そこに愛はないのだと、ただ自分にいいきかせた。

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表題作片戀がふたつ

千住翔吾、受様の親友の弟で親の出版社勤務の営業マン
北山華禅、日本画の巨匠だった祖父を師とする日本画家

その他の収録作品

  • ちいさな花の永遠

あらすじ

恋焦がれていた幼馴染みの結婚式の夜、持て余す感情から逃れるように、華禅はその弟・翔吾に抱かれた。彼もまた、華禅に叶わぬ想いを抱いていると気づいていたのに、その恋情を利用して躰だけを与える醜悪さを嘲笑いながら―。それから三年。翔吾は足しげく華禅の家に通いその世話を焼く。己の領域を侵す男を無神経だと憎らしく思う一方、その存在はごく自然に、日常に馴染んでいった。まるであの夜、何もなかったかのように穏やかに過ぎていくが―。
(出版社より)

作品情報

作品名
片戀がふたつ
著者
結城瑛朱 
イラスト
沖銀ジョウ 
媒体
小説
出版社
ブライト出版
レーベル
ローズキーノベルズ
発売日
ISBN
9784861234361
3.6

(3)

(1)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
11
評価数
3
平均
3.6 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数1

何を捨てても欲しい戀

今回は受様の親友の弟で親の出版社勤務の営業マンと
日本画の巨匠だった祖父を師とする日本画家の幼馴染カプ。

受様視点で攻様との関係を築き直すまでと、
親友視点で二人の後日談を収録。

受様の父は古い歴史を重んじ
水墨画の巨匠として名高い祖父に反して
洋画家になった上日系フランス人と結婚した為

祖父は
受様が生まれるとすぐ強引に手元に引取り
受様を自身の後継者として育てます。

幼い頃から祖父の手解きで筆を持った受様は
当然のように画師の路を歩み、
美大時代にいくつか手にした賞のおかげか
需要の少ない日本画家として
今でも食べていくことができていました。

その祖父も大学を卒業した年に他界、
受様は数寄屋造りの風情ある日本家屋に
一人で暮らすようになりますが
自分の食事どころか掃除一つ
まともにしようとしません。

そんな受様が何とか生きていけるのは
彼に思いを寄せる四つ下の幼馴染が
何くれとなく世話を焼いていたからでした。

この年下の幼馴染こそ
今回の攻様になるのですが
受様にとって彼はとても微妙な存在でした。

というのも
受様は自身の親友である攻様の兄を
長く思っていたのですが

三年前に親友が結婚した夜
受様は酔いに任せて攻様に絡み
身体の関係を持ってしまったのです。

受様の気持ちを知っていた攻様は
その夜を蒸し返す事はありませんでしたが
その夜以来足しげく
受様の家に通うようになります。

反して親友との疎遠になって三年、
受様は変化を好まずに過ごしてきたのですが

一癖も二癖もある画商から
個展開催を持ちかけられた事から
受様の中で攻様の存在が
少しづつ変化していきます。

そして攻様が自分の為に
犠牲にしたものの大きさに気づいた受様は
攻様と身体を預ける事を許します。

しかし、
個展の準備が佳境に入った頃、
久しぶりにあった親友に離婚を告げられ
攻様には兄貴は受様を好きだったけど
長男の義務で結婚したのだと告げられます!!

果たして受様が選ぶのは攻様か?親友か?!

受様が長く捕らわれていた片恋を離れ
攻様の片恋に向き合う事で
二人の関係が変わっていくお話になります。

実際にお話の展開で絡むのは
受様と攻様だけですが
受様にとっての親友、攻様にとっての兄が
それぞれの恋心に複雑な影を作っているので
最後にまとまる事はお約束でも

ツンツンたっぷりな年上受様なので
なかなか先の展開が読めない感じが
面白かったで~す♪

続編は受様が長く恋していた親友視点で
二人のその後が画かれています。
まとまった後の受様のツンデレ度も
攻様のワンコ度もあまり変化はないのですが
甘々度はアップしてるかな(笑)

新レーベル創刊を記念して初版本には
同時発刊の4作品の番外編ののったペーパー付。
本作の番外編は
攻様の誕生日絡みのお話になります。

尚、コミコミさんでは特典として
表紙イラストのポスカも付きました♪

今回は本作同様、ワンコ×ツンデレカプで一作
洸さんの『記者と番犬』などいかがでしよう?

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