愛してる。だから憎しみで縛りつける──

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表題作この恋が終わるまで

元同級生の担当編集 厳垣修二・26歳
内向的な作家 日野光春(PN井原春光)・26歳

その他の収録作品

  • 温泉へ行こう
  • 初恋の人
  • あとがき

あらすじ

恋を仕掛け、裏切った相手・光春の担当となった編集者の修二。癒えない過去の傷のせいで、作家をやめ他人との関わりを捨てると言う光春を贖いのため止めようとする。だが憎しみに駆られた光春は、作家を続ける代わりに自分を抱き共に苦しむことを迫ってきた。抱くほどにその華奢な体に溺れ、修二はようやく光春への恋心に気付くが、己の罪を思い知った今、想いは伝えられず…。
(出版社より)

作品情報

作品名
この恋が終わるまで
著者
いとう由貴 
イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829624852
3.1

(20)

(2)

萌々

(4)

(10)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
59
評価数
20
平均
3.1 / 5
神率
10%

レビュー投稿数8

復讐と謝罪は、その底に初恋を持っていました。

03年のビブロス版に攻め視点『初恋の人』を書き下ろしで追加した新装文庫版です。
罪の贖罪と復讐がテーマの作品ですが、何故か胸に迫って苦しくなりました。
神にとても近い萌えです♪
イラストも最初は海老原さんだったのが、これは木下けい子さんに変わっています。
お話の割にあっさりした絵ではありますが、とりたてて美男でもなければ人並みなという主人公の風貌と雰囲気にぴったりだったと思います。

高校時代に手ひどい裏切りに傷つき、元来内向的であった性格が更に輪をかけて人を信じることができくなった作家・光春が、担当編集として、その裏切った本人・修二に再会することから始まります。
もう二度と見たくなかった彼に再会した時に芽生えた復讐心。
修二に婚約者がいる事を知り、作家を続けるのを条件に自分を抱けと命令する光春。
そこで発生する光春の心の葛藤と、修二の謝罪してもしきれない罪の意識から、恋心への認識の変化。
光春の後ろ向きな気持ちに苛立ちながらも、憐れをもよおし、
修二の心に不思議を感じながらも、ひたすら前向きな姿に心を打たれ、
複雑な気持ちになりながらも、この二人の行方が気になって気になって一気読みです。

光春が最初に修二を誘った時、きっと修二は本人自身でも彼を酷く傷つけた罪の意識があるから、作家としての才能を失くしてしまいたくなくて乗ったのだと思います。
きっとどうでもよければ、上司に怒られても光春を放っておくか、担当を降りるかしてもいいはずだったのですよ。
そんな修二だったけど、光春は復讐の意味もあるから、過去以来全く性的経験がないのに、ものすごく淫らに、欲望の塊のように修二を誘い躰をむさぼるのですが、その行為は何だか快感に溺れているものの、すごく虚しくて、不器用な光春の心の声だと思うのです。
修二が結婚間近の彼女とデートしていても、セックスしようと誘いの電話を掛けて呼び出す光春。
もうその時には彼女より修二にとって光春が、謝罪だけではなく放っておけない何とかしてやりたい、昔の過ちは本当は恋だったのだと気がついていたのですよね。
そんな気持ちの根底部分は『初恋の人』の中において明らかにされています。
そして光春も、ただ単に貪る体の関係でしか気持ちをぶつけられない事に苦しみ初めて、でも自分の気持ちを認めたくなくて、いつまでも意地を張っている不器用な子供なんです。
それを修二は知っているから、本当に根気強く光春に尽くすのです。

頻繁に愛していると口にする修二を、それでもまたいつか裏切られてしまうんではないかと怖くて、自分からも気持ちを返すことができない光春が哀れで、、
修二に何をしてもらったら光春が修二を信じられるようになるのか、ではなくて、信じることを決めるのは光春自身だから、信じさせてやることはできないという修二の言葉は、詭弁のようだけど、まさに光春の恋を認めても前進できない一番の障害を的確に表わした言葉でした。

光春が過去のトラウマによって負った傷というのがどれだけ深かったか。
それが為に子供みたいにしか振る舞い感情表現できない光春が不器用すぎて、でもそんな彼が好きで好きでたまらない、そんな二人のラブラブバカップル話が短編2編の話です。
そこの中では、自分のネガティブ思考にちゃんと気がついて、「ごめんね」ってお互いに謝ることのできる、よい関係を築いていて、よかったな~と思います。
それにしても、本当に高校時代の光春の受けた仕打ちは、ちょっと涙が出てしまうほど悲しかったです。

6

エロいけど切ない。切ないけどエロい。そんな萌えがここに。

切ないけどエロい。 がっつりエロいけど切ない。
じりじりと萌えが忍び寄る感じに読み進めました。

恋を仕掛け、裏切った相手・光春の担当となった編集・修二。
裏切りから10年。光春の傷は癒えるどころか人との関わりをすら拒もうとした。
贖罪の気持ちから何とかしなくてはと思う修二に、光春は思いがけない要求をするが…。

傷ついた光春の心情と、自分のした事に苦しみながらも光春に再び惹かれていく修二にどんどん読み進めてしまいました。

本編はどちらの想いも切なくて、エロいけどエロいだけじゃない。
(※エロは長めで多めw描写が濃い)

その分、後半の短編はただ甘く。

しかし!最後に収録されてる「初恋の人」を読むと、修二が本当に酷い奴だと実感w

光春があれだけ人間不信になっても仕方ないと納得です。

この作品を楽しむには修二のした事を許せるかどうかがポイントかと!
私的には本編が凄く良かったので… 萌えで!

3

10年越しの再会モノ

学生時代に不器用で要領の悪い光春[受]はクラスの誰もやりたがらない花壇の世話係を押し付けられています。
けれど光春は黙々と花壇の世話をし続ける日々、そんな時、クラスの人気者で光春とは対照的な修二[攻]が手伝ってくれる様になり、彼等は親しくなってそしてセックスをする仲になるのです。
修二に好きだと言われて初めての恋に夢中になる光春。
けれど実はそれが、修二が光春を落とせるかと掛けていたゲームだった事を知った光春は深く傷付き、その出来事が彼を根本的に変えてしまう程のショックを与えます。

そして10年後、小説家となった光春は新しい担当編集者として修二と再会する事となるのです。
修二の仕打ちのせいで人間不信となった光春は、小説を書く事をたてにセックスを迫ります。
そして彼等の濃厚なセックスの日々が訪れるのですな。
光春よ、ここまで……と思わなくもないのですが、それは巻末の「初恋の人」の学生時代のエピソードを読むとそりゃ人間不信にもなるわって気分にになります。
修二あんたホントに酷い男だったよ!!

光春が特に美形って訳じゃなくて平凡地味受だった点は自分的萌えポイント加算。
文章は自分的には読みにくいとは感じませんでした。

2

んーー?

イラストが木下けい子さんなので手に取りました。
(とにかく絵が好みじゃないと読めないので)

作中、光春は十人並みの容姿とさんざん出てくるのに
木下さんの絵が好み過ぎのため「なんで?かわいいのに」と
違和感を感じながら読みました。

ストーリーが読みにくいという方もいましたが、私は気になりませんでした。

本編では裏切り程度に書かれていた高校時代の復讐に納得がいかなかったのですが、
詳細がショートの「初恋の人」で書かれていて
「ひどっ!こりゃトラウマにもなるよ」と思いました。
エロがそれはもう長い。まだ終わらないか!と思うほど。
嫌いじゃないけど、疲れませんか?と言いたくなる。



2

絶倫www

あーなるほどな、新装版か。どーりで
最終的にな感想はそれです。
文章的には、ちょっと稚拙な感じがしたのもそれゆえなのかなという感想。
終わりよければ全て良し。な感じでもありますが、
どーにも色仕掛けで、淫らに身体を開きまくり~な受が不自然でした。
たしかにな、10年の月日は長いよ。教室でうけた嫌がらせもあったろーよ
だけど基本的に人間ってそ〜簡単には変われないわけで。
これが、もう少し無理して演じていた。
自分をごまかしてまでもそういうふうに見せていた。
というのならもう少し萌評価が高かったのかなと思ってしまいました。

少年時代と、恋人後~についての受。
自分も攻のことが好き?本当に?信じてもいいの?
あれだけオープンだったものが閉じこもり、おどおどに戻ってまう
エロ~も本領を発揮し始めた(それまでもだけど;)攻に翻弄される姿は
可愛くもありました。
嫌いじゃないよ。嫌いじゃないんだけどな。。。。
途中のキャラがイマイチしっくりきてないのだけが残念というか。

攻に関しては、まぁ若気の至じゃすまないものの、
結局は本能に打ち勝てず~・・・真意に気づいてメロメロに
ありがちな展開でしたな。
男女のエロ本まんまな、淫語はいかがなものよ。。
そんでもってせっかくの背徳浮気イベントなのにノリノリってどーよww
ツッコミどころは多々あるものの、底なしの絶倫。
毎度、抜かずの~プレイには恐れ入りました(ノ∀`)ぐへへw
後半、ちょっとプレイがマンネリしたのが少々残念。

とーたる。ちょっと暗いというか、妙に狂気はいった作品ですが
最終ハッピーエンドならいいじゃないと軽く読めば悪くないかもしれません

1

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