも克服しております。
最後にもっとビックリさせられたのは、あんなに利己的で冷たかった元恋人の暁生が、本当はツンデレだったということです!
最後の最後にそんなこと言うなんて・・・仰天でした!!

今回元ホストで眼科医の杉本という医師がちょっと顔出ししておりますが、今度は彼あたりが主人公かしら?と思うのでありました。
ドクターシリーズまだまだ続きそう?かな?

2

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