イノセンス~幼馴染み~

innocence

イノセンス~幼馴染み~
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神29
  • 萌×212
  • 萌15
  • 中立6
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
16
得点
244
評価数
66件
平均
3.8 / 5
神率
43.9%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
幻冬舎ルチル文庫(小説・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥648(税抜)  ¥700(税込)
ISBN
9784344819702

あらすじ

睦の「好きな人」は子供のころからずっと来栖。睦には、その「好き」の意味もあまりわからない。そして二人の関係に変化が訪れ…!?
(出版社より)

表題作イノセンス~幼馴染み~

来栖貴文,幼馴染で議員秘書,高校~29歳
乃々山睦,純粋無垢な青年,高校~29歳

その他の収録作品

  • イノセンス~再会~
  • 冬の向日葵
  • 真夏の椿
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数16

幼い頃から甘え続けていたのは貴文の方

少し前の作品ですが、ちるちるでレビューを読んで気になったので。

少し発達障害(?)がある純粋な睦が、可愛らしくてときどき痛々しくて、本来なら泣くべきところじゃないような場面でも涙が出てしまいました。
とてもいいお話だとは思います。が、貴文に少々イラっとした場面も。
高校生の頃は色んな女と付き合い、卒業後は睦の元を去り、それから8年後に再会してからも、心は睦に縛られたままであるにも関わらず、ほかの女と結婚しようとするという。
いい加減ハラくくれや!
と思わずにはいられない。と、いうか完結後も私としては「いつまで一緒にいられるか分からない」という貴文の一言が引っかかってしまいました。議員秘書なら、これから先も見合い話とかたくさん来るでしょうし。結婚する意思が本人にはなくとも、それを貫き通すことを周りが許してくれるかどうか…。いつか、また睦を捨ててしまう日が来ることを考えると…。
ラストで、もう少し睦と読者を安心させてくれる何かがあればなぁ、と思いました。

1

とにかく すごくよかった

いつまでも子どものままの睦と、どんどん大人になって変わっていく来栖の長い長い、恋の話です。ずっとずっと、相手のことが好きなのは二人同じ。でも、周囲への影響など思い至れない睦はただただ素直に気持ちをあらわすのに、大人になっていく来栖は色々考えすぎて遠回りばかり。成長することの残酷さを、取り残されていく睦とともに感じます。睦の子どものような純粋さに何度も泣きました。悲しい話じゃないところでも、なぜだか泣けて泣けて、読み終わる頃には自分の心まで洗われてしまったような。

でも、残酷に思えた「成長していくこと」こそが、また二人を繋げてくれます。来栖が本当に大事なものを睦といることで思い出し、二人が寄り添って生きる方へ歩き始めるようになるのです。そして変わっていく来栖を思い続けるだけに見えた睦も、少しづつ、少しづつ成長していました。二人の「成長」は、互いへの愛情と優しさを基盤としていて、二人の会話の端々にそれを感じるたびに、また涙してしまいました。

来栖も人間らしいいい男です。完璧に見えて完璧じゃない、きれいなだけじゃない魅力があります。この来栖が睦を離したがらない気持ちがとてもわかり続きます。最高の結婚相手は「そうありたい自分」でいられる相手、なんてことをどこかで聞きましたが、来栖を見ているとまさにそれだなと思うのです。
大人になって、大事にしていたもの、好きだったものが取るに足らないものになってしまうのは誰しも経験のあることだと思います。睦は来栖にそのことを思い出させてくれる存在なのでしょう。ついでに私も、素敵なものを思い出させてもらったようです。

これは蛇足かもしれませんが、純粋なものほど、本能的な場面が引き立つのでしょうか?この作品ではキスだけでも指先がピリピリするくらい萌えを感じました。決してエロくはないのですが、なんというか、萌えとしか言えない。

長いレビューになってしまいましたが、いい小説を読めて、いま幸せです。

6

癒し系

良かったです!プ◯さんとク◯ストファー・◯ビンみたいなカップルに癒されました。優しさに飢えている時に読むといいかもしれません。

受は天使のように可愛い子です。攻は賢いわりに生き下手なので、まあまあ可愛い奴です。砂原先生の作品に共通する魅力ですが、攻の素の言葉遣いが少し乱暴でトキメキました。職場では社会人らしく敬語を使う男性が親しい相手に対しては乱暴な言葉遣いになるギャップに個人的に激しく萌えます。私の場合、萌える言葉遣いがなかなか見つからないため、砂原先生は貴重な作家様だったりします。ただ乱暴なだけじゃダメなんです。細かい表現が子供っぽい感じでマイルドな乱暴みたいな・・・全然上手く説明できないです。とにかく攻の言葉遣いに萌えました!

この作品、大変感じの良い脇役が何人か出てきます。友情に厚い受の友人、意地悪ぶってる攻の婚約者、通りすがりの攻の元同僚、受と攻をいつまでも子供扱いする床屋のおじさんが皆、直接的にしろ間接的にしろ愛すべき受の幸せに一役買います。どのキャラクターもヘタレ攻に代わってそれぞれ美味しいところを持っていきますが、私的「ベスト脇役で賞」はコンビニ強盗の牛島君続きです。台詞がほとんどないにもかかわらずやたら存在感があり、その存在だけで攻の婚約者に対する強烈な先制攻撃になってしまうほどです。牛島君がどうなったのか気になります。砂原先生、牛島君のスピン・オフ書いてくれないかな。コンビニ強盗のノンケ受とかダメかなあ。

6

純粋で純愛にホロリ

このレビューは正直難しいなと感じました。
いつも大したことを書いているわけではないのですが、この作品は言葉選びが頭を悩ませました。
砂原さんも難しい題材選んだんだなあと。


受けの睦は、幼馴染の来栖(クルちゃん)が大好き。
少しだけみんなとは違う、そんな理由からずっとバカにされていました。

攻めの来栖は、睦の面倒をみる幼馴染。
整った容姿に、恵まれた体格を持ち頭も良いが、不器用な青年。


攻めと受けの視点が切り替わる作品です。
わたしはこのタイプの作品は、ふたりの気持ちがわかりやすいので好きです。

幼稚園から高校までずっと一緒だったふたりですが、大学進学と就職に進路が別れ、来栖が自分から睦の側を離れていきます。

高校時代のふたり、26歳で再会するふたり、29歳の共に過ごすふたり。
どれもキュンとさせられました。
もちろん来栖は睦が好きなわけですが、それ前提であっても彼は優しい。
睦の良いところを見つけてくれ、心配をし、理不尽なものに怒る。
そんな感情は睦の辞書にないから、彼の代わりのように腹を立てる。
そんなところが、心をホカホカさ続きせてくれます。
反面、来栖が一度別れを選んで東京へ行ってしまうシーンは、泣けました。
なんだかNOKKOの『人魚』を思い出してしまい、よけい切なかったです。

高校でできた来栖以外の友達、東京でできたご近所さん、ともに睦を心にかけてお情けでなく純粋に友人として対していてこちらまで嬉しくなりました。
純愛の作品久々に読みましたが、やっぱりBLらしくて良いですね。

5

難しいとおもっちゃいけないのかも

砂原さんの作品は読みやすいため
手にすることが多いです

この作品に関しては、読みたかったけれど
簡単に読んで大丈夫なのかが
自分で不安でした

未発達である睦のことは
あらすじや紹介などで認識していたからです

弱者だからどうとか
健康だからこうとか
そういう視点で読むつもりは
なかったですが

ともすれば、大きくどちらかに
片寄ってしまう見方読み方を
してしまうのではないかという
不安があり、購入したものの
1年以上読めなかった作品です

同情的な感情移入しか
できなかったら辛いなと思いましたが
結構なボリュームがあったにもかかわらず
スラスラ読めました

難しいテーマであったでしょうし
受け取りや見方によっては
違う印象となる作品であると
思います

感情を表現できても
身体のつながりをどう結びつけることが
できるのか
これはやはり難しいなと

睦が沢山話すことで
自身の言葉で伝えることで
かなり緩和はされていますし

出てくる登場人物が良い一人はだけじゃない
部分があり
現実逃避の設定だけではな続きいので
それは良かったと思いました

睦を大いに甘やかせてあげて
いただきたい

4

手元にずっと置いておきたい本です。

上記の出版社からのあらすじだけでは、手に取らなかった本だと思います。みなさまのいろいろな意見・ネタバレ・レビューを読んで、購入したいと思いました。

あらすじは、他の方が綺麗に話して下さっていますので、個人的な感想を書かせて頂きます。
他の方と同じですが、難しいテーマだと思います。

何度も泣きたくなったり、心臓の裏辺りがドロリと痛んだり、手が震えたりしました。最初の睦の彼女(?)は、殴ってやりたくなりますが、彼の良さも彼のことも何も知らないからだと思いたいです。でもきっと知ってても差別や拒絶する人は、たくさんいるのだと・・思うと・・悲しいです・・。

それでも読んで、この作品に出会えて良かったです。萌えの部分は、膨大では無いですが確かに有ったと思います。そして萌えでは無い、他の大事な部分をたくさん貰えたと思います。

睦(受け)のことを理解してくれる、両親・友達・隣の家の家族(攻め様の家族)、初めは恐く感じた攻めの彼女。そして愛してくれる攻め。希望がたくさんあったように思えます。

そして小説の描かれ方が、受けの視点・攻めの視点と交互に書かれていたのが分かりやす続きくて、好きでした。なので、攻めが約束を破って連絡を寄こさなくても、睦を選べない理由も、痛いほど分かります。その分切ない気持ちも伝わるので、この二人がくっつかないのは、何が悪い訳ではないのだな。と思えてしまいます。

上手く説明が出来ませんが、睦が常に一方的にみんなに愛され、守られてるわけではなくて、苦労するシーンも何度か出てきます。それでも頑張ってる睦に、そして彼の純粋な部分から、攻めも含めて周りの人も忘れていた大事な宝物をもらえてるのだと思います。

個人的な自分の話ですが、引越しのたびにランドセル、勉強机、昔描いた絵、お母さんが作ってくれた洋服、友達から貰ったぬいぐるみ、手紙、宝物だったはずのものを捨ててきました。大人になるんだからと前を見てるふりして、手を繋いでいたものを離していきました。これは正しかったのか。今、手元にあるものは何か。大人とは何なのか。
本を読んで気づかされました、こういった自分が守って大切にしてきた宝物、嬉しかった思い出、悲しかった記憶、そういった忘れたもの・忘れなかったもの全ての集合体が今の自分なのだと思います。
攻めのクルちゃんも言っていましたが、睦という存在がそういったものを思い出させてくれます。

本編の後半で、睦が「クルちゃんは、じゅんすいなんだね。」というシーンが有るのですが、
自分は随分汚れてしまった・・と思っていたクルちゃんには、衝撃的な台詞だったと思います。
クルちゃんの背中が震えたという書かれ方がとても好きでした。わたしの背中も震えて、嗚咽がでそうでした。

以前の仕事だったり、他の理由でも自分の周りでハンディを持った方と接する機会があります。
色んな意味での、こうであって欲しい、現実でもこういう考えの人がたくさん居て欲しい。
自分の希望も詰まった本ということで神評価をさせて頂きます。

6

純粋無垢とは

主人公の睦は皆様が言っているように学習障害?発達障害?の障害者です。
子供のころから変わらない睦は、幼馴染の来栖からしたら子供のような無垢な存在。
睦の事が好きだから余計に彼が純粋に見えてしまうのかもしれない。
『恋』という意味での好きが睦にはよくわからないですから、自分の好きと睦の好きは別だと思いこんでしまう。
一生片思いのままなのではないかと苦悩しています。
睦は来栖のことが大好きですから、睦と付き合おうと思えばいくらでもできました。
でも何も分からない子供を騙すようで、汚してしまうようで恐ろしいんです。

でも睦も普通の人間で、来栖が誰かとキスをしていたら悲しくなるし、来栖から距離を置かれたら追いかける。
当然生理的な欲求だってあります。
大人になって来栖はそれに気づいて、やっと一緒になる覚悟が決まります。

本当は来栖が素直に睦に「傍にいてほしい」と一言言えばいい話なんです。
でも自分の生い立ちのせいで正しい答えを求めるばかりに、ずっと睦に言えませんでした。
そんな難しい性格の来栖だからこそ、睦のような自分の感情に素直な彼に惹かれたんだと思います。
続き
来栖は睦と一緒にいると自分も子供のころのような純粋な気持ちに返れるから好きだと気づいた時は感動して涙が出そうでした。

描き下ろしの『真夏の椿』では、睦の母親は二人の関係に複雑そうな感情を抱いているような描写があって、なんとも胸が痛くなるシーンでした。
もしかしたらかつての来栖と同じように、来栖はよくわからない睦を丸めこんで付き合ってると思ったのかもしれません。
それでもきっと来栖はちゃんと睦の両親に挨拶して認めてもらって、これから問題に直面しても二人はすっと一緒にいるんだろうなあ。
ハッピーエンドなはずなのに、なんても言えない切なさが残ります。

6

幼馴染

これは最初からちょっとホロリと涙もろもろ~で読ませていただきました。
受がちょっとした障害を持っているために~な部分もありますが
作品は作品として私は読ませていただきました。
とりあえず、これ何があれって、攻がシャキっとしないからいけないと思うねんっっ(ノ`Д´)ノ キィィィ
な部分が多かったww

年を重ねても、心が一途に子供のまますすまない 受。
その受を大事に思うがあまりに、自分の邪な気持ちで怪我してはいけない。
まっとうな道から受を外したくないという気持ちが抜きん出てしまい、最終的に、受をほっぽりだして逃げてしまうという攻がいただけない作品なのでありますが、それによっての、葛藤であったり、受が「恋」を知っていくまでの流れがゆっくりと、丁寧に描かれている作品だなと思いました。

子供のまま変わらない受。
好きなものは、ずっと好きで、大事なものはずっと大事。
けれども、攻は、小さい頃好きだったものは嫌いになり
大事だったものも大事でなくなってしまう。
攻の言いつけを守り続けていた受は、攻の成長にともなう変化に戸惑っていく。自分のことを可愛がってくれた攻。続き自分のことも、嫌いになってしまったのだろうか、自分の位置はいまどの変なのだろうか。
葛藤していく姿に思わず涙してしまいました(*ノД`*)・゚・
最近めっきり、涙腺がよわくていけない。

泣すがる受。泣すがる攻。
年めぐって、同じことを逆パターンで繰り返すという構成が面白かった。なのだけれど、もうひと押しあってもよかったかなと思ってみたり。

後半に向けて~のバタバタっとした展開も良かったです。
ご両親にもきっちりバレてそうなのがいいですな(笑
なんにせよハッピーエンドなら全てよし。
砂原先生の実力を感じられる作品でした。読み応えアリ!
ただ、究極にじれったい。

4

障害児を持つ母だけど

BL歴15年にして書き込み初体験ですこの作品を読み、他の方のレビューを拝見させて頂き、障害児を持つ母として一言?言わせて下さい。睦は軽度の自閉症ですね、うちの息子もです。読んでいて同じ様な行動パターンがありました
痛い物から目をそらしたくなるのが人間の心理なので、受け入れられない方も多いんでしょうが、この話の根本は障害とは別物だと思います。想いを隠せない一途な受けと逃げてばかりいるヘタレな攻めの話ですよね。
確かにBLネタに知的障害はタブー視されがちですが、結構他の作家さんの作品でも これはそうだよ自閉症入ってるよ、という主人公がいますよ~むしろこの作品の様に明らかに判る書き方をした砂原先生は潔いと思います。
重くなりがちな話を綺麗なラブストーリーに変えた文章力に脱帽です。

9

私の希望かな

 砂原糖子さんの小説はだいたい読んでいるのですが、やはり発行部数の多い作家さんはたまに取りこぼしがあります。
 で、取りこぼしに気づいて読みました。

 すごく重いテーマだと思うんです。
 障害を持つ人で恋愛、ましてやBLを描くというのは。

 萌えという部分は、全くなかったけど、これは私の希望かな。

 私の甥っ子も何もかもがわからないというほどではないものの、発達障害があります。今は5歳。まだ可愛いで済ませられるけど、大人になったらきっと恋愛も仕事も大変だと思う。

 彼も睦みたいに、周りの人に支えられつつも優しさを与えて、生きていってほしいなぁと思いました。
 だから、個人的にすごくいいなぁと思う作品でした。

 現実はそう簡単にいかないとしても……

5

非常に難しいね

たぶん私がはじめて読んだ障害者が登場する作品だったと思います。
そのぶん私にとってはすっごく難しかったです。皆さんおっしゃられていますが、この作品は読み手を選びますね。

私は好きでした。発達障害である陸は周りとは違った発言・行動するし、感じたことは感じたままに受け取り、そういういみで“イノセンス”なのかな?

だから、陸が来栖のことが「好き」っていっても、恋愛の“好き”であるとか、普通の“好き”であるとか、どの「好き」であると問われてもわからない。とにかく純粋に好きなのです。
来栖もまた、幼馴染でもあるためちゃんと理解した上でお世話をしてきました。でも、成長していくうちに、その気持ちに対しどうすればいいかわからず、自分自身陸に対する気持ちの変化に戸惑いながら、2人は離れ離れに。

ときどき、陸の行動に心がギュッと鷲掴みされるようなシーンがあり、何度も苦しくなり、切なくなり、更に難しいなと思いながら読み続けました。

その後、あることをきっかけに再会する2人。議員秘書として働くようになった来栖がいろいろ悩んで考えてた時に、心を癒したのは陸の存在でした。

最後は続きちゃんとハッピーエンドです。紆余曲折を辿りながら結ばれた2人に幸せが訪れてホントに良かったです。ずっと苦しかったからね。その分何倍も幸せな気持ちになれました。

この作品買うや否や迷ってたんですが、購入できてよかったです。出会えてよかった^^

3

たいへん難しい。

今まで読んだ小説の中で一番泣いてしまったのですが。
純粋、という一言では言い表せない、ある種デリケートな題材である受の人物像があり。
書かれた砂原さんも、読み手も難しものと思います。
これを私はずるいとも、悲しいとも、単純に美しいとも感じました。
卑怯なまでに美しいので、私は酷評出来ないのかもしれません。ずるいと思いつつも感じ入ってしまう( ′`)…。
駄目な方は駄目だろうし、読み込んでいける方は良いと感じるだろうし。
気に入らないという意見を持つ方がいらっしゃるのも非常に解ります。
読み終わって尾を引くのは避けられないかもしれません。
しかし、このお話を書き切った砂原さんに敬意を抱かずにいられないという感じでしょうか(*′へ`)
私は読んで良かったと思う側でした。…うーん難しい!
攻の存在に苦しくも、読んでて助けられたのが大きかったです。

2

ロマンティックな、おとぎ話。

だけど、地雷の人には、地雷かも。

「言葉」を持たない主人公を物語る。
作者様は、なかなか大変な作業に挑戦されたようで。

睦の中には、最初から言葉はなくて、
来栖の中では、言葉は無理矢理封印されていて。
そんな二人が、ひとときの別れと再会を経て、
とうとう自分たちの間にある気持ちが「愛」なのだと気付く。

こういう、ロマンティックなおとぎ話、大好き。

ひどいことは、全く何も起こらない。
こんなきれい事ばかりの世界、ありえないけど、あって欲しい。
ロマンティックな夢の世界で、カエルの王子様は、お姫様が目覚めてキスしてくれるのを待っている。
甘い、甘い、おとぎ話だっていいじゃない。
気持ちよく甘い世界に浸りたい。

でも、こういう、主人公の障碍がネタになっているような作品が地雷って言う人には受け入れがたいだろうな、とも思う。
なので、真面目な方は、ちょっと気をつけた方がいいかな。

1

私は好きです。

実は、こちらでちょっとした酷評を先に目にしていたので、こわごわ読み始めた部分があるのですが、そんな懸念は不要でした。

キャラ設定が特殊なので、もしかしたら只のお涙頂戴ものととられてしまう可能性もあるかと思いますが、私としては、睦に癒されている部分が多かったし、彼を取り囲む人たちの“結構いい人”なところにまた感動したりして、終わりよければ全てよしの気持ちいい読後感でした。

乃々山睦はいわゆる学習障害を持っているため、健常者とは微妙にズレた言動を取ってしまうのですが、素直で真面目で純粋です。
彼の隣に住んでいる幼馴染のクルちゃんが、このお話のもう一人の主役なのですが、こちらはある事情で必死に勉強し高みを目指している人なのです。

こんな両極端に思える二人がお互いを必要としながらも、それぞれの置かれた状況に振り回されてなかなか素直になれない(素直になれないのはクルちゃんだけですが・・・)ので、計4話を終わってやっとハッキリとしたハッピーエンドになったときは、本当にホッとしました。

睦は守られて当然な存在ではなく、何とか自分の足で独り立ちしようとしているところに大変好感続きが持てました。
もしこれが現実の世界であったなら、こんなにいい具合に味方になってくれる人たちが現れたり、おいしい仕事が見つかったりはなかなか難しいのでしょうが、現実がこういう世界だったらみんなそこそこ幸せになれるんじゃないかと、ちょっと希望を持てる世界感でした。

実際のところはクルちゃんのほうがより大きく睦を必要としている人なので、第一話「幼馴染み」で始めのうちに張られた伏線のひとつは“伏線”だとわかってしまうくらい印象的だったのですが、それでも第二話「再会」でそれに関わるシーンに出会ったときは、(電車内だったので)泣くのを耐えるのに一苦労しました。

幼稚園の頃から始まって、29歳までの長い年月のお話でした。
「睦が真っすぐかどうかなんて、たいした理由じゃない。大事なのは、睦といると自分がそう変われるということだ」
長い時間かけてやっとクルちゃんが悟ったこの言葉、“自分がどうありたいか”が大切だと思いました。

あと、エッチのときの睦のセリフ
「俺、バラバラになりそう。小さくなって、別のになりそう」
あー、とってもいい表現だなと思いました。

5

設定が気に要らない・・・・

毎度いろんな設定のお話ですね・・小さくなってみたり、眠れなかったり、性格破綻だったり、神経質だったりと・・いろいろありますが・・・
今回のは、ちょっと・・どうかと・・思いました。

とっても良かったのですが・・受けの設定はちょっと悲しすぎる感じがします。純粋な受けでいいのでは・・ここまでにする必要は無いよう気がしますね・・
今までのは架空ぽい感じの設定とかそんなに身近じゃなかったりとかだったのでそんなに感じなかったけれど、今回の設定にするのであればもっとちゃんと深く捕らえて書いて欲しかった題材ですね・・ちょっと人として読んでいてしんどいし、別の意味で可哀相なのでBLネタしてはどうかなぁ?と思いました。作品自体はとっても良かったので何かそこが重苦しい後味を感じました。本当に切なくて泣けるのですが、何を感じて泣いているのか自分でも良く分からなくなる感じでした・・・

純粋にBLとしてではなくって、そういう感じの本を求めて購入するのであれば抵抗はないのですが、BLを読むぞ~っと思って普通に読むにはちょっとしんどい設定では、無いでしょうか?

お話自体は受けのその設定がなければ続きとてもいいお話だと思うのですが・・まぁ、攻めは思いっきりヘタレな奴ですが・・そんな逃げるような攻めを一心不乱に追いかけて素直な気持ちを伝える睦は切なかったですね。
純粋に作品として楽しめなかったのがちょっと辛かったですね・・・

2

大人になるってことは、色々捨てるってことなんだな。。。

また砂原さんやってくれました。
今度は多分発達障害を持つ睦と、ずっと一緒にいた幼馴染のクルちゃんこと来栖のお話です。
いつも、こういう設定が出るたびに「ずるいよ!」って思いながらものめり込んで涙を誘われてしまう。

今回の題名は「イノセンス」=天真爛漫・潔癖・無罪 等の意味がありますが、まさに障害を持つ睦はいつまでも子供の心を失わず、まっすぐにクルちゃんを見つめて追いかけ続ける、天真爛漫で綺麗な穢し難い存在。
表題と『再会』までは、本当に睦が「どうして?」って思うたびに胸が締め付けられてつまってしまったのです。
来栖は、自分が本当は養子だったということを知ったときから認められる存在になるべく、変わろうとしてしまった。
そして普通に人が大人になる時に捨ててしまうモノや心、そんな色んなものをいつまでも、まだ壊れていないからと捨てないでとっているのが、睦なのです。
何も知らない頃は純粋にだったけど、自分が変わろうとしたときからは、ある意味義務感で、睦に接っしていたと思うのだが、そのいつまでも変わらない、自分が純粋だった頃を覚えて慕ってくれる睦を、きっと自分が本当は持っていたか続きった宝物として大事にしていたと思うのです。
でも、それに”欲情”という気持ちがあることを覚えてしまった時に、穢してはいけないと思う気持ちと後ろめたさから逃げてしまうのです。
来栖が女子とキスしているのを見て自分もして欲しいと、おこずかいを差し出してキスをして欲しいと願うシーンに、駅のホームで泣きじゃくる睦に、涙がこぼれて、、、(電車の中だったのでヤバかった!)
それから8年経って再会するのですが・・・

政治家の秘書になり世俗にまみれた大人になったことで、忘れた、捨てることができたと思っていた、自分の気持ちに苦しむ来栖。
睦は素直で一途で純粋で、何も変わらずに来栖を慕う姿に、ああー、これが障害のない人だったら「恋」だってすぐに気がつくのに、、
皆そうではないか?と思っているのに、睦だけはわからないから、ただ特別に好きということしかわからないから、それがまた胸を締め付けれれてしまうのです。
8年前は睦が来栖を追いかけたのに、今度は来栖が・・・
睦の純粋な言葉が来栖だけでなくて読者の自分の胸をも抉りました。
睦が変わらなくちゃ=捨てなくちゃ、と色々なモノを壊すシーンが一番切なかった(涙)

『冬の向日葵』『真夏の椿』は、補足のようなお話かもしれません。
睦の周りに登場する人々は必ずしも良い人ばかりだったとは言えないとは思いますが、高校時代の央ちゃん、東京での持田、と温かく見守って時には背中を押してくれる存在として脇をがっちりと支えてくれた、その存在が救われました。

余談ですが、睦が幼稚園の頃からずっと好きだったヒーローの名前「レイダーマン」
この名前を見て”戸川純”の唄を即座に思い出した方は自分と同年代かも?思わずうたっていました(汗)

5

この作品が収納されている本棚

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