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表題作あまい、にがい

高校1年 槙原セイジ
高校1年 渡ヨウタ

同時収録作品あいのふたり

篤史 神現し様
眞一郎 篤史の世話係 神主の家系

同時収録作品午前4時53分

森尾 大学生 実家のコンビニバイト
沖 大学生

同時収録作品約束日和

冬児 フリーライター
吉実 土産物屋

その他の収録作品

  • こいのすみか
  • あとがき

あらすじ

卒業式の夜うっかり告白したら、つき合うことになってもうた! 3年分の片思いが実ったらしい。「愛してんでv」とかよう言うわ。ほんまはガキンチョでキスが精一杯やん。…そやけど、もし大人になって「男」になったら、セイジは女より俺を選ぶやろか──? 出会った時から恋愛感情しかなかった、そんな想いが詰まった読み切り集*
(出版社より)

作品情報

作品名
あまい、にがい
著者
なえ*淡路 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
発売日
ISBN
9784862637598
3.6

(20)

(3)

萌々

(9)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
72
評価数
20
平均
3.6 / 5
神率
15%

レビュー投稿数7

【あいのふたり】に神

短編集。
10年程前の作品のようです。
表題作はDKの可愛さに萌えたし、
どれも良かったんですけど【あいのふたり】
に感動したのでそちらを書きます。

舞台の町では古くから土地神信仰があって、かつて災厄をもたらした神様の現(うつ)し身として第二次性徴後顔にアザが現れた男子を神社裏の屋敷で過ごさせる、というしきたりがあります。

言ってみれば厄病神を人目のつかない所に隔離して一生を終えさせるという非人道的な風習、胸糞です。

神の現し身の篤史と代々世話係をしてきた家系の眞一郎はカラダを繋げる関係。
だけど2人の想いには差があって
篤史は「好き」眞一郎は「同情」。
眞一郎は先代の現し身が孤独から自ら命を絶った事で笑顔を見せない。篤史の想いも2人しかいないこの環境だからだ、と届きません。

そんな事情を知らない篤史は
好きな眞一郎の為に自分の得意分野の絵を練習したり祭で金魚を100匹掬えたら笑ってくれるかな?
と想像したり…いじらしい。
いいな、と思ったのが自分でお金を稼げないから出来る範囲でっていう所。与えられた物で何かするのでは意味がないんですね。
いつも何やらスケッチしてたのが、眞一郎の(見たことのない)笑顔の絵だった時の私の感動ったらなかったです。
人を好きになるって、相手を思ってするこういう事だよなぁ、と。なんだかとても胸を打つものがあり泣いてしまった。

こんな環境で何で笑っていられるのか?と問う眞一郎に、実は昔一度会っていて神現しになりたいと思っていた、と告白する篤史。

ビックリ!
早くそれ言えば良かったのに笑。
ともあれ、このオチがあったのでこの『胸糞設定
→隔離された場所で2人だけの世界=尊い』
まで変換できたような気がする笑。

【あいのふたり】は2話続きの1話目。
続く【こいのすみか】も短いけど良い女子目線の話。そうよ権力を握るのよ女子!!笑

0

どの作品も良品でした

なえ*淡路さんの2冊目のコミックです。
初めてのコミックを読んだ時に、要チェックの作家さんだな~と思っていたのですが、ようやく2冊目が読めました。
短編ですが、どのお話もよかったです。
それぞれのカプのシチュエーションも色々で飽きさせませんでした。

特に好きだったのは「あいのふたり」のシリーズ。
閉鎖的で土地神信仰が未だに強いという場所で、主人公2人は地元の人々から畏れられているのですが、普段は地元の人との関わりが薄いために、お互いが唯一の存在なんですね。
収録されている作品の中では一番切なさを感じました。
また、和服と言うのもあるかもしれませんが、とても日本的な雰囲気があって、それもよかったです。

「約束日和」も好きでした。
幼なじみモノなんですが、これも離島が舞台で、きっとこういう田舎ではゲイという存在自体が珍しいだろうし、認識もされてないんだろうなと勝手に想像すると余計に切ないものが・・・。

絵柄も私の好みに変わってきているようですし、お話もしっかり読ませてくれるので、益々要チェックの作家さんになりました^^。

3

バリエーション豊富

「あまい、にがい」
大人にも子供にもなりきれないような、でも確実に大人への階段を上っている二人の正にあまくて、にがい作品でした。
早く大人になりたい、けど大人になった時に自分のことを好きでいてくれるか、と悩むヨウタに、真っ直ぐなセイジの言葉が救いの手を差し伸べるようなそんな話です。

「あいのふたり」「恋のすみか」
少しファンタジーも入ったようなお話です。
物語の背景は、どちらかといえば哀しく薄暗いのですが、二人の愛やチヨちゃんの存在がこの物語を暖かく包んでくれます。
言葉にしようとすると、中々難しいもので上手く伝えられないのですが、切ないのに暖かい、心がギュッとなるような作品です。

「午前4時〜」
エロ特化作品です。でも、エロだけじゃない。
実は恋愛初心者な受けが可愛かったです。
そして、その後の後日談が非常に可愛いのでくっついた後の二人の話がもっと読みたい。

「約束日和」
数年間かけて、両片思いのふたりが結ばれる話。
小さな島特有の島のみんな家族みたいな暖かいほのぼのとした空気感が好きです。
そして後日談のおばあちゃんがナイスです笑

この作家さんを読むのは2冊目なのですが、
暖かかったり哀しかったりエロかったりとバリエーション豊富な作家さんで、読み手側の飽きを感じさせない良い作家さんです。

0

いい具合に進化している作家さんです

昨年のデビューコミックから2冊目の作家さん。
前作に比べて成長しています!
エチがいっぱいと作者さんも言うとおり、各作品ごとに今回は全部エチが入っておりますが、前作ではあまり見られなかった細かい身体の部分の描写や表情に目がいきます。
絵は、あれ?あの作家さんに似ている!な部分が多々あり、きっとまだまだ進化の途中なんだと思わせます。
そして、気持ちの表現は切なさという部分がクローズアップされて心に残るストーリー展開になっています♪

表題は、中学卒業の時に告白してそれから”トモダチ+キス”な関係になったセイジとヨウタのお話。
青春らしく、子供が背伸びをして一歩大人の階段を上りたい!そんなストーリーになっています。
それは、ヨウタが飲むブラックコーヒーに象徴されているのだなということがわかります。
互いの変化にとまどうあまり、どうしたらいいかわからない。
そんなほろ苦さが充分に出ていてよかった♪

『あいのふたり』『こいのすみか』は連作
これが一番好きだったな♪
その街では男子が第二次性徴期を迎えると顔にアザのあるものが現れるそうで、その男子を「神現し」と呼び神社に閉じ込めてしまい、その存在は人々を恐れさせるのです。
現在のその「神現し」が篤史、そのお世話をするのが神社の息子・眞一郎。眞一郎は篤史の身の回りの世話を、その性欲まで面倒を見ているのです。
こういう特殊設定はものすごく好みで、しかも、そこにトラウマや秘めた恋、純粋な気持ちなどが介在して、いい具合に混ざり合い静かにしかも根深くドロドロとトグロを巻いた気持ちが浄化されていく様がなんとも切なく、温かく、目をひきつけるのですよね。
真っ直ぐに「神現し」であることを受け入れ眞一郎を愛する篤史。
本当は逃げたいと思っているのではと、過去に囚われて篤史の気持ちを受け入れることのできない眞一郎。
彼らの気持ちの繋がりに、少女が介在するのがこれが上手い!
ラストに少女よ、頑張れ!と嬉しくなった。

『午前4時53分』
エロ特化作品、道具はコンビニにあるもの!?
エロエロだけに期待してください。ヒント・・・甘いもの・・・
エロ特化なのに、ちゃんとストーリーが魅せる!
これも切なさが淡々と綴られてちゃんとハッピーエンド。
題名もまたいい♪

『約束日和』
恋心を抱えたまま高校卒業から音信不通にしていた同級生が帰郷してきた。
やけに絡んでくる彼には一体どんな気持ちが?そして思わずとった講堂に?
後半のエチシーンに工夫が見られます。
咥えた表情で呼びかけられて顔を挙げたシーンの表情がエロス!!
ちょっとデッサン歪んでるかも?とおもいましたがそこがリアルでくぎ付け!?

各話のラストにおまけでショートマンガが付いています。
後日談のようなその展開はクスリと笑えたり、爆笑したり、オチになっていてそれがまた作品の高感度をあげています。
進化したこの作家さん、次はどんな作品を見せてくれるのか?楽しみでありますヨ♪

3

恋愛の甘さも苦さも詰まってます♪

「あまい、にがい」は表題作のタイトルなのですが、
このコミックスに収録されている作品全部が恋愛の甘さも苦さも詰まったような作品です。
可愛い~!となったり、人の残酷さを思い知ったり様々な作品が収録されており
この作家さんの振り幅の大きさを思い知りました。
なえ*淡路さん…2冊目にしていい作家さんになりましたなぁ…

『あまい、にがい』
中学3年間友人だったけど、無事に恋人同士になったセイジとヨウタ。
チュー止まりの二人だけど、それ以上ステップアップしたいヨウタ。
「男」と「女」がハッキリ分かれはじめた高校1年生。
心も体も大人になりたいけどなりきれない、そんな性春真っ盛りなお話でした。
恋愛はキスのような甘~いことだけじゃなくって、嫉妬とか悩みとか、いろいろ苦しいこともあるんだぞ!と思い知らされる内容でした。
それでも全体的に甘い雰囲気で読んでてニヤニヤものでしたww
背伸びしっぱなしだったヨウタよりも、ガキだと思っていたセイジのほうが一枚上手でしたね♪
最後の4コマがめちゃくちゃ可愛かった~
ようやく結ばれた二人の嬉し恥ずかしドキドキ★がこっちまで伝わってくるようなバカップル漫画でしたね!ww
こういうニヤニヤ漫画、大好きです!w

『あいのふたり』
ちょっとファンタジー?多分一般的にこの作品が一番人気ありそう。
その町では顔に痣が出来た男を「神現し」という神にしたてる風習がある…という設定。
現在の「神現し」である篤史と、その世話役・眞一郎。
眞一郎は篤史の世話と称して、彼に抱かれているのですが…
その「神現し」という設定が凄かったですね。
「神」と崇めていながら、不吉な対象でもある「神現し」。
勝手にそんな対象にしたてあげられたうえに、自由を奪われ、罵られる運命になった篤史。
そんな篤史を見て心を痛める眞一郎ですが、篤史は案外平気そうなんですよ。
それには理由があって…
篤史がものすごくロマンチストで、彼のラストの告白でキューーーン!としてしまいました。
傷ついた眞一郎にとっては、篤史がただ一筋の光なのかもしれませんね。
普通なら篤史が傷つく立場なのに…。
篤史の強さも眞一郎を愛する気持ちからきているんでしょう。
二人一緒にいられたなら怖いものなどない気がする!

『恋のすみか』
「あいのふたり」のスピンオフ。
ある少女から観た篤史と眞一郎。
思った以上にバカップルになっている模様…w
こんな甘い二人が見られてよかったです♪

『午前4時53分』
エロエロ漫画でしたw
コンビニでコンビニにあるモノを使ってのH…
そして体から始まる恋。
ビッチと見せかけて、恋愛超初心者の受。
作中はちょっとミステリアスな印象でしたが、ラストの4コマでなんだか可愛い奴になってました(笑)
この二人の続編、読みたいな~想像以上にバカップルに違いない!w
恋愛初心者の受がグルグルして、その様を見て攻は猫可愛がりするに違いない!!

『約束日和』
じれったすぎたな…
再会モノ。
何事からも逃げて、流され流されな受に対し、攻がもうちょっと強引に迫ってほしかったかな。
しかしHは素晴らしかったですよ!なんといってもスマタ!!
スマタはあのアングルから見ると絶妙ですな!ハァハァ
これもラストの4コマが秀逸。
コップで聞き耳立ててるバァちゃん最高!!ww

可愛いラブコメからシリアス、ファンタジーまでいろんな種類の作品が読めました。
なんとも言い難い魅力のある作家さんですね。
すごく好きになりました。
次の作品にも期待してます!

2

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