あなたを憎みます――

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作義父の指

義父で上司の会社専務 都築幸司
妻を失くした大手商社の営業社員 新谷真幸・28歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

サラリーマンの真幸が妻を亡くして三年。それは義父であり上司でもある孝司とふたりきりの時間を過ごした年月でもある。いつまでも孝司の厚意に甘えているわけにもいかないと真幸がマンションを出ていく決意をした日、義父と義息子という関係は、禁忌の関係に一変する。信じていた義父の裏切りともいえる行為に、真幸は激しい怒りと屈辱を感じながらも快楽に溺れていく。支配する者と支配される者。欲望と本能に支配される夜の真の勝者とは──!?
(出版社より)

作品情報

作品名
義父の指
著者
高岡ミズミ 
イラスト
和鐵屋匠 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813012269
3.1

(10)

(0)

萌々

(5)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
3
得点
29
評価数
10
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

お義父さんが強すぎる

真幸は入社先の上司兼義父の孝司と妻の三人で暮らしていたのですが、結婚から2年後、妻は事故で亡くなってしまいます。
それから3年、義父と二人での生活を続けていたのですが、真幸はこのまま義父に甘えていてはいけないと、義父にマンションを出て行くことを伝えました。
ある晩二人で家呑みをすることになり、真幸は飲み過ぎて義父のお世話になるのですが、この日から義父が豹変してしまいます。
義父は真幸を抱き、後日、そのとき録画したDVDを見せて真幸を脅し、更に関係を迫ります。
真幸は抵抗するのですが、義父に簡単に組み敷かれてしまいます。
お義父さん強すぎます!

義父は真幸に「好きだ」とか「愛している」ということは言いません。
お互い愉しもうとかそんな事ばかり。
だから真幸も悩んでしまったと思うのですが、最後の最後で義父の本音を聞くことができました。
お義父さん物凄い執着ですが、自分の娘が存命してたらどうするつもりだったんだろう。
真幸は孝司のことを「伴侶」ではなく、まだ「お義父さん」と思っているのだろうか。
この辺りが謎なところです。

この作品は義父の心情が描かれていないので、義父が何を考えているのかがよくわかりません。
当て馬の池澤もどうなってしまったのか気になります。
でもこのお義父さんの大物感が読んでいて楽しかったです。

1

お義父さん、、怖いよーー!!

表紙イラスト、すごく暗くて不気味なんですが、中身も怖かったです。
義父の歪んだ執着。
多分、きっと、義息子はごくごく普通にまっとうなはずなんだけど、この物語に出てくる人々にとっては、彼が悪い、彼が誘っている、と義息子が悪いような言い方をして、すごく理不尽なんだけど、
その義息子も、巻き込まれているうちに自分が悪いんだって思うようになって・・・
まるで、とても綺麗な蜘蛛に見惚れていた平凡で小さい虫が、その糸に絡め取られて身動きができなくなって、あきらめて、そのグルグル巻きになっているうちに、自分も蜘蛛なんだって思いこんじゃう、ってそんなお話でした。
本当!読んでいるうちに、一体何が正しくて、何が悪いのか、わからなくなるほどに、義父が怖かったデス!!
すでに娘は亡くなっているから義理の親子は、あまり背徳感はなかったです。
しかしドロっとして、痛くて、理不尽を味わいたい、ちょっと自虐的な気分に浸りたい方にお勧めしますっ!!

主人公が28歳で、元上司で妻の父親で、現在専務取締役ってことは、義父は50歳くらいよね?どう若く見ても・・・
父一人娘一人だったのが、事故で亡くなり、3年間男同士の二人暮らし。
もう出て行ってもいいかな、と思っていたところ義父に襲われてしまう。
義父は、頭がよく有能で見目もよく憧れの上司だったのです。
真幸は、奥さんを本当に愛していたし、あこがれの上司が義父で、幸せな家族だと思っていたんですよね。
でも、義父には別の顔があって、真幸と関係ができてから疎遠になったと、義父と関係のあった同じ会社の後輩がその実態を真幸にバラすのですよね。
その後輩からも脅しをかけられ、義父からも脅しをかけられ、会社では嫌がらせを受け、
真幸、本当に嫌だったら会社も辞めて何もかも捨てて出ていけばいいのに!って思ったのですが、そうした時にはすでに遅く、義父の嫌がらせがあったり、、
もうっ、普通の感覚だったら真幸は悪くない、確かに本音を出さない欲張りだったかもしれないけれど、それは赦される普通の程度だったと思うのですよ。
だから、底には義父の真幸に対する密かな執着が、この出会いの一番最初からあったということ・・
義父、怖いです!
後半、真幸は快楽にあらがえなくなって自分から求めていて、それは自暴自棄にも、本来の姿にも見え、何かエロいというか悲しいし。。。
真幸、決して愛してるとか好きとか、そういう次元じゃないと思うんです。
ある意味、そうなのかもしれないけれど、あきらめなのかもしれません。

一種のバッドエンドかもとも思えます。
あくまでも、真幸が本当の隠された自分を発見したという終わりにはなっていますが。
そういう意味で、このお話は不気味です。
怖いです。
でも、すごく面白かった!!!
読む人によっては後味悪いかとも思いますし、自分も理不尽かとは思いましたが、嫌悪感はないのです。
この結末も、これも有いなんだよ~と納得はできました。
人の心が怖い話、大好きですw
何か久々に高岡ミズミさんのツボにはまる作品を読みました♪

2

タイトル買い

帯『……あなたを軽蔑します』
『きみは本当に無防備だな。全部忘れてしまったのか、それとも忘れたふりをしているのか』

タイトル買いです。近親物や親族物は大好物なのですよーしかもこのタイトル!
「義父の指」ですよ!「義父の指」!!
タイトルが色調を暗く押さえた表紙を相まってひじょーーに淫靡な響きがします。
上司であり義父である孝司[攻]は、その娘が事故で亡くなった三年後も婿である真幸[受]との同居を続けています。
ある夜、飲み過ぎた真幸は身体に異変を感じます。その時は気にしなかった彼ですが実は真幸は既に孝司に陵辱されてて、その映像DVDでその事実を知る事となる訳です。
奥さんはもう他界し、子供もいないのですからそこで家を出て行ってしまえばすむんじゃね?って思うんですが、会社での立場や単純な戸惑いもあり結局同居を続けます。
真幸は真面目なんですがどうも流され体質のきらいがあり、同僚の池澤がチクチク嫌みを言うのも仕方ないかなーって感じもします。
義父、孝司がいつから真幸に執着していたのか、それがいつからか分からないまま終るのでざらざらと口の中に何かが残ります、それは不快ではなくそこがこの作品の面白さだと思うですよ。
テーマは重いですが孝司が何を考えているのかが分からない事もあって展開は比較的淡々と描かれてます。
そこが面白いといえば面白いし、物足りないといえば物足りないかも。
もう一押しなんか欲しかったーー。
あとストーリーとは直接関係ないけど真幸の母親ってむっちゃ影薄かったですね。
母子家庭なのにな、水商売やってるそうなので母は母で勝手にやってるって事なんだろうか。

挿絵の和鐵屋さんは表紙の雰囲気は凄くいいです!
あと義父の容姿も年相応でいいです。
ただ本編内挿絵では若干、デッサン狂いがあった様に気がして残念。
あと手を描かれるのがまだ得意じゃないのかなー不安定さを感じました。
「義父の指」だからこそ色気溢れる男の手の絵が欲しかった所です。
ただ表紙は抜群にいいです!

1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP