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ただ、俺はお前に愛されたい
日野ガラスさん初コミックス。
初めてとは思えないくらい、繊細で作り込まれた作品ですねー
2シリーズ収録されているのですが、どちらもゲイのノンケへの想いの
切なさ、苦しさを描いています。
これがまたリアルで見ていても痛いほどです。
『青年は愛を乞う』
小さい頃に自分がゲイであると自覚した主人公・楓は学内でも女子にモテモテ。
でも、好きな相手は同級生で親友の奥田だけ――
楓は、男に抱かれたい、愛されたいと願う自分のことを見にくいと思い、
ゲイである自分に劣等感抱きまくりで、自分がゲイであるのを知られることを日々怖れながら暮らしています。
無意識に男に好かれる要素のある女子のことを憎み、「親友」という名前で奥田の側に居続ける楓。
しかしそんな楓の想いは突然溢れかえる時があるんです。
楓は奥田のことが好きで好きで、好きすぎてギリギリの状態で自分を保っていると思うんですよね。
自分の想いを伝えたいけど、ノンケの彼にはきっと伝わらない。
自分では伝えられないのに、無邪気に自分の想いを伝えられる女に嫉妬して。
楓をみてると胸がキリキリと痛みます。
途中、奥田視点で話が進むのですが、こちらも良かった。
奥田はノンケですが、親友である楓にある種の執着があって、こっちも怖いようでいて切なかったです。
ラストはお互いの想いが爆発するのですが、今まで溜まっていた互いの本音が溢れ出て
なんかもう…鳥肌が立ちました。
本気でお互いが大好きなんだなーと伝わってきました。
物語のほとんどは楓視点で進み、楓ばっかりが苦しい想いをして、楓ばっかりが奥田のことが好きなイメージが強いのですが、
書き下ろしでは奥田のありあまる独占欲が垣間見れて、なんだかニヤっとしてしまいましたwww
『彼方の恋』
カメラマンを目指す吉崎がゲイビの撮影現場で出会ったのは、高校時代の学園のアイドル・萩野だった。
あの頃あんなに輝いていた萩野がまさかゲイビに出演するなんて――
吉崎は萩野を連れて逃げだしていて…?!
高校時代輝いていて、誰もが憧れた萩野。
その萩野は実はゲイで、さびしがり屋で、甘えたなんて吉崎は思っていませんでした。
誰よりも輝いた道を歩むと思っていた萩野が今、自分の目の前で路頭に迷っている。
吉崎はなんとも言えぬ感情を抱きます。
こちらの作品も、萩野のゲイである苦しみや、ノンケに対する劣等感などがメインです。
吉崎と恋人同士になってからも、自分が男だから吉崎に子供を見せてあげられない…とかグジグジ悩んで結局苦しむんですよね。
この萩野の「ゲイだから」「ノンケだから」の劣等感は一生引きずるのかもしれません。
でも、全てを包み込んでくれる器の大きな吉崎なら、そんな萩野ごと幸せにしてくれるように思います。
どちらの作品でも、ゲイである主人公が「ただ愛し愛されたいがけ」「普通に手を繋いだりキスをしたり抱きしめ合ったり触れ合ったりしたいだけ」と言っているのが印象的でした。
ただ普通の恋愛をしたいだけなのに、それが出来ない、その苦しみ。
私は同性愛者でもないし、その苦しみを理解することは難しいのでしょうが、
ノンケだのゲイだのをひっくり返して、そうやって好きな人と愛し合いたいという想いを持っているからこそ
BLに私は惹かれるし、素敵だと思うんですよね。
美しくて繊細な絵柄に劣らず繊細なストーリーに、もう目が離せませんでした。
今後も期待の新人さんだと思いますよー!!
日野ガラス先生の初コミックだそうで。
表題作ともう一作、計2作が収録されているのですが、安定感があって話も作りこまれていてよかったです。テーマが一貫されていたのもいいですね。
絵も透明感があって線の細い絵で綺麗でした。時折「あれっ?」というところもありましたがそれはまぁそれとして…w
お話はゲイだということをひた隠しにして生きてきた楓(美人受)
化粧をしたところで女にはなれない、愛されたいのに親友の奥田(攻)が好きと打ち明けられず、この距離をずっと保ったまま、誰にも勘付かれないように生きてきた。
しかし文化祭をキッカケに、今まで「親友」という言葉で保ってきたものが崩れていき…
楓視点と奥田視点でお話が進むのが良かったです。
好きなのに言いだせない楓と、楓に対して徐々に親友以上の気持ちを抱いていく奥田。奥田が嫉妬のあまり、楓宛の手紙を破り燃やすシーンが印象的でした。
あの時奥田が抱いていた気持ちが、今まで恋愛対象だったはずの女性に対して「嫉み」に変わった瞬間ブワっと鳥肌が立ったというか、切ない気持ちにさせられました。奥田も楓と同じ気持ちを味わってるのだな、と…。
これ以上膨らませにくいとは思うのですが、付きあってからの二人とかちょっと読んでみたいな~とは思いましたね。
もう一作もゲイとノンケのお話でしたが、両作品ともゲイであることの苦しみや、愛されたいという欲求を上手く表現していて切なくなりました。
重いテーマを上手く描き上げていて、今後も期待できる作家さんだと思います。
表題の『青年は愛を乞う』が切なくて切なくて...涙
男の人に愛されたい
けれど自分は男だから、絶対にこの気持ちを知られてはいけない
自分は醜いのだから...
ずっと自分の気持ちを隠してきた主人公。
でもある時ずっとひた隠しにしてきた想いがこぼれてしまい...
攻も超いい奴で、最後幸せになれて本当よかったと思いました。
一緒に収録されている『彼方の恋』も、同じように女の人のように自分も男の人から愛されてみたい というお話です。
表題作よりも少しコミカルに描かれていて、こちらも良いお話です。
とても秀逸なコミックです。
今後も楽しみです!
レビュー評価が高かった作品だったので、是が非でも読みたかったんですよね~wwwようやく読めて満足。
思ったより・・・─('ε乂)─と思ったのは秘密ですw
表題作【青年は愛を乞う】はある意味王道。
クラスメイトで親友のあの男が好き。あの男に組敷かれたい、抱かれたい。
そんな思いを押し込める日々。イタズラに引いた赤いルージュ。その無様さに・・・・そして・・・!?なお話。
悟られないように、バレないように、いまの関係を壊さないように。
絶えて、絶えて絶えた先に~なお話。
攻が、受へと宛てられたラブレターを破くシーン好き。
なんだけど、それ以外はちょっと感情移入できず。
ちょっと残念でした。切なく“見せよう”が見えすぎてる感じがする。
というか、最近この手の重たい思考の作品に乗り切れない自分がいる。
なんでかな。ちょっぴり寂しい
>>彼方の恋
どっちかっていうとこちらのほうが好きでした。
高校時代、男からも女からも持てる王子のような男。
それはそれはキラキラキラキラw
ところが久しぶりに再会した場所。それはゲイポルノの撮影現場!?
しかもモデルって・・・・え!?ちょっ!
そこから始まるドタバタらぶこめでぃですね。
別に、男に犯されたいわけじゃない。快楽を求めているわけじゃない、ただ普通の男女がするように、笑いあったり、触れ合ったり。じゃれあったりするような恋愛がしたい。求め、求められ。
やっぱり難しいのかな。そんな受を「かわいい」と思ってしまったからしかたない。ノンケ×ゲイなほのぼのストーリー。
昔はあんなにキマってて、しっかりして見えたのに本当は・・なギャップもありますが、なにより、こども見たいに感情むき出しの受が可愛かった。
その後の、写真を見て~な攻のくだり。
どっちもどっちというか、これまたバッカップルな絵に癒され。
うん。かわいいww
悩むのもいいけどこのくらいライトに描いたほうが入りやすい。
そんなこと・・ないのかな??
青年は愛を乞う、というタイトルが全てを物語っているように思います。帯「ただ、俺はお前に愛されたい」この言葉にも、何か惹き付けられるものがありました。ストレートだけど深みのある言葉ですよね。まるで水彩画のような美しい表紙も魅力的です。
他のレビュアーさんもおっしゃっていた通り、作者さんの名前のごとくガラス細工のような1冊でした。2つのお話が収録されていましたが、私はとにかく表題作をおススメします!まずお話のはじまり方からして新鮮でした。他の作品ではあまり見ない形かと。切なくて苦しくて痛くて、だけど消えることはない好きの気持ち。親友でありながら、互いに恋心を抱いてしまった高校生男子のお話です。最後はハッピーエンドなので、切ない中にもしっかりと甘さがありました。結局は両想いだったわけですが、男同士でしかも親友に…という罪悪感や戸惑いなど心の葛藤を描いてあり、ズシリときます。
愛したい、愛されたい。その想いは、男同士であれなんであれ同じなんですね。とてもステキな作品でした。