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表題作 COLD FEVER

高久透 → 羽多野渉

藤島啓志 → 野島裕史

その他キャラ
楠田正彦[杉山大]/ 木下聡子[恒松あゆみ]/ ポートの奥さん[定岡小百合]/ 刑事[丹沢晃之]/ 警官[小林和矢]/ 岡林[藤吉浩二]/ 魚丸のおばさん[伊藤美穂]/ 藤島千栄子[滝沢ロコ]

あらすじ

複雑に絡み合う二人の過去と現在――COLDシリーズドラマCD最終巻!

ある朝目覚めた時、透の時間は六年の月日が経っていた――。
事故でなくした記憶を取り戻したものの、周囲に愛されていた『もう一人の自分』の影に苦しみ、さらに誰よりも憎んでいた男・藤島と同居していたことに驚愕する。
藤島に見守られ、失くしかけた夢と歳月を取り戻そうとする透だが、藤島の裏切りが明らかになり――!

「COLD FEVER」本編を音声化して収録。
ブックレットには木原音瀬書き下ろしショートストーリー掲載!

作品情報

作品名
COLD FEVER
著者
木原音瀬 
イラスト
祭河ななを 
媒体
CD
作品演出・監督
大布尚弘
音楽
yukari
脚本
堀井明子
原画・イラスト
祭河ななを
オリジナル媒体
小説
メーカー
マリン・エンタテインメント
シリーズ
COLD SLEEP
収録時間
155 分
枚数
2 枚
ふろく
通販連動購入特典:ミニドラマCD ブックレットSS「未来の・・・」
発売日
JANコード
4996779016396
4.6

(81)

(69)

萌々

(4)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
15
得点
372
評価数
81
平均
4.6 / 5
神率
85.2%

レビュー投稿数15

圧倒的なストーリーです

圧倒的でした。
coldシリーズの最終章です。(後日談が特典CDになってますけどね)

透の苦悩がキツイです。しかもその苦悩を暴力という形でしか表現できない男だから、余計にキツイ。彼が間違ってるのは聴いてる誰にも分かる。でも彼を責めたくはならない。
記憶をなくしていた六年間の自分が、今の自分よりも誰からも好かれる素晴らしい人間だったと知るのはどんな気持ちだろう。さんざん暴力をふるった相手を再び好きになりそうになって。でも目の前の相手は六年間の自分を求めてると気づいてしまう瞬間の絶望は。もはや誰を責めることもできない、責められるべきは自分自身なんだということに気付き、深い絶望の中に落とされる。
ここまで凶悪な暴力を繰り返す攻めを聴き手が憎むことができないのは、木原音瀬さんの手腕だと思います。これ以上なはないと思うほど徹底的かつ緻密に攻めをへこませてくれたから、聴いてる私たちは先に彼に免罪符を与えてしまうのだ。もういいよ透、あなたはじゅうぶん苦しんだよ、もう幸せになっていいんだよって。だからもうやめて、って。
羽多野さんの演技が素晴らしいです。神がかってました。
対する受けの野島さんも、完璧でした。
絶対に口には出さないけど、彼が「六年間の透」を懐かしく愛しく思わないわけがない。すでに六年前にこうなる覚悟はしてたんだけど、その決意が本物であったことを証明しきったことに涙が出ました。それだけに、たった一度だけ「六年間の透」に助けを求めた瞬間が悲痛でした。

ラストの潔さも好きですね。よくあるラブラブの大円団ではないし、この先にまだまだ苦難があるのが予想される結末なんですが、紛れもなく明るい未来を予感させてくれるハッピーエンドであるのも確かです。
愛されず育った子供が、はじめて優しくしてくれた大人に全身全霊でしがみついていくような、そんな攻めの姿。攻めの生い立ちを考えれば、そうなってしまうのが当然だとも思えるし、また、この受けがどこまでも彼を支えるだろうことも分かるし。ハピエンでしょう!

ああ苦しかった。
歯ごたえのある物語をお探しの方に、シリーズ通してオススメします。
特典CDへと続きます。これを特典にしたのが心憎いですなァ。

8

聴けて良かった!!

聴き始めた瞬間から、ビクビク怯えてしまいました;;
来ちゃったよ、とうとうこの日が!!!と。
声も低いし乱暴な口調だし、
羽多野さんだってわかってても別人過ぎて驚きました!!
あまりにも記憶を失くした時と違うので、
藤島さんがすぐその場にいなくて良かったと思いました。
身元引受人として現れてしまいますが…。
(会わないと話も進まないけど;)

つい、私は透に対して憎いような感情も持ちながら、
もし自分が6年間何をどうしていたのかわからなかったら?
何もかも信じられなくて途方に暮れたら?と置き換えてみると
やっぱり気の毒ですね…。
世話になっていたのが
恨んで忌み嫌っていた“藤島啓志”だったなんて
信じたくなくて当然だろうし。
でも、あのワンコ全開で健気だった透がもうどこにもいない(泣)

藤島さんが、必死で恋人だったことを隠したり、
もう別々に暮らした方がいいと言ったり
胸が痛みすぎて、聴きながらどうやって運転してたかわかりません(危ない!!)

コンビニのバイトで仲良くなった楠田(杉山大さん)が良いヤツで
記憶を失くした透にも
記憶が戻ってからの透にも親切で優しくて
かなりじーんときました。
「藤島さんはいい人だ」って言ったり
酔っぱらって、「藤島さんにケーキを買っていけ」って
無理矢理買わせたとか…。
サバサバした口調ですが、思いやりが自然と滲んでいて
杉山さん、素敵な演技でした!

ケーキ屋・ポートのおじさんおばさんも温かくて泣けてきたー…。
実の息子のように透を可愛がってくれてたんだね!
親の愛さえ受けられなかった透にしてみれば
苦しんで暴力に逃げるのは、
そうするしかなかったんでしょうね。
記憶を失くした6年間の自分の方が愛されていた気持ちも
他にどうすることも出来なかったから…。

だからといって藤島さんを
あんなに心身ともに痛めつけるのが良いわけじゃない!!!
音で聴くと痛々しすぎて思わず耳を塞ぎたくなりました;
もうやめてよ!って言いたかった。
無理矢理口でさせたり、あんなに優しく愛してくれた同じ体で
藤島さんを傷付けて許せなかったです(泣)

事実を突き付けられ、信じたくなくてまた暴力…。
でも“甘さの後に裏切りという絶望が待ってる”というような言葉が
そういう人生だったんだもんな、って。ツラい!

6年間の写真(ポラを含め)を勝手に捨てられて
わざわざバイト先まで来て
敬語で「返して下さい、お願いします…!」と懇願する藤島さんが
他人行儀過ぎて今の自分を見てくれなくて
透にしてみればこれも苦しいよね…。

もう一人にされたくない孤独感、
公園で藤島さんを犯した後に「一緒に帰ろう」って言ってもらえず
絶叫する羽多野さんが!!!
ぶわっと鳥肌立ちました!!
こんな演技、ヤバすぎます!!!

一方野島兄さんの慈悲溢れる口調。
静かに、そっと透に沁み込むような声が…。
「(どこにも)行けないよ」でまた涙腺がやられて、
しばらく放心状態でした。現実にすぐ戻るのが難しいほどに。
「透」と呼びかける声も、
名前を呼ぶ以外の含みが感じられて
どうしたらいいんだ!!ってくらいです!!


『LAST FEVER 四季』が特典って……
こんな酷い仕打ちがありましょうか!!(泣)
確かに原作本には載ってますが
(かろうじてFEVERだけは新装版持ってます)
CDで聴けないとダメでしょ、コレ!!!
甘さを補いたい……。
もしかしたらこの作品は、全体をとおして
BL要素をあまり求めちゃいけないのかもしれないけど、
3巻(6枚)であのラストじゃ報われないよー!!
…宝くじ、当たらないかな…。(買ったことないけど)


正直、好きな作品とは言い難いです。
苦手な暴力シーンもあるし…ひたすらにしんどいので…。
気軽になんてリピ出来ませんがそれでも大作を聴けて良かったです!!
ますます野島兄さんが大好きになってしまい、
羽多野さんも私の中の声優6天王入り決定です!!(多すぎ??)

楽しんで聴ける内容ではないけど
声優さんの演技力というのをこれでもかと見せつけられました!!
矛盾している評価かもしれませんが、“神”で!!
制作に携わった皆さん、聴いた皆さんも、大変お疲れ様でした!!

6

苦しくて何度も一時停止…

COLDシリーズラスト
前作でかなりHPを削られたのでかなり躊躇してました。
予想通り…マジでホントにキツかったw

けれど作品自体は素晴らしい。

羽多野さんの演技にここまで脱帽したのは初めて。
SLEEP、LIGHTでもそれなりの演技力を発揮していたがFEVERでは《高久透》の魅力を最大限に引き出し、圧倒的な存在感を放っていた羽多野さん。
怒り、悲しみ、寂しさ、恐怖、苦しみ…高久透が持つ単純に見えて複雑な心の内側を台詞と呼吸に乗せて演じきった羽多野さんには心から賞賛の拍手を送りたい。

公園のシーンでの悲痛な声はヘッドホンを外した今でも耳から離れないほどに彼の演技に引き込まれた。

そして相手役の野島さん。
野島さんの魅力はSLEEPを聴いた時に認識し、LIGHTでは『藤島を野島兄が演じてくれて良かった』と思えるくらい藤島と野島さんがキレイにリンクしていました。


自分を愛してくれた《高久透》はもう居ない。
目の前に居るのは自分を憎み、すべての感情を暴力という形でぶつけてくる透。
いつかこのような日が来ると分かっていた藤島は透の感情を受け止め耐えるしか出来ない。
痛みを堪える消え入りそうな野島さんの声に何度息を飲んだだろう…。

記憶を無くした透に愛された喜びと、記憶を取り戻した透に憎まれる悲しみを背負い、そこにある《今》を受け止め続ける藤島の苦しみが野島兄の繊細な演技で彩られる。

FEVERを聴き終えた直後は息も絶え絶えで残るHPは僅か…
すでに『スライムの一撃で死亡する』一歩手間。
最後の力を振り絞り手を伸ばしたのは、特典の『LAST FEVER』+フリートークCD

まさに救 世 主!!

おかげで私のHPは回復。
ホイミ代わりの特典CD。
これがなければ私は間違いなく教会行き(←誰が運ぶんだ?)
全快にはならないが…
CD終了後HP1→特典CD視聴後HP30
くらいにはなってるww
それだけ私にとっては救いだったわけでw
連続通販購入しておいて良かったと心から安堵したのは多分今回が初めてww

本編自体が結構中途半端な終わり方をしてるんですよね。
聴く人によっちゃあ…『はっ?これで終わり?』ってなると思います。
それを補完する形なのが
特典CD『LASTFEVER~四季~』
原作にも描かれている後日談。
野島兄のふんわりとしたモノローグで進行するお話は、本編で傷付いた私の心を癒やしてくれました。

5

ずっと、ずっと、胸が痛かった!

とうとう、透の記憶が戻ってしまいました。
原作を読み返す時も、何度も何度も切なく哀しくなるこの最終巻。
それが声優さんによって、実際の音声で聴かされるのです。
ものすごく覚悟が要りました。
もう聴いている間中、苦しくて、悲しくて、顔がゆがみました。
ここまで苦しいCDは、これが初めてだと思います。

原作が容赦ない話であるからしようがありませんが、それでも声優さんには拍手を送りたいと思いました。
よくやりきったです!
透@波多野さん、前2作とは性格も変わったので声も太くして、歪んでいる感じが良く出ています。
この作品はモノローグが多いのですが、透がジレンマを藤島にぶつけるたび、本当の心の中の寂しさ、葛藤が、藤島をなじる・暴力をふるうシーンの後ろにかぶせてあって、緊迫感があふれてくるのです。
原作では、藤島は少し怯えた感じもするのかな?と思っておりましたが。今回の藤島@野島さんは、過去の過ちを身を持って甘んじて受けようとする殉教者のようでもあるような雰囲気を醸し出していました。

藤島が残したポラロイド写真を捨てようか迷うシーンはカットしてありましたが、それでも、とても充分すぎるほどの満足なできばえでした。
SSには、本編最後の海のシーンのその後のストーリーが描かれています。
透の涙が・・・もらい泣きしてしまったよ~

全体的に痛さがある話だけに、容赦ない感が充満した作品ですが、それでも聴き終わった後の満足感は十二分に素晴らしいものでした。

予約特典で、同窓会メンバーは出てこない二人のみの「LAST FEVER 四季」があって、本編の切なさをほっとさせるものになっていますし、キャストトークで野島さんと、波多野さんの苦労話が聴けます。

3

愛おしく思えて仕方ないのは何故?

シリーズラストは記憶の戻った透編。
つまりは記憶のなかった6年分の記憶をなくした透編。

というわけで、最初っから透の雰囲気が今までのものとはかなり違いました。
乱暴者というか荒くれ者というかキレやすい今時の若者というか…。
その透が自分の中ではあり得ないはずの藤島と暮して来たことを知り。
6年間の2人の間にあったことを知り。
どうしようもない衝動で藤島に暴力を働いたり。
個人的には暴力シーンはもっとしんどく感じるかと思ったのですが、文章で読んだ時よりもはマシだったかも。
というか、この暴力よりも藤島母のやりようの方が音的には私には応えました。
あっちの方が狂気じみてるからかしら?

物語は透が6年間のことを知ったことで大きく動き、更にその中での透の心境の変化というか揺れによって大きく動く。
過去に裏切られたから、もう信じない。
信じて、裏切られたくない。
そういう想いが乱暴な行動を引き起こして。
それでも、少しも厭わないような藤島に自分でもどうしようもない衝動を感じて。
うまく制御できない気持ちは暴走し傷付けたりもするけれど。
それで、透が傷付いていないわけでもなくて。
うまくいかない自分に苛立ちを覚えたり。
そういうところが、この3作目でどうしても透を好きになってしまう要因かな、と。
散々なことをしてきたのに、最後には咆哮をあげて縋るような透がとても愛しく感じられてなりません。
一方の藤島はひたすら堪える日々。
虐げられて蔑まれても自分から透のそばを離れるつもりはなく。
ただただ堪える姿が過去への深い後悔からの償いで。
透への想いの深さで。
とにかく、その深さがスゴイと思いました。
6年間の透との想い出を踏み躙られて、無体なことをされて「何も感じない」と言いもするのに。
どうしても、透と離れられない藤島がとても好きです。

音として印象に残っているのは6年間の出来事を知った透と藤島が対峙するシーンでしょうか。
文章で読んだ時もなんとなくひっかかっていた「ぎゃあ」というセリフ。
それ相応のことをされているのですから、そんな悲鳴も上がろうものなのですが。
音になってもやっぱりしっかり「ぎゃあ」で。
いや、迫力的には音になった方が切迫詰まった感というか悲痛感みたいなのが漂ってましたが。
男の人がこんな悲鳴を上げるなんてよっぽどなんだろうな。

個人的には羽多野くんのこういった乱暴な感じの声を聞くの初めてで。
すごくハマってて、これまでの透も含めそれぞれの透の演じ分けがとても素晴らしかったです。
同じ透でもその時の性格によってまるで雰囲気は違うし。
今回も元の本来の透ではあるけれども、最初のただ藤島に対する幼い頃の恨みのような感情しか持っていなかったような透と、ラストの方のそれでも本当はまだ藤島のことは信じたいと思っているし大切にしたいと想っているような透とではまるで違うし。
透の臆病さとか、苦悩とかそういうのも表現されててステキでした。

裕史さんの藤島は今回はなんというか耐え忍ぶシーンが多くて。
6年間のことを何も覚えていない透の言う何気ない一言に平然を装いながらも息を詰めたりしてるシーンとか。
抑えたトーンの中に滲む藤島の想いとか。
特に好きなのは透とやるのに、透の目を覆うシーン。
とにかく切ない!
あとは電話で話すシーンの優しいトーンとか。
藤島の無心の愛というか無償の愛というか。
そういうのが滲むシーンも好き。

ブックレット「未来の…」
2人が海に行った日の夜のお話。
短いのにホント胸がしめつけられる。
透の苦悩が痛々しくて愛しい。

このお話って男同士が抱き合ったりするものではあるけれど、果たしてBLなのかしら?と考えると違うような気もしたりして。
そんな簡単お手軽な感じではないというか、もっと深い人間のドロドロと醜い部分とかも含めた情の物語のような気がして。
木原さんにしか描けない世界だろうなーと思いました。

私は、もともとCD化の際にキャストを見て欲しいと思い、原作にも手を出した口なのですが。
原作もすごく好きでしたし、このCDもその原作の世界観を壊すことなくとても丁寧に作られていて良い作品に出会えてよかったなぁと心から思います。
ま、内容が内容ですから、読者(聴者)は選ぶとは思いますが。

3

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