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表題作薔薇と犬

五辻智幸,大使の護衛として派遣された海自の武官補
成瀬諒,外務副大臣を父に持つ大使付の二等書記官

あらすじ

書記官の成瀬は、大使の護衛である武官補の五辻が気に入らない。融通の利かない年下の男は、安全のためと成瀬の恋愛にまで口を出してくる。苛立つ成瀬だったが、五辻と共に邦人殺人事件の謎を追ううち、彼に惹かれ始めて――!?
(出版社より)

作品情報

作品名
薔薇と犬
著者
今城けい 
イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
ISBN
9784896017786
3

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萌々

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(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
14
評価数
5
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

正統派ツン×武骨な軍用犬

現代ものなのですが、舞台が革命前夜の東欧の共和国となっていて、一瞬時代を見失いそうになります。
あれ、時代は?の原因のひとつが今時化石のような相方、五辻武官補(大使の護衛)という男です。ストイックというか、武骨というか。
その五辻と行動を共にせざるを得ない大使の書記官を務める主人公・成瀬は、五辻の堅苦しさがうっとうしくてなりません。成瀬自身は切れ者だけれど容易にひとを踏み込ませない冷めた生き方、付き合い方をしています。
ふたりのずれ具合は読んでいて楽しいのですが、成瀬にしたらいい迷惑。
嫌味のひとつも出ようというもの。また近くで接していてだんだん五辻の生真面目さに慣らされていくのも癪にさわるらしいのです。
国情の不安が増すと共に陣代という胡散臭い男も絡んで、途中かなり痛い展開もあります。(シンドラーか杉原千畝か?)
でも二人の関係が少しづつ変化していくのが分かりやすく、応援しているうちにラストまでたどりつけるので大丈夫。
成瀬自身のツン具合も芯の強さがある正統派男前のツンなのでうれしいです。
そして、あとがきによると作者もこの武骨な軍用犬にひきずられてお相手を交代させたとのこと。なかなかの頑固ものだけれど、海の匂いをまとった海自の五辻武官補とツンな成瀬。いいカップルでした。

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