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手を伸ばせば届くシアワセｖ
シュールな癒し
とっても可愛くて和む短編集でした。一つ一つの題材が濃くてシュールなので読み応えもあり。
炬燵と観葉植物とか財布おじいちゃんに恋するケータイ青年とか、無機物擬人化ラブ斬新で面白かった。
ドMド変態くんに責められる話も変態がいきすぎてて清々しかった。他にもヒモも坊主青春ものも可愛くて、あとアラブ主従ものは主人放置で従者が王子さまと恋してて笑った。最後の空き巣の話も諸沢の一方通行が楽しくて。
どれもニアホモって感じですが面白かったです！
まさかまさかのカップリング
まさか、こたつ×観葉植物が成立するとは、擬人化は奥が深い～
スタイリッシュで無機質な部屋にいた観葉植物君が、主人の長期出張で新しく貰われてきた先は四畳半一間の狭い部屋。
そこで、こたつだのテレビだのソファベッドだのケータイだのサイフだのの擬人化に囲まれて、アットホームな生活が始まります☆
観賞植物って結構デリケート。
水をやり過ぎてはいけないとか直射日光に当ててはいけないとか、それで体調を崩すとこたつさんがやさしく介抱してくれて・・・
こたつが俺様なジャイアンなツンデレ設定。
観葉植物はひたすら天然の健気な下僕風味に仕上がっております。
しかし、萌えたのはこの表題カプじゃなくてケータイとサイフのカプリング！
財布は持ち主が祖父から貰ったという年季の入った古い財布だから初老のおじさんなんです♪♪
ちょっと蓮っ葉な感じの、一匹オオカミ風のケータイがサイフおじさんに惚れいてる姿が、またこれ一味もふた味もあって何かいいな～って思っちゃう。
このサイフおじさんがすごくいい人で、謙虚でみなに好かれていて。
小銭は子供で表現されていて、おじさんは小銭達の面倒をこれまた良く見るんだ♪
持ち主が彼女に新しいサイフを貰ったと言って、NEWサイフが仲間入りしておじさんは引退になるのですが、捨てられないようにみんなで隠したりｗ
でも、彼女にもらったという神だなにおじさんはまつられて・・・！？
あ、そういえば神だなの擬人化は出てこなかった？
狭い部屋の中、こまごましたもの達の繰り広げられる世界は、ちょっぴりあったかいです。
ド変態に笑ってしまったのが『富豪令息誘拐の恐怖』
変な性癖の為、自ら誘拐された（？）山王丸は、ただの村上先輩ストーカーだった！？
確かに怖いよｗｗこの山王丸君ｗ
自分で緊縛して、ケータイをアソコに隠して、自ら肉奴隷になります！なんて、、村上先輩何されたんだろう？
気になります！！
『情熱的な音楽と控えめな恋のはなし』はちょっと胸キュン青春モノ
親友ハルミの彼女が亡くなって泣けない親友の代わりに大泣きした日から親友を好きになった野球部のトオル
一緒にバンドをやることになって、楽しい日々だったのだが、演奏後に明かされた衝撃の告白。
本当にプロポーズ？「オレのギタリストはお前しかいないからさ」
このトオルに胸がキュンしちゃいました。
ちょっと一風変わったアラブが『砂漠を知らない王子』
国が他国に責められて追われて逃げてきた王子と従者。
砂漠をさまよっている時に助けてくれたのは、幻の国を言われている国の王子様。
その王子は新しい国を築こうとしていて、亡命している王子に協力を求めるのだが・・・
ここで考えられるのは王子×王子なんですが、なんと幻の国の王子×亡命従者だったんですね！？
しかも、従者には王子がもれなく付いてくると言う何だか立場逆転？なエンドこぼれ話に思わず笑い！
展開はハッピーエンドで敵を片付けるのですが、亡命王子カッコイイじゃん！ってな風で、一応いいところありました、、
『ジゴロの恩返し』では拾った男が家に居付いてしまい、でもそれが心地良くなっていたのですが実は・・なお話
『おとなの遊び方』では空き巣に入った2人組がひきこもりの少年の狂言誘拐に巻き込まれて、、なお話。
ストーリーにちょっと癖があり、ウイットに富んだ作風の作家さんではありますが、それは心地のよいひねりの効き方です。
Babyのお題付きの中での短編展開なんですが、その短さの中に満足な完結を持って行っているところは優れていると思います。
恋する無機物さん達
帯『手を伸ばせば届くシアワセ』
表題作は無機質擬人化！
表紙の真ん中で赤袢纏男がこたつ［攻］でその腕に抱かれてるのが観葉植物のホウライショウ［受］です。
この2人の恋と、同じ四畳半で暮らす無機物さん達との話。
そんな擬人化ありかーーー！と思うかもしれないですがこれが読んでみるとすんなりストーリーに入れます。
自然にすっと読めるお話なんですが、そこはやはりこたつと植物なのでそれぞれの特徴ネタが出てきておもろいです。
周りのテレビくんやソファベッドくん、ケータイくんとみんなそれぞれ良いキャラなんですが、中でも一番気に入ったのは年配者のおさいふさん、ちっちゃい小銭達を連れたお爺さんで読んでてすんごく和みました。
ケータイくんとおさいふさんのその後が気になります！
「富豪令息誘拐の恐怖」富豪令息の変態Mっぷりが最高です～いやー、変態だ！
「ジゴロの恩返し」は家事が得意でちゃっかり屋なアホ自称ジゴロ×カップラーメン会社社員。
「情熱的な音楽と～」は恋愛物ってよりむしろ学園青春部分を楽しみました。いやー青春してるぜ！
「砂漠を知らない王子」はアラブ物ですが、いわゆるアラブテンプレとは関係なくてアラブの民同士のお話。
「おとなの遊び方」は空き巣になろうとしたアホ空き巣2人とその空き巣先の息子の話。
どの話もモチメ子さんらしくほのぼので味わいのある空気感に溢れてます。
癒されお爺さんから坊主頭青春までどれもほんわか＆おもろく堪能しました。
何という癒し( ´ ▽ ` )ﾉ
コタツ×ホウライショウ(観葉植物)
という、とんでも設定を聞いて購入しましたw
ギャグっぽくなるのかな? と思っていたらそうではなく、
いたってマジメな展開でした。
モチメ子さん、こういう話合うなあ。
すんなり物語に入り込めたあとは、ひたすら癒されました( ´ ▽ ` )ﾉ
どのキャラも無機物なりの個性？というか味 があってかわいいっす！
これも愛着がわくというのでしょうかwww
特におじいちゃんのお財布さんと、ホウライショウくんは天然癒し系ですね。
ホウライショウくんの頭の葉っぱは、増えたり減ったりしますかわいい(//∇//)
他、短編がいくつか入ってます。
個人的には「砂漠を知らない王子」のクレタ王子と
「おとなの遊び方」の岡部さんが面白かったです！
どちらもかっこいいダメ人間ですwww
傍若無人でいい加減。すぐ人を巻き込むwww
でも、真っ直ぐでいい人！
そこが愛すべきダメ人間ですね！
最初から最後まで癒されました。
十分萌えた
表題作シリーズの他に５つの短編が収録されています。
どの作品もコミカルで、二人の想いがすれ違って恋人までにはいかない流れがまた面白かったです。
そういう流れのお話の割合が割と高めなのですが、萌える要素はラブ以外にも沢山あるということを再確認させてくれた作品でした。
表題作シリーズは無機物擬人化なのですが、こういうのは珍しいと思います。
その物の特性を生かしてキャラとお話が作られてるのが凝ってるし、ほのぼのと心温まるストーリーが魅力でした。
同時収録作品もコミカルなお話ばかりで楽しく読めた1冊でした。
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