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表題作信じてないからキスをして

加倉井清和・被疑者勾留請求を止めたい捜査一課の刑事
千条秋保・攻様の担当する事件を担当する検察庁検事

あらすじ

「裁判員制度導入を睨んで、検察庁は美人を選んだって噂は本当だな」――捜査一課の刑事・加倉井の印象は最悪だった。綺麗な見た目に反して堅物と評判の新人検事・千条には、加倉井の揶揄う態度が許しがたい。その上、彼のいい加減な仕事態度は、検事としても千条の手を煩わせるのだ。だが、ある事件に関わったとき、加倉井が真剣なまなざしで協力を求めてくる。捜査をともにするうち、彼の真摯な姿勢を知る千条。やがて、加倉井を愛するようになるが…。

作品情報

作品名
信じてないからキスをして
著者
火崎勇 
イラスト
梨とりこ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
信じてないからキスをして
発売日
ISBN
9784796400503
3.4

(32)

(7)

萌々

(8)

(11)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
105
評価数
32
平均
3.4 / 5
神率
21.9%

レビュー投稿数8

理詰めで恋して

この話、ざっくりまとめちゃうと、融通の効かない堅物検事が、いい加減な刑事とある事件を追ううちに恋に落ちる話。
ですが、これだけだと、なんでこの二人がくっつけるの???
検事の千条はあくまでもまじめ一方だし、
加倉井も千条にちょっかいかけているようでも言葉ばっかりみたいだし、
なによりも、加倉井自身が千条に好かれたことにビックリするくらい、
どうしてこの二人がくっつけたのか、へっ???
って、
でも、千条的には自分の心の動きは、ごく自然で筋が通っている。
千条は恋をしたことがない。
でも、あらゆる状況を、加倉井に一つ一つ確認することで、自分の感情がなんであるのかを整理して、理論付けて、そして、これが恋だと結論づけた。
恋がなんであるのかを全く知らなかった千条が、この気持ちが恋なのだと認識して、加倉井を受け入れた。
この、自分の気持ちをちゃんと認識して受け入れる千条のような受けって、すっごい萌える。
加倉井も、相手の気持ちの確認がとれたから、遠慮なくつけあがらせて貰うって言う、紳士的な態度も好感度高い。

こういう理詰めで恋する自立した大人が登場するから、火崎さんの作品って好き。

5

刑事×検事


奔放で男臭い刑事の攻め・加倉井とクールビューティーな検事の受け・千条

最初のイメージはそんな感じだったのですが読み進めていく内に受け攻め共に印象はがらっと変わりました1

最初は自分を「美人さん」とからかってくる加倉井に苦手意識を感じていた千条。
そう、嫌って冷たい態度をとる位しそうな印象だったのに千条はあくまで「苦手」なだけで、むだに加倉井に噛みついたりはしないんです

眼鏡で綺麗な受けといえば強気ツンデレかなと勝手に決めつけていた私としては意外で、すごく好感が持てました^^

事ある毎に口説いてくる加倉井を邪険に扱う理由も、それが「冗談だと思っていた」からというもの。
真剣な想いなら例え相手が苦手でもきちんと向き合うというのです

そういう真面目な性格は、融通がきかないと敬遠されがちな千条ですが単純に可愛いなと感じましたhLhLĂn[g

加倉井も最初は冗談半分だったようですが共に捜査を続ける内にそういう部分にも惹かれたんでしょうねー

一方攻めの加倉井ですが、いつもからかう態度や多少強引に自分の考えを通す姿勢を見せていたせいで少し俺様なのかと思いきや…

意外にも精神的にはもろく、強い千条に憧れを抱いていたという…受けが精神的に強くて攻めを支えるというのは私の大好物です!!(*´∇`*)

今回の千条は包容受けと言うには優しさが分かりにくいし穏やかさも見られないので…綺麗だけどただ守られるより側で共に戦う系の受けなようです

千条が美談になりそうなところに割り込んで容疑者を断罪した部分は非常にスッキリしました!炫
今回は加倉井が関わっていただけに多少(?)私情もまじえていたようですが、あの調子で事件を解決していっていたら段々千条が綺麗なだけじゃないことに気付いた人たちに狙われることになるんじゃないでしょうか

余裕そうに見えてその実千条のことしか見えていない加倉井が焦るのもまた面白そうで読んでみたいです!

続編が出ているようなので次回はそういった要素も期待したいと思いますڂn[g

2

対等なかんじ

シリアスな事件もの。
検事である千条秋保と、刑事の加倉井清和。
同じ事件を、時に対立しながらも追う立場の二人。

とある事件、実はの過去が絡んでいる事件を二人で追う2日間。
その間に縮まる距離。

攻めの刑事のイタリア男と評されるいかにもなキャラもいいんだけれど、
何と言っても受けの検事の、冷静で揺るぎなく芯の通った感じが好き。
でもツンデレじゃあなくて、迫られると「本気なら考えます」と
真面目に正面から受ける感じもまたよし。
互いが対等な感じがツボでした。

事件の顛末も、読める話ではあるもののそれなりに面白く
またなかなかにエモーショナルに心に残る話。
それを通じて、ふざけて迫っていたかのようなの気持ちが見えて来て
の感情が変化する様は良かったかな。


1

密着48時間の答えとは

今回は口が悪く不真面目な態度が目立つ捜査一課の刑事と
美人なのに堅物と評判の検察庁の新人検事のお話です。

受様が攻様の担当する事件に二人で関わった事で
最悪だった出会いから攻様を見直すまで。

受様は子供時代にニュースで
検察官と言う存在を知って以来、
親に反対されながらも努力を重ねて
憧れの検察庁の検事となります。

受様が攻様で出会ったのは
先輩検事について事件資料の確認に
警視庁に赴いた時の事でした。

受様は学生時代から
見た目は悪くないのに面白みがない
真面目だが堅過ぎて息が詰まる…
との評価を受けてきますが、

初めて受様に会った攻様は
受様の採用は容姿の良さによるものかと
軽口を叩いて去っていきます。

言動ばかりか身だしなみも悪く
受様に反論もさせずに去った攻様は
殺人等の重要犯罪を手掛ける
刑事部捜査一課の所属の警察官で

先輩検事によれば
口は悪いが優秀らしいのですが
受様の第一印象はかなり悪いモノでした。

その上攻様は
仕事面では状況証拠のみで
被疑者を起訴に持ちこもうとし、

警視庁や検察庁で偶然に会えば
容姿をからかう言動を繰り返したりと
およそ警察官にあるまじき態度で
受様に接する為、

受様は攻様への苦手意識が
跳ね上がる事を止められません。

そんな時、
攻様の担当事件にしては珍しく
提出書類に不足も問題も無い事件を
受様が担当する事になります。

今回こそは攻様に煩わされないと
受様が喜んだのもつかの間、
攻様は被疑者を起訴しないで欲しいと訴えて?!

攻様は犯人は別にいると言い
心当たりも有るようですが、
調べている最中だと口にしません。

そこで受様は
攻様の頭の中にしかいない犯人を知る為
捜査をする攻様に同行する事にします。

すると刑事としての攻様は
受様が思っていた以上に真面目で
仕事に対しても真摯な男だと判るのですが
受様をからかう態度はいつものままで…

果たして本当の攻様とはどんな男なのか?
そして事件の真相とは?!

火崎さんにしては珍しい
刑事ものでの推理モノと言う事で
楽しみにしていたお話でした♪

火崎作品の多くは
主人公二人がまとまるまでに
結構時間がかかるのですが

二人の出会いから始まってはいても
お話のメインとなる
事件の犯人捜査は密着(笑)48時間。

攻様が犯人と睨んだ人物は
攻様の過去にも関わる人物で
受様は犯人の手掛かりを追う事で
二人の過去を知る事になります。

受様はその過程で
攻様への印象を徐々に改めていき、
攻様のからかいが本気だと理解し、
彼への答えを真剣に考え…

事件解決する頃には
攻様の過去も今も弱さも強さも
ひっくるめて攻様を認め、
攻様との恋を選びとります。

第一印象と見た目と中味の
ギッャプに落ちた感じかな(笑)

受様視点なので
受様と一緒に事件の捜査にドキドキして
攻様と犯人の関係にヤキモキして
犯人と対した時にハラハラできて
とっても面白かったですよ。

ぜひ二人で
新たな謎に挑んで欲しいで~す!!

今回は本作同様
殺人課の刑事の事件に絡めた恋物語で、
洸さんの『黒猫はキスが好き』などいかが?

0

検事と刑事

刑事×検事でサスペンス風ときて火崎さんなら買わねば、と買って積ん読してた本。
ようやく読みました。
サスペンス部分のネタバレはなしでレビューします。

サスペンスの方もなかなかで面白かったです。堅物童貞恋愛知らずの検事が、いい加減に見えるが芯は優しいやさぐれオヤジ刑事にほだされるという構図。

検事の千条があまりにも現実離れした堅物で、まーこんな人いないわな、痴情のもつれ事件のときは推理できるのかな、とか思ったりしますが、細かいことは気にしない。

一方、髭そりのこしありで長髪イタリア男風の刑事、加倉井。千条のことを美人だと言ってからかってきますが、結構本気のようです。

事件の方は、息子を殺された父が自首してきたが、あまりにも都合がよすぎて逆に真実味がないくらい。起訴目前だったところ、加倉井が何か知っているようで、千条に起訴を待ってくれと言ってくる。

一緒に事件を調べているうちに、それが過去の加倉井の恋人(男)に関わることが分かり、腕のいい刑事であり優しく人間的な面も見えてきた加倉井に惹かれていくと同時に、過去の男に嫉妬も覚える。

結局、最後は千条が法の番人として毅然とした態度で事件を解決に導きます。

知人が絡むだけに弱い面を見せてしまう加倉井に対し、私情に振り回されず強い千条がよい対比になっています。

やっぱり火崎さんの作品は何ということもないけど好きですね。

文中、誤字脱字のたぐいがやや気になりました。

0

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