表題作ディア・ムーン

入江暁行
柘植遥

あらすじ

「藍より甘く」番外編。
本編その後と学生時代サマーキャンプの思い出。

作品情報

作品名
ディア・ムーン
著者
一穂ミチ 
イラスト
竹美家らら 
媒体
小説
サークル
MICHI HOUSE〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
発売日
4.5

(4)

(2)

萌々

(2)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
18
評価数
4
平均
4.5 / 5
神率
50%

レビュー投稿数2

少ないページ数ながらも

遥の叶わないと思っていた願いが
続いている幸せな同人誌です。

入江の足の爪で、大学時代のキャンプの出来事を思い出すのですが
片想いしている頃の遥が切ない…。
入江の健全さが、また苦しくなっちゃうよー!

遥の血を吸って体が重くなってフラフラ飛ぶ蚊を
入江が潰そうとしたのを制し、
自分の気持ちが膨れ上がって身動きが取れないぐらいになったら
ぱちんと手のひらで息の根を止めて欲しい、だなんて。
入江と一緒にいる限り、一喜一憂はずっと繰り返される。
叶わない事しか望めない遥。

以前、自分を欲してくれる行きずりの年上の男に
優しく口説かれホテルに行ってしまって
結局気持ち悪くなり相手がシャワーを浴びている隙に
急いで逃げたという回想シーンがありました。
好きな男がノンケで彼女もいて、
そういう行動に出るのはすごく切ない。
やっちゃえば良かったんだと少し思うあたりもわかる。

入江がどんな風に女の子に触れるのか、
自分もそうされたいのに一生叶わないと絶望にも似た気持ち。
そのキャンプの夜見た三日月を
恋人になった入江の爪が思い出させたわけです。
で、タイトルが『dear moon 』。
シンプルですけども、「願いが叶ったよ」という意味もあるのかなと。

明るい遥の部屋で、遥が上になってのH、
読み応えがあります!
入江がちょっとわがままというかおねだりというか
好きなヤツにこんな風に言われたら
拒めるはずもないだろう!っていう。
甘いです。

それにしたって、足の爪を切ってもらうのって
そんなに最初恥ずかしいって思うかな?
遥にしてもらうからって、入江。
結局「お願いします」なんて言って乗り気になっちゃうしw


説明しちゃえば「ふぅん」なのかも知れないですが
(ただ単に私が下手くそなだけなんですけども)
ミチさんの紡ぐ言葉の素晴らしさを
この同人誌でもお腹いっぱい味わえます!!
どうしてこんなにセンスのある文を書けるのだろう…。
ミチさんでなければ出来ない表現を読めて幸せです!!!!

好きすぎてレビューしたり、
好きすぎてレビュー出来なかったりな私です。
(なんだそりゃ)

3

手の中の三日月

『藍より甘く』の番外編。
故郷に帰って家業を手伝う遥と、時間を作って通ってくる暁行。
ちょっと無理しながらの遠距離恋愛の日々だ。

かなうと思っていなかった恋の成就に、まだ戸惑っているような遥。
くたびれ果てても遥のところにやって来た暁行の、忙しくて伸びきった足の爪を遥が切ってやる。
遥と真逆に決めたらまっすぐ力強い暁行なのに、爪を切って貰うのに照れる様はちょっと可愛い。

切り取った爪は、三日月のような形。
それが思い起こさせた、かつて皆でキャンプに行った時のエピソード…

切ない遥の片思いの日々。
男と寝てみようと思ったものの、瀬戸際で逃げ出した話、
自分という存在が意味を、確かめたくてとった遥の行動がやるせない。
体が重くなるまで血を吸って、ふらふらとしか飛べない蚊に自分自身を見る遥。

そんなギリギリの思いを抱えていた遥の恋は、こうして幸せに実り、
あの日決して手が届かないと思って見上げた月は、今愛おしく手の中にあるんだね…!

2

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