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表題作微熱のカタチ

仁科宏彦,30歳,フードプロデューサー
成見智彰,18歳,予備校生

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  • あとがき

あらすじ

近づいてくる男の気配を感じ、成見が座ったまま後ずさると、彼は身を屈めて耳元に唇を寄せてくる。
「―君が欲しいんだ」ぞくっとするほど低く穏やかな声が、成見の鼓膜を震わせていった。
予備校生の成見智彰は、渋谷の街で不審な男に勧誘される。
強引につれていかれたビルの地下で男の口から囁かれた言葉に、成見の心は捕らわれて―。

作品情報

作品名
微熱のカタチ
著者
和泉桂 
イラスト
あじみね朔生 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
キスが届かない
発売日
ISBN
9784062553728
3

(5)

(0)

萌々

(1)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
14
評価数
5
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

歳の差カップルが良かった

受け攻めの性格は、歳の差カップルの王道な感じでとても良かったと思います。
主人公の成見は18歳なのに、台詞だけを見ると子供のよう。
反対にお相手の仁科は少しというか、かなり冷たいところもある実業家で、大人と子供、両極端な性格のカップルのよさというものがよく出ていると思いました。

仁科に見初められ、彼の経営するバーでバーテンダーとして働くことになった成見ですが、次第に仁科を好きになるものの、冷たく突き放され、でもめげずに頑張り…。
この仁科という男がかなり酷いです。

成見のことを道具とか、ペットとか簡単にいうし、優しくしたら突き放す、鬼畜な感じです。ところどころ仁科視点に切り替わるのに、何を考えているか非常にわかりにくい。
それもそのはずで、仁科自身、自分が成見をどう思ってるかわかっていなくてぐるぐるしています。

成見は元気で真っすぐで感情に素直で、いつの間にか周りの大人を見方にしてしまっているキャラクター。そして父親と母親に捨てられる、というかなりつらい目にあってるのにこんなに元気なのがなんだか見ていてかわいそうにもなるしかわいくもある…。
しかし、バーテンダーの仕事に一生懸命かと思えば仁科に意地悪をされたり従業員とケンカをしてはすぐ「辞める」と言い出したり、かなり無責任というか、ふらふらしすぎなキャラクターでした。

辞める、辞めない、好き、付き合えないをずーーっと繰り返してるんですよね。ページ数が多いのに、お話の起伏というのはあまり感じられず、二人の感情が交差しては一歩すすんで二歩さがる、という感じでした。
カップリングがとても好みだったのと大筋が良かったのですが、ストーリーそのものは、かなりぐだぐだな印象だったかも^^;

せっかくキャラも多いし、もっと綺麗にまとめて欲しかったなあと思います。ぐだぐだぐるぐるを繰り返し、最後はほんとにあっさりくっつきます。ほんとに最後まで何もないので、糖度が足りない!と思いました。しかしけっこうたくさん続編が出ているようなのでそちらに期待します。

総評としては、酷い攻めが大丈夫なら、歳の差カップル好きの方には楽しめるのではと思いました。

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「君が欲しいんだ」

フードプロデューサー・仁科宏彦(30)×予備校生・成見智彰(18)

誰からも必要とされずに予備校に通うことさえ煩わしく街でフラフラしていた智彰。
そんな智彰に声を掛けてきたのはフードプロデューサーの仁科で。
仁科は新店舗のバーテンダーとして智彰を迎えたいといい、智彰が欲しがっていた言葉をくれて…。

とにかく智彰がいい意味で?子供というか少年らしかったです。
自分の感情に対して非常に真っ直ぐ。
なので、時としてそれは癇癪になったり苛立ちになったりもするけれど、相手に対する行為も少しも隠すことなく露わにしていて。
必死で仁科に必要とされたがってる姿は健気でもありました。
そんな無邪気な姿に仁科も絆されていったともいえなくもなく…。
仁科はプレイボーイ系で女はとっかえひっかえ。
不特定多数と付き合うことは出来るのに、智彰からは告白されても少しも受け入れようなしない。
遊びでも手を出そうとしない。
それが、逆に仁科にとって智彰が「特別」だからだと思うんだけども。
それを大人ゆえなのかなかなか認められずに周りからいろいろふっかけられることになったり。
最初の時点からちょっとした智彰の反応に心を揺らされ続けているのに、最後の最後まで認めないところがなんともらしいというか。
完全に成見の押し勝ちのような。

とりあえずは恋人関係に執着したようだけれど、仁科が今まで成見に世話を焼いてきたせいもあってなのか、2人の関係をなんとなく「飼い主と飼い犬」というようなスタンスで語ることが多いのが気になるところ。
飼い主とか飼い犬とか言われると、どうも歪んだ関係を想像してしまうのだが、これからそんなふうになっていくのだろうか…。

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