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表題作この激情に染まれ

羽染成夜・若くして芸術性を認められ成功している書家
紺野瑞葉・企画デザイン室をもつ大手会社のデザイナー

その他の収録作品

  • 風のごとく
  • 和装の真相
  • 想い染めにし
  • たおやかな熱情
  • ひと恋染めし
  • 黒染めに舞う

あらすじ

「羽染が…好きだよ」
「俺の方が絶対に好きだ」
 デザイナーとして働く瑞葉はずっと片想いをしていた著名な書道家・羽染と、実はお互いに好き合っていた事が分かり、ラブラブな毎日v ある日、二人は旅行をする事に…v 外だろうと、どこに居ても愛し合っている事を隠そうとしない羽染に、瑞葉は戸惑いながらも嬉しさを隠せなくて…v
書き下ろし2本と、商業誌未発表作も大量収録した大人気シリーズ第二弾!!
(出版社より)

作品情報

作品名
この激情に染まれ
著者
水瀬結月 
イラスト
甲田イリヤ 
媒体
小説
出版社
アスキー・メディアワークス(角川グループパブリッシング)
レーベル
B-PRINCE文庫
シリーズ
その熱情に染められて
発売日
ISBN
9784048689984
3

(6)

(0)

萌々

(0)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
18
評価数
6
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

出来上がった恋人たちは甘い。

『その熱情に染められて』の続編です。
前作では随分と時間をかけ遠回りしてしまった恋に決着を付け、恋人になるまでが書かれていました。

今回はふたりが恋人関係になった後の話なので全体的にどのお話も甘さ倍増し。
そして、自分の感情に遠慮の無くなった羽染の瑞葉を愛しく思う気持ちや、周りに向ける嫉妬、もっともっと自分だけを見ろ!という強い感情がそこかしこにちりばめられていて、羽染という人物が前作よりも可愛い人になってました。
前作ではかなり俺様成分が多く、身勝手な部分があったり苛々している雰囲気で、…とはいえそれも全て瑞葉を想ってのもどかしい感情の表れだったのだろうと思うのですが。
そんな前作とは本当に打って変わって、想いが通じ合っているという分、好きという感情を隠すことのない羽染と、真っ直ぐに向けられる感情や友人から恋人へと自分の立ち位置が変わったことに少し戸惑ったり、恥ずかしかったり、嬉しかったりする瑞葉。
ふたりはとっても仲良しさんです。
そんなふたりの話が色々読めて満足でした。

そして、このまま救いがないのかな?と思っていた前作で野お邪魔虫、羽染からすれば憎っくき相手(?)両院とその想い人で呉服屋の若旦那・豊一の話も二編入ってました。
豊一の方が一歳年上で、両院とは従兄弟であり幼馴染。
幼いころから一緒に遊び育ったふたりがお互いに恋心を抱いていく話。
短編なので詳しくは書かれていませんが、それでもしっかりと馴れ初め部分が読めて満足です。
恋人なのに気持ちがちゃんと分からないまま、不安なままだったふたりが本当にちゃんと『恋人』という関係になれて良かった。
しかし、前作での両院の行動、一応は恋人という人がいながら彼は瑞葉に粉を掛けてきたってことか!?と思うとこの人ほんとに狡い人です。
本当に好きな人へ自分とのことを本当はどう思っているのか?という本心を聞く勇気がないことは棚上げして、相変わらず羽染への恋心に燻っている瑞葉を誘い、自分の気持ちに向き合わないでまた逃げようとしたのかと思うと、ちょっと腹立たしい。
優しい人な豊一が可哀想です。
両院は責任をもって豊一を幸せにしないと罰が当たりますよきっと!

豊一の京ことばがはんなりとしていて、やっぱり方言って良い、と噛み締めました。
会話に味が出るのと、呉服屋の若旦那という設定なのでその言葉使いが似合っていました。

作者さんの後書きにて、一冊目を読んで無くても読めるようなことが書かれていましたが、やっぱり一作品目を読んでからの方がこの短編集での羽染と瑞葉のラブラブっぷりを読み比べることが出来るので、読むのをおすすめいたします。

1

いちゃいちゃ満載

今回は若くして芸術性を認められ成功している書家と
企画デザイン室をもつ大手会社のデザイナーのお話です。

前作『その熱情に染められて』にて
めでたく恋人になった二人の後日談を6本収録した
短編集になります。

【風のごとく】同人誌再録

秋も深まったある日、
受様は会社のイベントで使う筆の材料探しに
工房脇の森に足を踏み入れています。

元々ココは
攻様が人目を気にせずに打ち込む為にと
選んだ地であり
誰を気にすることなく恋人と過ごすには
最高のロケーションです。

その為か
攻様は頻繁に受様の唇を狙ってきます。

大学時代から
数多の美女と浮き名を流した攻様には
キスくらいたいした事ではないかもですが
受様にはやっと手に入れた大切なもの。

思いが通じて二ヶ月たった今も
まだ攻様とのキスに戸惑いが隠せません。

攻様は何をしても
受様が誘惑するからだと傲慢に言いますが
受様が本気で嫌がっていないからこそ
どこでも手を出すのでしょう(笑)

しかし今の受様がココにいるのは
会社のイベントに出す水墨画を書く為で
野外でイチャイチャする為では有りません。

とにもかくにもと
集めてきた材料を工房に運びこみ
攻様の助言を得て
何とか作品を書きあげるのですが、

著名な書家である攻様の直接指導に
受様は全身で熱心さを表し、
そんな受様のキラキラ視線は
攻様にとって誘惑以外の何物でもないっ!!

そうして受様は
美味しく頂かれてしまうのですよ♪

元々、
私が水瀬先生のお話に出会ったのは
同人誌が最初だったので
本作も新作2本以外は読了済みでしたが

同人誌のお話は基本後日談なので
どれほど甘くても
甘過ぎるなんて批判は許されませ~ん。

なので本作は
基本甘々なバカップルが苦手な方には
向きませんので気をつけて下さいね(笑)

他の短編は簡単に。

【和装の真相】同人誌再録
受様の会社の飲み会に攻様が参加するお話。
接待は面倒くさがるのに
同僚との飲み会には参加する攻様の真意とは?

【想い染めにし】初出再録
恋人になって初めての京都旅行のお話。
受様の元カレである先輩の
想い人のお店を訪ねるのですが、
そこに先輩も現れて…

【たおやかな熱情】初出販促小冊子
受様の元カレである先輩の想い人のお話。
恋人なはずなのに
従兄弟の気持ちを信じられなくて…

【ひと恋染めし】初出出版社ファンブック再録
受様の元カレである先輩の想い人のお話。
家を立てると言っていた従兄弟が
インタビュー記事を偶然目にして…

【黒染めに舞う】書き下ろし
【この激情に染まれ】書き下ろし
恋人になって2度目の京都旅行のお話。
舞妓さんを初めてみたと言う受様に
攻様は茶屋遊びをしようと言い出して?!

初出から結構な時間が経っていますが
攻様の俺様度も受様の控えめ度も
良い意味でそのままのテンションで
書き下ろしの雰囲気も変わらず読めたのが
とっても良かったです♪

今回は本作と似てると言うか逆と言うか(笑)
積極的に受様に迫る攻様のお話で
真上寺しえさん『これでお前は俺のモノ!』
をご紹介作と致しますね。

0

おう。ラブラブだな

とにかく甘い。もう、いいよーっ (/ω\)ハズカシーィ ってなるくらいいちゃいちゃでした。同人用に書かれた作品のようですが、商業でもばっちりじゃないですか。うんうん。お幸せにね。っと言いたい。
攻めが嫉妬するシーンは、正直あっさりでした。ものたりないかな。もりあがりがもっと欲しかったので、萌1です。

後半の京都の話はよかった。お風呂でエッチ。(*´д`*)エクスタシィー

京都ベンがいいですよね、関西人としてはめっちゃ親しみがありました。お茶屋話の薀蓄もよかった。うんうん。さすがは関西人の作家さんだ。今後も関西を盛り上げる作品を書いてもらいたいな、と読み終わって思いました。

いちゃいちゃはよくわかったのですが、ラブが薄かったような・・・・・・。前回のような勢いにかけているのは、もう二人の心が結ばれたからなのかな。安心感からか、エロが薄く感じました。ガッツガッツでなく、さらりと読みたい人にはいいかも。です。

0

京都弁が…。

続編というか、その後のイチャラブ的なお話の短編集といった感じ。
作者いわく、これだけでも読めるらしい。
いや、読めるけど。
それで、イチャラブになる前段階が気になったら前作もよろしく、と。

今回は基本的には短編集というか同人とかの再録集といった感じで。
大きな波風が立つわけでもなく、2人で仲良くやっていくようなお話でした。
その中でそれぞれが抱える過去に対する思いが見えて。
羽染は自分がちゃんと想いを伝えなかったばかりに横から両院に掻っ攫われて、それをてっきり瑞葉が両院を好きなんだと思い込んで黙って見ていたことに後悔する部分があって。
瑞葉もそうして一度は逃げ場として両院の元へ逃げてしまったことで羽染に傷を残したことを気にしている部分があって。
互いにどこか過去の話題を避けたりしている部分もあったんだけど、今回のお話の中で互いのことを信じていこうと思えるようになったようでした。
あと、羽染って俺様キャラのように言われるけど、俺様な部分もあるけど結構瑞葉に甘い部分もあるように感じられました。

そして、今回ももう1組描かれていたのが両院卓×両院豊一CP。
瑞葉の避難所になっていた卓とその1つ年上の従兄とのお話。
本編ではどちらかといえば卓の方から語られる程度ですが、このお話は豊一側から見た物語。
豊一も卓同様に片想いしていて。
その頃から振り返って、現在のお見合い問題まで流れてくるんだけども。
両院家って京都の家なんですよね。
というわけで京都弁なんですが。
どちらも京都弁だと若干くどく感じたり。
卓の方は会社とかでは標準語だったので、そのまま標準語×京都弁の方がわかりやすくてよかったかも。
ま、元の言葉に戻るということでそれだけプライベートな感じとかも表現されてるのかもしれませんが。
豊一の方は京都弁が似合いそうな若旦那だからいいんだけど、卓がそういう雰囲気とはちょっと違うから余計に時代がかったような京都弁がしっくりこないのかな?
親密さゆえの「あんた」とかだとは思うんだけど、なんか…。
でも、外堀から埋めていく感じの卓は嫌いじゃないかも。

0

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