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表題作I bee ~愛の夢を見る

弓宮若樹・地元の町の巡査 24歳
古林眞白・幼馴染みの教師(アイビー) 24歳

あらすじ

己の勝ちを失う挫折を味わい、平凡な教師として10年ぶりに田舎に帰ってきた眞白。彼の甘酸っぱく淫らな思い出は全て、幼馴染みの若樹に絡んでいる。ハンサムな町のお巡りさんになっていた若樹は、心を見せない眞白を蕩かす。
自分でもどうにも出来ない、苦くて恋しい棘。
だが、耐えきれず若樹に別れを投げつけた夜の森で、眞白は淡い蔦のように体に滑り込んできたヒトではないもの、アイビーに侵略される!?
やがて、それはとんでもない事件を引き起こし-!!

作品情報

作品名
I bee ~愛の夢を見る
著者
五百香ノエル 
イラスト
MAMI 
媒体
小説
出版社
大誠社
レーベル
LiLik文庫
発売日
ISBN
9784904835036
2.7

(4)

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萌々

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(3)

中立

(1)

趣味じゃない

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レビュー数
3
得点
10
評価数
4
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

エイリアン・ホラー・パニック?

摩訶不思議なお話です!!
「サミア」には宇宙人が登場して、その清らかな愛に涙を流しましたが、このエイリアンものは・・・・途中までBLの匂いを残していたものの、中盤から後半に至り、ホラー・パニック の相を呈した話になってまいりました。
終わりも、ちょっとミステリアスに・・・
BLにこだわる人が読めば、認めない!って思うかもしれませんが『ヒドゥン』な感じで面白かったかも(但しグロテスクです)

以前村だった町に、元オリンピック水泳強化選手だった眞白は中学校の体育教師として戻ってきます。
中学まで一緒で、性的経験をしていた馴染みの若樹は警官になり、町の派出所で巡査をしています。
そして、若樹の執着で眞白と若樹は再びセックスの関係を持っていますが、それは恋愛関係かというと、お互いに認めていない部分がある。
小さな町だけに、人間関係は狭く、ほとんどが同じ町に暮らし続けている為、女性達は見目のよい若樹や眞白を、あわよくばと、色目で見られている存在。
この環境が、これから始まるおかしな体験を育てていくのです。

地球に落ちた異生命体は、植物のような生体を持ち蔦のような特徴を持つモノは眞白に寄生を。
捕食植物ラフレシアのような異生命体は、地味でコンプレックスを抱えている若樹達と同級生で女性教師の赤森に寄生します。
しかし、この2体は一方が生まれたての無垢な、人間と共鳴する部分を持つのに対して、もう一体は支配者たろうとする成体である為、寄生した人間を浸食してしまうのです。

眞白に寄生した生命体は”アイビー”といい、眞白の本当の感情をくみ取ることで本能に素直な存在であります。
眞白の潜在意識をくみ取って、時には前面に出、時には隠れ、眞白の気持ちが伝染してアイビーも若樹が好きになり、若樹も眞白を好きと同じにアイビーも好きになる一種の三角関係(?)になるのは不思議な気持ちです。
でもだからこそ、ラストの展開へ結びつき、エピローグで!!??になるのですよ。
また、リーチはアイビーを唯一の交配する相手と認識しているので、リーチとアイビーの間にも悲しい片恋が存在するのですが、
アイビーはリーチを嫌悪しているので、それはとても悲しい恋なのです。
その為に後半のパニックのような悲惨な事件に発展していくのですが・・・

小さな町という設定のせいか、ここに登場する女性達には余り良い印象をもらえません。
結婚や出産にこだわる姿は、当然といえばそうかもしれませんが、好印象を与えないのは確かです。
だからリーチは女性に寄生させたのか!?
そういう意味で、若樹・眞白・アイビー以外の存在は(リーチと女性)全く排除されるべき存在として位置づけられているのかな?ともとれました。

とにかく読まないとわからないと思います。
読んで実際に感じてほしいです。
異色作なのは間違いないです。(萌えは保証できませんが)

そして、最後のエピローグ・ラストに・・!!!???
一応詳しい中身が分からないように書いたつもりですが、多少のネタバレすみません。

1

最後に残されたモノは…

今回は典型的なガキ大将気質で頼られている巡査と
町の英雄となるはずだった体育教師のお話です。

受様の帰郷と前後して町にやってきたあるモノが
巻き起こす事件に二人の恋の顛末を絡めて進展。

受様と攻様は
小さな村で共に育った幼馴染です。

攻様は
勉強はそこそこ運動は出来る程度でしたが
無意識に周りの主導権を握るガキ大将で
村の同世代の子供達とっては
何処に行くにも何をするにも
攻様がいないと始まらない程の存在でした。

長じた今は
併合して町になった地元で
派出所のお巡りさんをしています。

一方、
受様はその美貌と水泳の才能で
同世代の子供達を寄せ付けない存在で
中学で世界選手権の順位に名が挙がると
卒業を待たずに上京します。

しかし、
高校でオリンピック強化選手から落選、
この春に中学校の体育教師となる為
帰郷します。

昔から受様を独占してきた攻様は
中学の時に既に彼を手に入れていましたが
自分の気持ちを告げる事はなかった上に
当時から来る者拒まず去る者追わずで
過ごしていた為

周りの子供同様
攻様に構われる事を喜んでいた受様は
攻様になぜ自分なのかと問う事も
自分の気持ちを告げる事も出来ませんでした。

二人は受様が帰郷した直後から
再び関係を持つのですが、
お互いに自分の思いを口にせずにいる為
二人の関係は進展しません。

そんな時、
宇宙を漂っていた二つの生命体が
地球の重力に惹かれて落下します。

その生命体は
地球に落下した事で生命力が低下し
力をつける為に目に付いた生命体に
寄生する事にします。

健やかな植物の特徴をもつ一体は
受様に
捕食植物の特色をもつ一体は
受様の同僚で地味な女教師に。

そして二人に寄生した生命体は
宿主から知識を得ながら
己の目指すモノの為に行動を起こします。

地球外生命体に寄生された受様に
攻様との未来は有るのか?!

幸い受様に寄生した生命体・アイビーは
本能に忠実でしたが素直な性質で
宿主である受様の思いに共鳴して
攻様との関係改善を担ってくれるのですが

女教師に寄生した生命体・リーチは
自分と同種のアイビーをしか認めず
高慢な性質で地球の生命体の
支配種となる事のみを望みます。

そして宿主を使って力を蓄え
新たに生みだした分身を
次々に町の人間に寄生させていきます。

リーチはヒルやラフレシア等
グロテスクな物体として描かれている為
寄生された人達もかなり悲惨な目にあって

このままじゃ人間がいなくなるか?!と
かなりハラハラな展開ですが、
最後はアイビーの犠牲はあるものの
なんとか町も日常を取り戻します。

主人公達の葛藤に上手く絡めて進む上、
最終的に日常の平和を取り戻せるので
読後感は悪くなかったです。

ホラーと言うか
サスペンスと言うか迷う作品ですが
五百香キャラの理屈っぽさが
富にでているお話ですので
これらが苦手な方にはお奨めしません(笑)

今回は刑事ものの近未来サスペンス、
五百香ノエルさんの『キリング・ビータ』を
ご紹介作としますね。

0

B級SF(パラサイト)的な

帯『彼らからしたたる恋の秘密』

新レーベルLiLiK文庫(リリ文庫)創刊だそうで、ノエルさんは好き作家さんなので先ずこれを読んでみました。

えーと普通のBLとはかなり違います、イライジャやジョシュが出ていたパラサイトを見た方ならあれが寄生生物の片方、リーチに関しては近い気がします。

2種の宇宙寄生物リーチとアイビーがが地球に降りてきてリーチは地味な女性瑞那に、アイビーは眞白[受]に寄生。
眞白は幼馴染みである若樹とセフレ的な関係で、同じ宇宙寄生生物でもアイビーは穏和で眞白と同化します。
BL要素はしっかりありますが、先に挙げた寄生された女性が人を襲うというSF物で若樹の元恋人茜がかなり活躍したりとSFライト小説としての割合がかなり高いのですね。
そのSF物語部分を好きかどうかが、この作品を面白いと思うかどうかの分かれ目になると思います。
自分的にはパラサイト大好き人間なので結構楽しめましたが、読む人を選ぶだろうなーという気はかなりします。
リーチも男性に寄生してた方がBL度は増したんじゃないかな。
展開もアイビーと眞白との融合とかの描写はそれなりに良いんですが、もっとぐわっと文章的にぐいぐい酔わせてくれる様なのを期待してたんですが、そこは思っていた程ではなかったのがちょっと残念。

挿絵のMAMIさんは初見ですが、アニメっぽい絵柄でライトノベル的なこの作品には合っていたと思います。

こういう作品は好きなので萌で良いかな~とも思ったんですが、精神世界的なやりとり描写がもう一押し足りなかった気がするので中立で。
ノエルさんならもっと描けたっていう期待もあったんですよね。好き作家さんなのでちょっと辛めです。辛すぎるかもしれないです。

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