空気の存在 下

空気の存在 下
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神2
  • 萌×21
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
17
評価数
4件
平均
4.3 / 5
神率
50%
著者
 
作画
 
媒体
コミック
出版社
双葉社
シリーズ
発売日
価格
¥762(税抜)  ¥823(税込)
ISBN
9784575727616

あらすじ

求めすぎるあまり、タブを追い詰めていくドック。
ドラッグを手放せず、墜ちていくタブ。
愛し合っているけれど、ふたりの歯車は軋み始める。
そして、タブを救おうと奔走するドックに悲劇が待ち受ける-。
タブ&ドックの愛の軌跡と、ゼッドを交えた後日譚「遙かなる水の音」を同時収録した「空気の存在」完全版、ここに完結。

表題作空気の存在 下

ドック,同級生 / ゼッド,同級生
ダブ,法学部学生

その他の収録作品

  • 空気の存在Ⅱ(続き)
  • 遥かなる水の音
  • HAPPY DAYS
  • あとがき

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レビュー投稿数3

急ぎすぎた愛の結末

本筋から少しズレますが、私、定広さんの作品に登場するダークサイドなキャラがどいつも好きで、この作品だとキャンディ売りの〔メランコリー〕。
こいつさえいなければ…!と憤るホント最低なクズ野郎なんですが、寂しさとか虚しさとかそういう負の感情に心が支配された時にこういう奴が甘い蜜を手に近付いてきたら、タブ同様、私だって突っぱねれるかどうか。
悪い男には何かしら魅力があるものです。
最良の回避策は、こういう人種に出会わないよう、近付かないよう生きていくことですね。

そんなダークサイドキャラのメランコリーがますます悪魔的に二人に絡んでくる下巻です。
上巻のレビューではタブの弱さにばかり言及しましたが、二人が甘い関係を上手く築けない原因の一端は勿論ドックにもあります。
ドックは急ぎすぎているのですよね。
ドッグの目指す理想の恋人像へ到達するには二人はあまりにも若すぎるのです。
彼の愛が弱いタブを更に追い詰めてしまっていることに若くて情熱的なドックは気付けない。
それがタブを余計に暗闇へと堕としていきます。

光と闇の交錯する展開は本当にお見事で、光が見えたかと思えば叩き落続きとされる繰り返し。
しかもそのアップダウンは次第に振り幅が大きくなり、ヘビーさを増していきます。
そして最後に用意されていた最大最悪のドンデン返し…
あまりのやるせなさに暫く心が死んでしまいました。
定広さんの美学が恨めしい…(TT)(TT)(TT)

後日譚となる『遥かなる水の音』がまたやるせないです。
愛する相手とSEX無しで愛し合いたかったタブの願いがこんな皮肉な形で叶うことになるとは…
それでもこちらのタブには悲しみを乗り越えた分、強さが宿っているのが救いです。

出逢いがあれば別れもあるし、時には絶望的なことだって起こるのが人生。
腐らずにへこたれずに真摯に生きていくには自分なりの試行錯誤を繰り返して乗り切っていくより他ないわけで、そこの奮闘にしっかりとした人間臭さを感じさせてくれる作品ならば物語的にはどれだけ悲しくとも心にはずっしりと響きます。
こういう作品を読むと、バッドエンドが美学として許された時代のバッドエンド作品にはバッドエンドなりの良さがあるんだと改めて実感させられます。
バッドエンド=病みエンド的な当世流のバッドエンドモノとは意味合いが明らかに違いますね。

1

人の弱さと愛の作用

上巻のレビューにて、思ったことの欠片も言えてないことに気付き愕然としました。
この作品は沢山のことが詰まっていてとても私の文章力では太刀打ちできないと、痛感しているところです。

昔読んだときに凄さは感じつつも、好きと言い切れなかったのは、ドックのあまりに激しい愛し方や、タブの弱さに共感しずらかったからかもしれません。
何度も読んだ今なら、解る気がするのです。

説明的な描写はさほど多くはないけれど、よくよく見れば画面から伝わってくるものが沢山あって、定広さん流の描き方に改めて痺れさせてもらいました。

この文庫化にあたり追加のストーリーはありませんが(話の順番は時系列順に直されていると思います。)
最後の定広さんのコメントをみれたことで私は満足です。

作者自身が"唯一悔いなく描ききった作品"とするこの作品、
魂の再生の物語でもあると思います。
彼らの情熱に満ちた人生は、これからも私のなかに居続け、人を愛することの意味を思い出させてくれるのではないかと思っています。

1

タブはどうなるのかな?

このⅡのエンド、90年代前半だから許されたのでしょうか?
ドラマチックです!!

学内の麻薬売買で死亡者まで出る。
極めつけは、タブの更生に援助してくれた、売人をしているメランコリーの妹・アンジーまでがオーバードーズで死んでしまう。
タブが麻薬をしていたことを知り自ら体を張って犠牲になろうとしたドック。
こんなに沢山の人が傷付いて、死ななければタブは再生することができないのか?
その代償はあまりに大きすぎる!
そもそも、校内でホモの噂が出た時、タブは素直にその性癖を認めるのだが、ドックは自分はダブにだけそうなんだ、だからほもではないという言葉を吐く。
その思い方の違いさえも、タブには溝に感じてしまっていたのだろうか?
いくら相手を守るためとはいえ、一途で真っ直ぐなドックに、タブは引け目を感じすぎる。
そしてそのすれ違いが悲しい。
売人のメランコリーが逮捕され、二人にやっと安息と本当の幸せが訪れるはずだった矢先・・・

その後、ゼッドという学生と知り合い、恋人になる。
しかし彼は病気があり・・・
そのゼッドとの恋愛の葛藤は、薬の次にHIVという深刻な問題を続き提供してシリアスに向き合わせる。
ドックを失ったタブだが、ゼッドに対し前向きに進ませるのが救いだ。
ドックに導かれ、彼はきっとゼッドの最後も看取ったのだろう~

舞台がアメリカ、セックス・ドラッグ・HIV と、普通の大学生の生活の中にでも普通に存在すると言うそのリアル感を見せながら、
とまどい、時には絶望し、葛藤し、それでも前向きに進んでいく若者の姿がまぶしく感じて、その真摯さがある種の感動になるのは間違いない。
ただタブが、弱い人間だけに、どうして?何故?と若干彼に入れ込める部分が少なく、どちらかというとドックだったりゼッドだったり、タブを導く人々に魅力を感じるのは、彼らへのほのかなあこがれかもしれない。

2

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