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1冊丸ごと表題作です。
奏太は事故で意識不明になり、50日後にようやく意識を取り戻し、3年以上のリハビリを経て社会復帰します。ただ、事故の日を記憶喪失したことと、その日一緒に居た当時の恋人・久埜が会いに来てくれないことが気がかりで、それを解消するために会いに行きますが…。
家族も久埜も、奏太のことを思って行動し、その結果、久埜は奏太から離れることを決めます。ここがどうにも納得できないところで…久埜はもちろん、奏太の両親も良い人なのですが、肝心の奏太の意思が抜け落ちています。自分が思う「奏太にとって良い事」であって、彼自身の意見を聞かないままの行動が、読んでいてスッキリしませんでした。
そんな状況の中、奏太はよく頑張ったと思います。
家族も含めてのハッピーエンドがお好きな方にお勧めの作品です。
一応記憶喪失モノにカテゴライズしてもいいのだろうか?
ただ、主人公がなくしている記憶はその事故の日の記憶だけ。
一体、彼との間に何があったんだろうか?主人公が昏睡状態の50日間に一体何があったんだろうか?
それが、全て明らかになる時2人は改めて向き合うことができるという、ただ2人だけの物語ではなくて、家族をも含めた物語は、誠実で気持ちのよい話に仕上がっていました。
主人公の奏太は不良に絡まれた事故で階段から落ち脳挫傷という重篤な怪我をし、昏睡状態に陥る。
50日後目が覚めても、身体の機能に不自由を残し4年かけてリハビリをしてやっと普通に生活できるようになったところだ。
当時、奏太には年上の恋人がいたのだが携帯のメモリーも履歴もすべて消され、彼の働いていたバーもすでになく、全く連絡をとることができないでいたのだが、近所のレストランで父親の会社の跡を継ぐべく支配人をしていることを知り、そこで再会を果たす。
その年上の元恋人・久埜は事故の時一緒にいたはずなのにそのことを話してくれない。
思いださなくてもいいという、一体どうしてなんだろう?
再会したからといって、奏太が久埜にしつこく喰い下がるという展開でもなく、それは過去のどうして恋人になったかという話と現在の家族とのやりとりで構成され、その中で色々と見えてくる話になっている。
特に、奏太が中学頃よりゲイを何気に認識し、高校になって二丁目に通うようになり久埜と出会い、というマイノリティのエピソード、そして家族との接し方や葛藤が根底にある設定になっている部分が、とても読ませます。
久埜の気持ちについても、全て事故当日の事というのがキーポイントになっている為、ラストまでネタ明かしされずに、最後までドキドキと緊張が持続して、読み応えがありました。
奏太は少しヤンチャで、年相応の雰囲気を持ち、久埜も大人らしく誠実にある姿は、ヘタレとかツンデレとか、そういうカテゴライズにはまったくはまらず、互いに誠実(健気ともちょっと違う)であります。
途中にBLのテンプレ的女性が登場しますが、ご愛嬌というところでしょうか(苦笑い)
ただ、奏太のお姉ちゃんですが、奏太が自分の気持ちを吐露するまで真実を告げないことに、理解がありそうなのに、何でだよー!?とも思ったりしたのですが、家族の物語でもあると見たときに、彼女の行動はそれでも納得できるものなんだな、と思うのでした。
記憶喪失ものだからと、変に凝らず、ストレートで素直な展開であったのがとてもよい作品だったです。
安曇さんの作品ということで、購入したのですが、
結構シリアスな展開でした。
ちょこっと辛かったかな。
事故により意識不明の重体に陥っていたが、
何とか奇跡の生還を果たした奏太だが、
その事故当時付き合っていた久埜の姿が自分のちかくにない。
携帯メールなどもフォルダごと久埜のものが消されていることに気づく。
そもそも事故自体も、久埜のせいで起きたとききつつも、
やっぱり久埜のことが気にかかり・・・。
というストーリーです。
奏太が事故に合った際の久埜痛々しさが、読んでいてもなんとも辛かったです。
なので、奏太が事故当日の記憶を思い出したところに
涙してしまいました。
丁寧な描写がされており、
記憶喪失ものは、カテゴリー的にはよくあるのですが、
作者さんならではの物語として読めるのではないかと思います。
安曇さんの作品ではいちばんマシでした。とはいえ、好きでもないし面白いとも思わなかったけど、まあ腹は立たなかったので。
あっさりさら~っと読み終わって、それだけって感じです。
記憶喪失はいいんです。王道だけど構わない、というよりむしろ好みです。でもこれは、ただひたすらに嘘くさくて安っぽいとしか感じませんでした。
メインはもちろん家族も含めたキャラクターも、ストーリー展開もエピソードもなにひとつ引きつけられるものがなく、読んでてすぐに目が滑ってしまいました。
キャラクターは、特に久埜(攻)に魅力が感じられません。第一、過去と現在の久埜が同一人物に見えませんでした。それに奏太(受)も好みじゃない。
久埜の幼馴染みで自称婚約者(?)の女性は、単に奏太に誤解させて波風立てるために使ってそのまま放置ですか?2人のラブの盛り上げ役としては便利なキャラクターでしたけどね。
ただ、安曇さんの他の作品に比べれば、メインキャラクターはホントにまだマシな方です。いいところもないけど、どうしても我慢できないほどではないから。
でも、この作品でいちばんよかったのはイラストでした。別に亀井さんがすごく好きなわけではないんですけどね。
安曇さんは包○ストーリー(笑)が面白かったので、選んでみました。
ただ、安曇さんはコメディの方がお勧めかもしれません。
年の差(九歳)ということで手にとりましたが、シリアス路線はちょっと微妙だなあというのが正直な感想です。
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受けは、中学生の頃から己の性癖に悩んでいた奏太。
高校三年の時に二丁目でトラブルになり、助けたくれた久埜と付き合い出しました。
現在はコンビニでアルバイトをしている、23歳。
攻めの久埜は、外食店舗を経営する企業の跡取り息子で32歳。
奏太と出会った頃は、二丁目でバーテンダーをしていました。
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四年前のクリスマスイブ、奏太は階段から落ち脳挫傷で意識不明の重体となりました。
二ヶ月近く昏睡状態だった奏太は奇跡的に覚醒し、リハビリを乗り越え、この春社会復帰を果たしました。
四年。
それが奏太の失くした時間。
その間に久埜は奏太の前から消えていました。
時折、奏太の回想で久埜とのたわいないやりとりやラブいシーンなどが入るのですが、やっぱり初キスがすごく印象的です。
アイス垂れたら唇ペロリとか…なんてムッツリなの!
家へ泊めても最後までは手を出さない久埜は仕事こそ水商売ですが、とても奏太を大事にしていて真面目だなと感じます。
ぶっきらぼうですが、優しい。
表紙は現在の久埜なんですが、口絵に描かれているバーテンダーの久埜の方が好きです。
無精髭がめちゃくちゃ良い!
これはそのペロリのシーンなので、見れて嬉しかったです。
わたしBLに女性が登場することも、それが当て馬ちっくなのも気にならないのですが、今回出てきている久埜の婚約者(では本当はないけど)と言い張っている佐和子。
彼女はひじょうに不快でした。
安曇さんの書かれるサブキャラというか当て馬は、なんだかあまり好きになれないんですよね。
すごく嫌な気分になります。
そういう意味では立派な当て馬なのですが、やっぱり『この人も今に幸せになって欲しい』と思えるキャラの方が読後も良いのですが。
なにせ下手すると、読み終えて覚えているのがその嫌な気分だったりもするので(苦笑
今回もそうなりそうです。