ボタンを押すと即立ち読みできます!
甘さの全く足りない、ケダモノのようなデカぶつ2人だ。
このカップル、一部には熱烈に受けると思います。っていうか、わたしにはすごく受けました。でも、一部にめっちゃ受けるということは。キライな人や受け付けない人がたくさんいることが予想されます。ダメな人はホントダメだろう…;それはもう、感覚の違い。
あらすじは読んでいただくとして…。
受けの靫は、警視庁公安部の「綺麗すぎる狂犬」、キレイな男でありながら、ウケっぽさのかけらもない。
女のマゾ奴隷を何匹か飼ってる(ケータイで呼び出せる)ようなオトコです。
年下攻めのヤクザの峯上は情報提供者として、絡んでゆく(っていうか、しょっぱなからアレさせる…攻めとして、靫にナニを要求する)。
ストーリーは新興宗教にかかわってハードにすすんでゆき、そこそこ最低限以上に描かれてました…
骨太なストーリーとしてそれなりによませてくれた、というイミです。BLとしてOKと思います(あ、あれ?;えらそうかな? す、すみません~ん)。
カプの関係性、愛情面で萌えたところは、
繰り返しになりますが、峯上に迫られ、捜査上必要があると、マグロになってやると宣言し、そうする靫。(ナニ受けっていうんだろう)。でもそこに女々さはかけらもないっ!!
なんやかんやで見た目、でかすぎるけど、ワンコっぽく、懐いてしまう攻めの峯上。すげえ体格でコワモテなのに時折の年下らしい幼い表情が、かなり萌え~でした。すねるし~w(もうちょっと多く、カワイイとこが見たかったかなあ)。
惹かれてはいる、でも相手の優位を許容したくはないような…。ハードで危うい関係。
ヤバイです、かっこいいっ。挿絵も合ってました!
是非、続編を読みたいです。ラヴァーズさん、がんばってー!!
未来が想像できない。
沙野作品の登場人物にそういった刹那的な雰囲気をもつ人物が多いのは、孤独の中にあり、孤独に抗う人間くささというものに、沙野先生ご自身が強く惹かれるからではないかと思う。
この作品の主人公・靫真通も例に漏れず、その類の人物だ。
作品を読んでいる間中、私はずっと、断崖絶壁に向かって猛突進する一台の大型バイクをイメージしていた。
靫は幼少時に経験した実父のDVというトラウマの影響により、他人に心を許すことを頑なに禁じてきた。
父譲りの破壊衝動が他人に向くことを心の奥底でずっと恐れてきた靫は、暴力を受ける母親の前で無力な存在だった自分に、今もなお罰を与え続けているのではないか。
そんなふうに感じた。
だとしたら、なんと繊細な優しさなんだろうか。
そのトラウマは話の核として作中に度々登場するわけですが。
靫の精神が敵組織の策によって少しずつ追い詰められていく様子には否が応でも共感させられ、最後まで飽きることなく引き込まれた。
沙野先生の、物語のスパイスとなる設定の扱い方の見事さには、いつもながら舌を巻く。
しかしこれだけ濃厚エロが満載の一冊なのに、なぜか純愛小説を読んだあとのような気分になっているのが不思議。(笑)
ひとえに靫があまりにも男前受で、どんなにイチャイチャしても甘ったるい雰囲気が微塵も漂わないせいなんですが。
他作品であれば間違いなく攻として登場したであろう靫のお相手は、胡乱な目つきの大型セントバーナードのような風体のヤクザ者、峯上周。
こちらは最初から靫に対して好き好きオーラ全快で接するものの、あまりにも分かりにくい愛情の示し方をするので、案の定、クールな男前受の靫にはほとんど伝わらないのでした。
都合のいいときだけ上に乗って来たりなど、体よく身体を使われることを怒るわりには、靫のピンチには必ず駆けつける。
その様子はまさに主人に忠実な大型ワンコという感じ。
この作品を読んで「LOVEが足りない」と感じた方は、ぜひ続編『楽園の鎖』を読むことをお勧めしたい。
作者があとがきで触れているように、一作目『タンデム』には二人の出会いが、続編『楽園の鎖』には二人がようやく気持ちを通わせあうようになるまでが描かれている。
他人を心に住まわせることを許せなかった靫の心の機微がとても繊細に描かれているので、この2冊はぜひセットで読んで欲しい。
(できれば、周が靫を見初めた掌編の掲載された「ラブコレ6th」も)
シリーズを通して、まるでよくできた映画を観ているようだった。
例えエロシーンがなくても、一篇の物語として十分に成立する小説──
これこそが私が求める、究極のBL小説かもしれない。
ラヴァーズ文庫って、比較的ファストフード的でエロエロで、お手軽な感じのする文庫っていうイメージがあって、シリアスものがあっても割とさらっといけてしまう、な感じがしていたんですが、今回のこの『タンデム』はかなり読み応えがありました!
なので、神の大判振る舞いをしてしまいますっ!!
お話は公安刑事の靫(ゆぎ)が、カルト教団を追う中で、野獣のような周(あまね)と出逢い、カルトに取り込まれそうになりながら、追いつめて行くというストーリーなのですが、甘さが全くない!
恋だとか、愛だとか、甘ったるい部分は全く見せずに、狂犬を飼いならすか、野獣を乗りこなすか、みたいなガチンコ勝負な【漢】って雰囲気がムンムンに進む部分がとっても自分好みだったのです。
だから二人の間に介在するエチも、どちらが勝つかみたいな、命を張ったみたいな部分が見られて・・・ラストでさえも、甘さはなく、野獣に対するご褒美みたいな感じで、何かカッコイイ♪
何と言っても、ヤクザの周が乗りこなすバイクが”ボスホス”!
シボレーの5700V8エンジンのモンスターバイクですよ!!!
そんな怪獣みたいなバイクですから、乗りこなす周も大柄で、小山田さんの絵が雰囲気すごく出ていて、いいんです♪♪
それに タンデム=二人乗り ですから~何かそれだけでも、自分的にもワクワクものなんです。
ただの格好つけだけじゃなくて、何だかそのエンジンの振動が伝わってくるような臨床感も味わえたのです。
バイクって、ある意味セックスを比喩するものに使われることもあったりして、マシン的にとても官能的な乗り物なんで、それが生かされていると思うのですよ。
・・・って、何だか自分の萌えがマシンにいっていて・・・すみません。
そして、ここに出てくるカルト教団というのもサブリミナルやレゲエパーティーを使った音による洗脳=そのリズムが多感な若者や、傷を持つものが取り込まれてしまうという設定。
教祖の、中性的な不可思議な魅力とその取り巻きの姿。
ありえなくもないな~と思わせるまさに、カルトな雰囲気が満点でした。
まだこれは、靫と周の出逢い編のようなものらしいので、続編も期待できるようです。
どうして周が靫に興味を持って近づいたか?
教団の逃げた教祖は一体どうなっていくのか。
まだまだ知りたいことが沢山あるので、首を長くして続編を期待したいと思います。
本当、面白かったデス♪♪
男に対して「綺麗」だの「美しい」だの形容するのは
もはやBLの常識、世間の非常識だと思うんだが(笑)
さらに「綺麗すぎる」とついに「~すぎる」までついてしまった。
靫(ゆぎ)は警視庁公安部の綺麗すぎる捜査官、
はて、綺麗すぎるってどんな美形なのよ?と思って
せっせと読んでみましたが、意外なことに靫のルックスについては
それほど書いてない。むしろ、身長が180㎝近くある大男だったり、
ムチャクチャ暴力的だったりするほうが印象深いほど。
ここは小山田あみ先生の繊細なイラストが見事、補完しているッ!
このシリーズは文章と絵がビッタリ補完関係にあって、
これぞBLだよ!!!とうならずにはいられません。
一方、靫の彼氏というにはカラい関係の峯上周(あまね)
こちらの風貌や声については周到に描写しています。
峯上は靫よりもさらにデカい上に、排気量5700ccなんていう
お化けバイクに乗って現れる。一体どんなジョークよ?
ハードボイルドどころか、ハードコアな人物。
考えてもみてくださいよ、190㎝と180㎝の大男カップルって
もはや色気もなにもないケダモノのマグワイではありませんか!
それなのにすんごいセクシー。
いや、ケダモノ同士だからセクシーなのか?
1作目はカルト組織描写については詰めの甘さがあるものの、
(ここは2作目のほうがよくできている)
まずは峯上と靫の謎だらけの魅力にヤラれますねぇ。
ことに峯上の過去や性格はほとんど語られていないんで
いろいろと妄想を掻き立てられます。
峯上の野獣っぷりと「上唇をめくりあげる」子供のような笑い方のギャップは必見。
男同士でしか出せない、BLならではのよさってこういうのもひとつよね~、と楽しませていただきました。
ふたりとも男らしいタイプで、受けの靫もやられちゃったからと言って途端に女々しくなるような甘いタイプでもなく。自分の体も状況を有利にするためのツールのひとつ、と割り切って逆に利用しようとする靫と、そう簡単に流されないぜと頑張る峯上との勝負のような駆け引きが、かっこよかったです。
峯上に惹かれるのも「守られる安心感」も確かにあるようですが、それよりも同性としてかっこいいと思える部分の共鳴のほうが大きかったり。男同士のライバルからの勝負の延長線上、意地の張り合いでセックスしちゃいました、みたいな。で、意外に悪くなかったしなんとなく惹かれてはいるんだけど、付き合うなんてありえない、と端から考えてもないドライ感。うまく言えないけど、お互いに認め合った「男同士」感がとても魅力的でした。
そんな靫ががっつり足開いて感じてる口絵のセクシーなことと言ったら!気恥ずかしくてじっくり眺められないんだけど、気になって何度も見返してしまいましたよ。
受けっぽくない受けの良さが詰まっていた気がします。
そんな最後までハードボイルドな二人がとってもカッコよかったです。