誰が……いったい誰なんだ?

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表題作誰かが見ている─標的─

アルバイト中の大学生,瀬戸恭四郎,22歳
会社員,折坂史哉,30歳

あらすじ

深夜残業のオフィスで、ひと気のない資料室で…。
何者かによってひどい辱めを受けた史哉は、以来性奴として隷属されられることに…。

折坂史哉は二十代後半のごく普通の会社員。今日もいつもと同じ日常が始まって終わるはずだった――。残業が深夜に及んだその日、史哉は何かの衝撃を受け、気がつくと全裸で吐精の様子を画像に収められていた。無言の悪意におびえる史哉。しかし嫌がらせは収まることなく、挙句には嫌われ者の同僚・林に現場を見られ脅されてしまう。性奴のような毎日に憔悴していく史哉を救ったのはアルバイトの瀬戸だった。持ち前のまっすぐな気性で林に対峙する瀬戸を、苦手意識を持っていた史哉も次第に信頼していくが…。
(出版社より)

作品情報

作品名
誰かが見ている─標的─
著者
矢城米花 
イラスト
有馬かつみ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576101354
2.5

(14)

(0)

萌々

(1)

(7)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
29
評価数
14
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数6

陵辱+ワンコ

帯『誰が……いったい誰なんだ?』

平凡な会社員、史哉[受]が残業時、突然襲われ辱められた映像を撮られたのをきっかけに正体不明の誰かから執拗に狙われ、またそれを目撃された部下に弱みを握られて犯られまくります。
やられ方も身体に油性マジックで卑猥で下品な落書きをされたりと淫猥で汁ダク玩具活躍とえげつなくやってくれます。
犯人が誰か分からず展開が二転三転するのでネタバレは避けますね。
いかにも現代っ子青年で史哉は苦手としていたやんちゃなバイトくんだった瀬戸[攻]はワンコ系。
意外な彼の優しさを知るも疑惑も捨てきれず…という疑心暗鬼な史哉と彼を支える瀬戸。
史哉を「主任」と呼ぶのもなんか新鮮、課長とかはあっても主任ってあまり無い気がします。
陵辱物で散々嬲られますが、同時に複数プレイとかは無くじっくり一対一でねちねち嬲る系、悲惨な部分を、瀬戸が甘く癒してくれるので陵辱+恋愛になってます。
自宅にまで盗聴器が仕掛けられ、タイトル通り誰かが見ている、その誰かが誰なのか、そしてその理由が何なのかが明らかになる部分は(犯人自体は何となく推測付いてたのですが)なかなか面白かったです。
あとがきによると完全なバッドエンドルートもあったみたいですが、とことん陵辱されまくりのそっちの話も読んでみたいものです、そういうのも好きなんですよー。
あ、今作は陵辱だけじゃなくちゃんとばっちり救いもあるのでご安心を。

エゲツない描写も有馬さんの挿絵だとエロさは控え目。
その分、瀬戸がともかく生き生きとしていて可愛く魅力的に描かれてるのが印象的でした。

2

頼れる年下ワンコ

凌辱シーンがエロいです。同僚の林の変態的な言い回しもそうなんですが、それよりも史哉が眠らせれて起きたときの拘束のされ方が!
特にあのトイレの時の体勢がヤバめです。

林による凌辱と何者かわからない犯人に脅え、精神的にも肉体的にもボロボロな史哉。
そんな彼を救ったのが、元ヤンと噂される年下のアルバイトである瀬戸。
この瀬戸が頼れるワンコなんですよ!腕っ節は強いし、警察が会社に来た時は冷静で頭もキレる。
そして何より、史哉を守ることに全力を尽くしてます。妥協せずやれること全部やって史哉を安心させようとするのがかっこいい。
ミヤちゃんのくだりにはすごく萌えました。慌てて先輩に対して乱暴な口調になっちゃう瀬戸が可愛すぎる。天然な史哉は完全に勘違いしちゃってますが(笑)

犯人はやっぱりなーとは思いましたが、その理由がちょっと衝撃的。もちろん同情の余地はないです。でも自分の未来に絶望しかないと知った時、こんな風に我を見失って狂ってしまう人がいる、という怖ろしさを見せつけられました。

恋愛面では安心のハッピーエンドです。瀬戸にこれだけまっすぐな愛情を向けられて史哉が落ちないはずがないですね!



…実は最後の最後までワンコを疑ってたんですよ。史哉と結ばれて「計画通り」みたいなヤンデレじゃないかと。ちょっと妄想しすぎました(笑)

1

狂ったオヤジは怖いです

キチクエロを書かせたらどっぷり書いてくれる作者様のこのお話も、スリル感抜群で
何度も一転二転する展開にドキドキしちゃいます。
真面目で穏やかなリーマンがある日突然の凌辱の幕開けに心身ともに傷つけられ
疑心暗鬼で、周りの人間が信用できない状況に陥ってしまう凌辱系のお話です。

社内でスタンガンで気絶させられ、淫らな写真を撮られ、証拠の画像が携帯に。
誰かもわからない悪意に満ちた凌辱に受け様は怯える。

このお話の攻め様は、年下で、昔は悪ガキでやんちゃだけど、今どきの若者って感じで
でも、受け様はバイトで来ている攻め様が苦手なんですよね。
でも攻め様は仕事で受け様に注意されてもお利口返事で無駄に明るいキャラなのです。

受け様は姿の見えない犯人が誰か解らなくて疑心暗鬼、部下の林なのか、攻め様なのかと
考えを巡らしながらも隙を付くように何度も見えない敵に辱めを受け、
その姿を偶然なのか、犯人だからなのか、林に見つかり、それをネタに林にまで
辱めを受ける悪循環に陥ってしまう。

そして林に凌辱されていた時に、攻め様に見つかり、受け様は助け出されるが
受け様は攻め様をも疑っていたので混乱するのですが、攻め様の必死の言葉で
信じる事になるが、ちょっとした勘違いから攻め様が受け様を好きな事が分かり、
受け様は、攻め様も見えない敵と同じように下心を持っていたと思い込み拒絶。
そこへ、本当の敵が現れ、攻め様を車ではねて・・・

犯人が分かった時の受け様の驚愕はいかばかりかって展開で、病で心まで病んでしまった
犯人は、勝手な思い込みで受け様を凌辱、そして犯人に攻め様は轢き殺されたと告げられ
受け様は攻め様への思いをはっきり自覚するのです。
ラストはもちろん年下ながらも受け様を守る為に攻め様復活です。
サスペンス風でスリルがあるエロ作品、楽しめました。

1

ミステリー?サスペンス?

『闇を断つ者たちの夜』を読んで感動したので、次は何を読もうかと考えて、ミステリー風味なあらすじのこの本を選びました。

主人公・折坂文哉は何者かに襲われ、脅迫されます。現場を目撃した同僚の林にも、脅され、犯されます。毎日のように続く凌辱と脅迫。誰も信じられない疑心暗鬼な状況の中、苦手に思っていたアルバイトの青年・瀬戸恭四郎にも目撃されてしまい…。

正直に言うと、犯人は読んですぐ1ページ目で分かりました。犯人バレバレな不自然な登場に、別の意味で唖然としました。主人公・文哉、アルバイトの・瀬戸(おそらく攻め)、嫌われ者・林(おそらく当て馬?)とあらすじから予測すると、犯人はこの人しかいないと…!ドキドキして推理を楽しみたかった私としては、がっかりしました。
 
でも、面白かったです。犯人は1ページ目で予想した通りの人物でしたが(秘かに瀬戸や瀬戸の姉たちが犯人だったら、と超展開を期待していましたが)、矢城先生の文章力に引っ張られぐいぐい読み進めることができました。

林が殺されるのは想像していなかったです。林は歩道橋から突き落とされ、トラックに轢かれて死にました。歩道橋で人が争うのを目撃した人がいたので、警察は殺人事件だと断定します。しかし警察の捜査にも関わらず、犯人は捕まらない…。
この人、よっぽど証拠を隠すのが上手いんだなと感心しました。それとも、警察は既に携帯の履歴(携帯電話会社に連絡して調べた)をもとに犯人の目星を付けていたりして…?どうでもいいですが、気になりました。

1

ちょっと薄気味悪い。

 ちょっと薄気味悪くて気持ち悪い話。

 折坂史哉は二十代後半のごく普通の会社員だった。
 そして、今日もいつもと同じ日常が始まって終わるはずだった。

 残業が深夜に及んだその日、史哉は何者かに襲われる。
 意識がないままに体中を弄ばれ、気がつくと全裸で横たわっていた。
 意識を取り戻した史哉が辺りを確認しても、周囲には誰もおらず、史哉の携帯には自身が吐精する様子を写した写真が何枚も残っていた。

「この写真をばら撒かれたらどうしよう――」

 青くなった史哉は、無言の悪意に怯える日々が始まった。
 そして更に、今度はコーヒーに混ぜられた睡眠薬のせいで意識を失い、今度はオモチャを使って弄ばれる。
 やはり、史哉が目を覚ましたときには誰の姿もなく、史哉はただただ恐怖に怯えるしかない。

 おまけに、三度目は弄ばれた現場を、嫌われ者の同僚・林に見られ脅されてしまう。
 脅迫者が二人に増え、逆らうすべもない史哉は、性奴のような日々に憔悴していく――
 そんな史哉を救ったのは、アルバイトの瀬戸だった。
 林にいたぶられている現場に遭遇した瀬戸は、「同意だった」という林の言葉を跳ね除けると、問答無用で林を殴り倒した。
 そのまま史哉を連れて、自宅に帰るが――

 という話でした。
 なんとなく、BLというよりはギャルゲーにありがちの設定だなー……という気がしました。
 誰だかわからない脅迫者に自分の写真をネタに脅されて、それをまた違う人間に見つかって、今度はその人間にもひどい扱いを受けて――のループ。
 途中で一回、あんまりな空恐ろしさに本を閉じました。
 実際にこんなことあったら、本当に気持ち悪いですよね。

 まあ、途中でヒーローが現れて、史哉は助かるけれど、今度は林が死んでしまって――と途中から別の要素が入ってくる。

 個人的には殺すのはやりすぎだと思ったのが一つと。
 殺してしまって警察が出てくるのはいいんですけど、あんなに簡単にあっさり捜査は終わらないような気がするんですけど――
 死ぬ前に気絶するぐらい殴られてるんだったら、もちろん怪我はしているだろうし、そしたらその怪我が死ぬ前についたものか、そうじゃないものなのか、確認された上で、当然、「誰がつけたのか」の話になるだろうし。
 携帯電話だって「無くなってる」からって、調べられないわけじゃないから携帯電話会社に言って、通信履歴を調べることぐらいはするだろうし。
 そしたら、死んでるはずの時間に、史哉にメールが送られていることと、その内容は当然ながらわかるだろうし。
 そうなったら「脅迫されてる理由」を聞かれるに違いない、と思うんだけど――と思ってしまう。

 もちろん、こんなこと気にして、イチイチ答えを書いたら一冊じゃ収まりきらないのもわかるし、話の焦点がずれていくのもわかるんだけど!
 推理小説大好きな僕としては、ものすごく気になるんですよ。そういう細かいことが!
 でも、そんなこと書いてらんないのもよくわかるので、やっぱり「殺す」っていう設定にしないほうがよかったんだろうな――と思ってしまいました。

 個人的にはそんな妙に細かいことが気になってしまったんですが、そんな細かいことが気になってしまうくらい話としては面白かったので、うっすら寒い思いをしたい人にはオススメします。
 ただし、本命よりも先にヤられちゃう系の話が好きじゃない人にはオススメしません。

1

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