俺が一生飼い殺してやる

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表題作劣情と代償

関東でも一、二を争う某組の策士な若頭・入江政志
口が悪いが何より患者を思う腕の良い外科医・高嶺悟

あらすじ

いつも一言多い外科医の高嶺 悟は、海田組組長の愛人を助けたことから、その配下の入江政志にお礼がしたいと声をかけられる。だが、積まれた札束を断ったら何故かラブホテルへ連れ込まれ、快楽に流されて入江に強引に抜かれてしまう。その後も「一目惚れした」と高嶺に纏わりつく入江。組長の為に、医者の自分を取り込む為の言葉だと思っていたが、どうやら入江は本気のようで…。
触れた指先のぬくもり 感じるのは身体か、心か――
雑誌掲載分に大幅加筆修正!
(出版社より)

作品情報

作品名
劣情と代償
著者
魔鬼砂夜花 
イラスト
麻生海 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861344398
3.1

(8)

(1)

萌々

(2)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
23
評価数
8
平均
3.1 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数4

スピンオフかと思いました

丸ごと1冊表題作です。主人公がべらんめぇ口調のずばずば言う医師・高嶺で、彼の目線で話が進みます。

高嶺、ヤクザ若頭の入江、ヤクザ組長・海田、海田の愛人・秋吉、高嶺の勤務先の院長と看護師達…登場人物は良いです。

入江が高嶺を救出後に強姦するのは酷いとは思いますが、突然豹変したわけではなく、強姦したいと常々言っていたし、脅しの材料に手を出すようなヤクザなのでそこは許容しました。高嶺が入江を最終的に受け入れることにするまでの過程も丁寧に書かれていて納得できました。

ただ、ちょっと端折っている感がありました。
特に冒頭部分の、高嶺が海田に実際殴られた場面がなかったのは気になりました。お腹の痛みはよく出てくるのに、何故殴った場面はないのか、と疑問でした。

なので、海田と秋吉のストーリーが別作品であり、そのスピンオフ作品かと思い検索しましたがそうではないようです。独立した1作品としては、ちょっと不案内じゃないかと思います。自殺願望のある秋吉が海田に懐いた理由や描写がちょこっとでも欲しかったところです。

文章は読みやすいのに、そんなところで読後すっきりしないのは勿体ないなぁと思いました。でも細かい部分は気にならない方には楽しく読めると思います。秋吉が気になる方には向きません(笑)

5

駆引きがもたらす嘘と実

今回は関東でも一、二を争う某組の策士な若頭と
口が悪いが何より患者を思う腕の良い外科医のお話です。

組長の愛人の命の恩人となった受様が
組の抗争に巻き込まれて攻様に落とされるまで。

受様は
個人病院を少し大きくした位の小規模病院で
外科医をしています。

受様の腕は確かですが
短気で歯に衣着せずに発言する為
いらぬ騒動を起して痛い目に会う事も
シバシバという厄介な男です。

今回も人相の悪い男達が担ぎ込んだ
緊急外来の青年の手術を担当しますが
口の悪さが祟って
患者につきそっていたヤクザに殴られる
という事件を起こしてしまいます。

しかし、
この事件はその後に待ち受けていた厄介事の
前哨戦にすぎなかったのです(笑)

そもそも件の青年は
運び込まれた状況からヤクザ絡みと判っていて
誰もが執刀を渋った人物だったのですが

良くも悪くも
患者しか目に入らない受様にとっては
ただの怪我人にしか過ぎず
彼の命を救うべく尽力するのですが

その青年は
関東でも屈指の極道の組長の愛人で
組長をかばって大怪我をしていた為、
話が複雑になって行くのです。

愛人である組長は恩人への礼儀とばかりに
自分の部下を差し向るのですが
その人物こそ今回の攻様になります♪

受様は
胡散臭さ満載な攻様を一目見ただけで
彼の素性など知ろうともせずに
とにかく追っ払おうとするのですが

実は攻様は若頭という地位にある男で
ヤクザの幹部らしく目的のためなら
他人の迷惑なんて無視するというか
むしろ嬉々として嫌がらせする男で(笑)

結果、
受様が眠る為に向かった常宿のホテルは満室、
自宅へ向かう電車に乗れば
凶悪面の集団に囲まれてしまい…
嫌々ながらも攻様の話を聞く事になります。

攻様が組長からの
お礼とお詫びとお願い代として差し出した
帯のかかった札束入りの封筒を

手術は仕事、詫びは不要、
願いは論外と一蹴した受様ですが

最後に組員が殴った腹の状態を確認する
と言う攻様の言動をうっかり許した為に
ホテルの部屋で攻様に押し倒されてしまいます!!

どうも受様は
元々攻様の好みな顔な上に
ヤクザに殴られても啖呵を切る気性が
いたくお気に召したらしいのですが、
受様には堪ったものでは有りません。

その時は急用が入った攻様の事情で
なんとか手コキだけで済むのですが
攻様が手段を選ばない事は実証済みです。

こんな攻様に
ロックオンされた受様に未来はあるのか?!

久しぶりの魔鬼さんの新作は
雑誌掲載作に大幅に加筆修正して文庫化。

見た目はまともそうなのに
暴れる相手を強姦するのも大好きな鬼畜な攻様と
腕もよく患者に対しては真摯な医者なのに
短気で口の悪いツンデレ系な受様のお話です。

策士な攻様に振り回されながらも
自身の矜持を曲げない受様が
ヤクザの抗争に巻込まれる中で
攻様に口説かれてほだされてまとまるまで

次々と事件が起こって推理モノぽい展開で
とっても面白かったです♪

そもそもの出会いのきっかけとなった
ヤクザの組長を狙った襲撃事件に絡んで
受様が狙われて拉致られたりするのですが

受様は攻様の存在を受入れたくないばかりに
攻様の事情をまるっと無視している為に

自分が攻様に纏われ疲れた意味も
ヤクザに狙われた訳も事件に巻き込まれてから
やっと考え始めたり

攻様に助け出された後で
攻様側の事情を知る様な所があるので

攻様の言動が種明かしっぽいっていうか
作者のご都合主義ぽいと思うと
楽しくないかもです(苦笑)

2人の出会いのきっかけとなった
組長と愛人にもしっかりした裏話がありそうですが、
愛人も性格設定に難ありそうなので
彼らの話で続編って難しいかな。

本作はフェア店で購入すると小冊子付です♪
なんだかんだと攻様の用意した部屋に
同居させられた受様のその後編になります。

今回は本作同様、
ヤクザな攻様に堂々と対抗する強気な受様で
早水しほりさん『この愛に溺れろ』をお薦めです。

2

あの…本編はどこですか?

2010年刊。
組長を庇い銃に撃たれた愛人の緊急手術を請け負った外科医の高嶺。
その後若頭・入江の出してきた謝礼金に見向きもせず断った事で逆に一目惚れされてしまい、日夜口説かれ続ける結果となってしまったのだった。

出だしから口の悪い高嶺だが、それを相手にする入江は彼以上に一枚上手でびくともしない。
引き下がるどころか、意外とねちっこい入江に迫られる度に折れてしまう高嶺が憎めない。
ワーカホリックで常に悪態をついている高瀬だが、正義感が強く多分見た目もいい男で看護師達の人望もある。
そこはかとなく人情味も漂っているし、あっけらかんとしたキャラクター陣は魅力があるが、ポンポン弾みすぎる会話のテンポにちょっと読み辛さもあったかな。

ただ、肝心の話については一巻もののはずなのに到底満足できない仕上がりになってしまっている。
理由は先に挙がっている他の方々のレビューの通り。
どうもスピンオフを先に読んでしまったかのような違和感が強く残るのだ。
読み進めいけば入江のボス(組長)とその愛人・秋吉がくっつくまでに紆余曲折があっただろうし、銃撃云々から他の組との抗争も激しいのは充分に察する事ができるのに、そちらの内容が伺えないもどかしさが非常に大きい。
あるのかどうか不明だが、本編はどこですか?って探したくなってくる。

言い換えれば、組長・海田×秋吉の出逢いからくっつく経緯とセットで読める事によってこの話も活きてくるはず…
しかし2010年刊となると相当望みは薄いぞ…

0

思わず、ポカ~ン。。。

この作家さん初読みなんですが、他の作品もこんな感じなんでしょうか?
すごく申し訳ないですが、読者おいてきぼりの、勢いはあるんだけど(何せ主人公が江戸前ツンデレのベランメェだし)、セリフ、文章、言葉の選び方、どれもが当人だけがわかっているような不親切さで、作者の自己満足を感じてしまうのです。
そんなこと初めての体験!?

高嶺はとにかく仕事が、患者が第一の家に帰るのさえ面倒くさい、口の悪い医者。
入江は、やくざ相手にひるみもものおじもしない、そんな高嶺に一方的に惚れて、一体高嶺のどこがいいのかと思いきや、そんな彼を、嫌がる彼を無理矢理犯るのがいいと・・・いう鬼畜野郎。
高嶺も医者としては一本筋が通った、口は悪いけど仕事熱心な人なんですよね。
それが入江に餌付けされて、ダシに使われて、危ない目にあって、無理矢理犯られて、そしてくっつく。
そのヤクザの世界も、勢いだけは極道だな~という気はしますが、何で命がねらわれているかとか、詳しいことはわかんない。
ヤマのはずなんだけどうやむや~??
確かに組み合わせとしては、ベランメェツンデレと、変人鬼畜ヤクザという取り合わせは面白いけれど、愛じゃないんだよね。
別に愛が欲しいってわけではないんだけど、あまりにバラバラなんでどうでもよくなっちゃったというが、実のところかもしれません。

高嶺の病院に組長を庇って撃たれて入院した組長の愛人と組長の関係や、登場のさせ方も、中途半端で放ってあるし、、
聞き込みや捜査に入る刑事も何だか中途半端。
セリフは誰がしゃべっているのかとか、どんな状況でかわされる会話なのか、とか、普通小説を読むと頭の中に映像が浮かんでそれが動いてくれるのに、今回はそれらが浮かんでも、頭の中でただオロオロしているだけ。
空間的位置関係もわかりづらかったのです。
そんな意味で、せっかくのキャラが台無しだった(自分には)作品でした。
ああーもったいない!

5

この作品が収納されている本棚

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