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表題作超法規レンアイ戦略課

伊佐山大悟,28歳,市役所職員
大鳥安彦,25歳,県職員

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  • あとがき

あらすじ

県庁で働く大鳥安彦(おおとりやすひこ)は、才色兼備だけれど、人づき合いは超苦手。そのうえ県政を批判して、市役所の閑職に出向になってしまう。そこで部下となったのは、前市長のドラ息子・伊佐山大悟(いさやまだいご)。世間知らずな安彦を手荒くからかう男前は、なんと元暴走族の副ヘッド!! ヤクザを舎弟に持つ大悟に、初めは反発していた安彦。けれど、面倒見が良くて、味方になれば頼もしい兄貴分に、次第に興味を覚え始め!? 

作品情報

作品名
超法規レンアイ戦略課
著者
秋月こお 
イラスト
有馬かつみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199005787
2.5

(2)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
4
評価数
2
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

環境保護団体 推奨 って言いたい

恋愛ものとしては、決して面白い話ではありません。
最初から恋愛フラグが立っているような二人だし、キュンキュン来るような展開があるわけではないし、それじゃぁ大人のお付き合いかといえばそんな感じでもないし・・・。
でも、私としては結構面白かったのです。

帯に「政治家一家の四男坊で、裏社会にコネを持つ厄介な男・伊佐山大悟。彼に気に入られた大鳥安彦は、ある晩酔った勢いで抱かれてしまい!?」とありますが、これではあまりにも伊佐山に失礼な気がするほど、伊佐山の方が控えめな態度なんですよ。
キャラ的には俺様なのですが、大鳥には優しいこと優しいこと。

で、面白いのは大鳥のほうでして、大変な美形で頭もいいのに、世渡り下手というかなんというか・・・
ツンツンというわけではないのに、敵を作ってしまうような・・・
文中に“ハリネズミ”という表現が出てくるのですが、まさに小動物がとんがっている感じ、じゃなければハムスターが必死に滑車を回している感じで大変可愛いのです。
で、酔っ払ったときは・・・読んでのお楽しみ。

お話の大筋は、左遷(?)されてきた大鳥が、配属された市役所の「緑保全課」で、産業処分場の誘致反対に一人(二人?)で奮闘する様子を描いたものです。
昔読んだ、たつみや章氏(ここ重要!)の「ぼくの・稲荷山戦記」を彷彿とさせる、環境問題がテーマのお話でした。
さらに、市役所や政治家のお仕事だとか裏事情だとか、大変勉強になりましたって言いたくなるような内容で、数少ないエッチシーンはこの際カットして、政治とか環境とかのテキストとしてみんなに読んでもらえばいいのにとも思っちゃいました。
ある意味、秋月さんの本領発揮な内容だと思います。

また、お話には、伊佐山関係の人々と、大鳥の家族、市役所や県職の人たちといった、個性豊かな面々が登場するのですが、みんなそれぞれ違った癖があって面白かったです。
中でも、普通の家族なのに周りに振り回されない大鳥家の皆さんを大変尊敬してしまいました。
だから、安彦くんも頑張れるんでしょうねぇ。

で、お話としては完結している感じなのですが、如何せん恋愛ものとしては未消化な感じで・・・シリーズ化望みます。

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シリーズ化ならば名作の予感

このお話のカップルは地元名士のドラ息子(元暴走族副ヘッド)×左遷された才色兼備なハリネズミ、です。
平たく言えば『不良な兄ちゃん×美人な優等生』ですね。

ただしこの不良な兄ちゃんは地元名士出身ですので表の世界、裏の世界を見聞きしています。不良に走っても鬱憤晴らしにさせておけ、と親の掌でしかいられないことを痛感した過去があります。改革という理想や希望に燃えてもままならぬ事が身に沁みている苦労人です。
対する美人優等生は、外見や学歴はご立派なのですが人付き合いが非常に苦手。
美しい外見や華々しい学歴に人が寄ってくる割にはコミュニケーション能力の低いので「お高くとまってる」と勘違いされ、足を引っ張られやすい難儀な人です。
見た目の可愛らしさに人々が寄って撫でようとすると体中から針を出して威嚇してしまうハリネズミさんのよう。

環境危機に関する県政の攻防のお話でして、環境保護は二酸化炭素排出問題だけではないことが秋月先生によって分かりやすく描かれています。
決して環境問題は四大公害や地球温暖化など大きなのスケールだけではなく、地方にある一つの田舎の町単位でも考えられるべきなんだと描写されています。それも文から浮くことはなく、登場人物の思想・理念で描かれているあたりは流石だなぁと思いました。
さらに「環境は守られるべきなんだ!」という主張に対する考えもただ一言で済まされるのではなくしっかりと書かれていて双方の意見は分かるんだけど難しい問題だなぁ…、と思わず唸っていしまいました。



途中までは良かったんです。

途中までは。

手に取った時から秋月先生の作品にしては割と薄目だとは思っていましたが、読み進めていくと明らかに残りのページ数でこの調子で完結させるのは無理じゃないかと思い始めました。

ハイ、無理でした(爆)

いきなり主人公カップルがくっつく、受けの安彦さんに反対勢力がいきなり現れる、最後の最後はその後どう問題を解決して行ったかが大まかに書かれている。

…どうしてこうなっちゃたの!!(泣)

途中までは大作の予感だったのに!
この後半の失速加減から見ても続編は無さそうだし…どうしてこうなっちゃたの!!

描き下ろし作品のとのことですが、このお話は雑誌で連載して実際の読者の声を聞きつつ書いて下さっていたらきっと人気がでてシリーズ化していたと思うんですよねぇ。
それくらい面白かったんですよ、途中まで(泣)
幸村殿シリーズ並みの爆発的な人気が出そうな予感がしていたのに…つくづく悔やまれます。

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