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表題作御曹司は恋に惑う

阿久津奨,30歳,A&Aトレーディング専務
沢辺森生,25歳,亡き叔父の同居人

その他の収録作品

  • 御曹司は愛を囁く
  • あとがき

あらすじ

次期社長の座を狙う対抗派閥があり、御曹司ながら阿久津奨は気の抜けない毎日だ。彼は急逝した叔父が住んでいた山奥の別荘を相続することになり訪れた。そこで叔父と4年も同居していた美青年・沢辺森生と出会うが、叔父の愛人かと疑う奨と勝気な森生は初対面から互いに反発しあう。だが豪雨で橋が流され、図らずも別荘で二人だけの数日間を過ごすことに! 書き下ろし短編も収録。
(出版社より)

作品情報

作品名
御曹司は恋に惑う
著者
遠野春日 
イラスト
雪舟薫 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861344596
3.2

(11)

(2)

萌々

(1)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
34
評価数
11
平均
3.2 / 5
神率
18.2%

レビュー投稿数4

読んでよかった

実は私、ノンケ×ゲイという設定が苦手なので、読むのを躊躇していました。
受けが切ない片思いをするのは、辛くて読めないんです。
でも、美しい表紙絵に惹かれて読んでみたら、片思いじゃなかった!
初めて出会ったときから、奨は森生のことが気になって仕方がなかったみたいですね。
奨が強引に森生を引っ張っているようで、結局、最初も最後も逃げる森生を追いかけるはめになって、すごく面白い展開でした。

私が個人的に良かったと思うポイントは、奨がこれまで恋愛事に無関心で、女性関係に潔癖だったことです。御曹司とかセレブな攻め様の場合、とっかえひっかえしていることが多いので、私にはこの点で奨はすごく好印象な攻め様です。

対する森生は、飄々と生きているようで、過去に色々辛い経験をしたためか、純粋で傷つきやすい人に思えます。
でも、奨の会社で仕事のサポートを順調にこなしていき、ドイツの重要な取引先の社長夫妻を相手に、見事に通訳と接待を果たした件では、森生のいざという時に発揮される強さに高揚感が沸き、痛快な気持ちになりました。

お互い、一人でも生きていける強さはあるんです。でも、二人だったら幸せに生きていけるんですよね。
5年後の二人を読んで、森生がますます魅力的になって、奨の心を捉え続けているのがわかって、この作品を読んでよかった~と心から思いました。

1

好きだなあ

遠野さんは、個人的に崎谷さんと並んでかなり当たり外れの激しい作家さんです。

でもこのお話はすごく良かった。遠野さんお得意の、険悪な仲から始まる二人です。

少しばかり特殊な条件下で出会い、短期間ですが共に過ごしたことで最初は情が、そして次第に恋心へと変わっていく、王道なストーリー展開ですがその分安心して読めます。

文庫の書き下ろしは五年後の二人。相変わらず仲良しみたい安心しました。

一番好きなのは通訳のくだりですね。ああいう逆転劇?は大好きです。

1

本文よりイラストに惹かれました(>_<)

思わず、雪舟薫さま~!お久しぶりです。
と、発言してしまうほどにこの方のイラストは本当に好き♪
新装版なんですが、イラスト変わらなくてよかったv
中のイラスト数はそんなに多くないけれど、この話の登場人物のイメージにぴったりで、もう見られないのかな?いつか復帰してほしいかな?と熱い想いをたぎらせてしまうのでした。
・・・ってこれ小説ですね(汗、、)

題名『御曹司は恋に惑う』とあると御曹司だけに坊ちゃんなのかな?と思いますが、真面目(カタブツ)な性格、だらしない母親のせいで女性嫌いで、恋に縁がなくて、とにかく社長である父親が亡くなって、その跡継ぎとしてしっかりやっていこうと努力をしている仕事人としてはまっとうな人・奨が主人公です。
森生との出会いは、奨が口悪く感情をぶつけた為最悪だったのですが、雨で別荘に閉じ込められた間に、さほど理解しあったわけでもないが、根なし草のような森生が放っておけなくて、一緒に東京に連れて帰り、自分の仕事の雑用のような仕事をさせることで側に置くようになるのです。
そこで、奨と犬猿の仲の常務との確執が一つの事件となり、森生が活躍。
二人は接近するという流れであります。

お話的には余り二人の気持ちの変化というものは著しい動きは見られず、恋愛としては薄いかな?と思いますが、どうも森生が生粋のゲイで惚れっぽい性格のようですね。
奨は元々女嫌い(かといってゲイではない)なので、男の森生のほうが居心地がいい。
高校卒業後、海外放浪をしていてフリーターだった彼が意外にも秘書業務をこなし、会社に適応したというのが重要なところでしょう。
有名私立高を卒業と言っていたので、元々頭がいいのでしょうね。

しかし、森生の腕の傷とか、ゲイであったことのトラウマや障害など、薄めにあっさりと通り過ぎ、深く追求もしてないので、森生が都合の良い登場人物に見えてしまう。
奨にしても、森生にしても、どうして互いが好きになったかというと何となく、と本人達に言わせてますので、滅茶スムーズです。
会社内の派閥争いについても、この常務!アホ?っていうくらい、典型的なアホオヤジww
むしろ、奨が頼りにしていた工藤社長というのが奨を裏切るとかいう話になっていたら、ものすごく波瀾に富んで面白かったかも?とは思うのですが。
そういった点で、実にスムーズでお茶漬けのようなサラサラしたお話でした。

旧版にかなり加筆修正をかけたそうですが、旧版を読んでいないのでその点がどこなのかは不明。
書き下ろしで、彼等の5年後という姿がショートとして載っておりますが、甘さ200%
こんな甘いだけだったら、SSいらないよ、だって本編で充分甘い終わり方してたんだもん!
むしろ、本編終了直後の、会社の様子(常務が失脚する様)とか、奨が工藤社長にネチネチ苛められる話とか書いてほしかった気がします。

1

軽い話かと思いきや

2005年出版リーフノベルズを加筆修正した表題作「御曹司は恋に惑う」に、書き下ろしの後日談ショート「御曹司は愛を囁く」の2作品が収録されています。

タイトルとあらすじから、主人公の御曹司な奨(攻め)が、魅力的な森生(受け)に恋してぐるぐる迷う軽めの話かと思いきや、結構しっとりとした堅実な内容でした。

奨(攻め)と森生(受け)の両方の視点が入っていて、惹かれ合う過程が分かって読みやすかったです。最初は反発しあっていた二人が、徐々に相手に気づかいを見せて心が近づいていく展開が素敵でした。公私ともにパートナーとなるというのが仕事モノ好きとしては嬉しかったです。

イラストは、「綺麗だけどタイトルに「御曹司」なんて付いている割には、表紙もカラーイラストも意外と地味な感じ」なんて失礼なことを考えたのですが、読んだ後は二人の真面目な性格や互いに寛げる関係である雰囲気が出ていて良いなぁと思い直しました。それと、私の読後に残った「辛い過去を持つ受けを、御曹司の攻めが「眉間に皺」を寄せつつ抱きしめる」というイメージにぴったりでした!

ただ、森生と同居していた叔父・雄馬は二人のように思い合う人に会えずに亡くなったのかなぁと思うと少し切なかったです。

0

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