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「…抱いてよ。一度だけでいいんだ。いい思い出にするから」
【愛想尽かし】
「たかが恋だろ」から主役2人を差し置いて、兄貴一押しでした!
兄貴の自分を抑えて自分の好きな人の為に動く「見守り愛」に感動してきた訳で・・・。
なので、兄貴のお相手には小姑の眼で厳しくなるのですが、
若くて健気で色っぽい柊也にプラス痛ましい過去とくれば、
≪見守り愛の帝王≫の兄貴に、ピッタリ過ぎて苦言など出てきません!
この2人、とっても合っています!
“愛想尽かし”
情人の為に身を引かなければいけない時、嫌われるように仕向ける(愛想を尽かせる)ことを言うそうです。
柊也の兄貴の為のエピソードがタイトルだったんだね、良かった!スッキリした!
【ライバルは小学生】
甥っ子・誠は避難所的に椹木宅を使い、誠に対する椹木兄貴の優しい態度に、柊也は可愛い嫉妬を訴える。
それを兄貴は嬉しいと目を細めて~ラブラブばく進中な話。
誠・・・実は椹木兄貴に次ぐ男振りだとキャラ立てしています。
今はライバル?の柊也と誠の2人、近い将来恋愛話でもするんだろうな、と想像しております・・・
それにしても、ユギ先生の口をブーと尖らす絵、ホント和むよね♪
「たかが恋だろ」スピンオフ。
これでもかと言うくらい、私の好みド真ん中ドストライクに来てくれている(笑)椹木が主役です。
ひょんな事から、元ヤクザで前科持ちの椹木が、同じ刑務所で服役していた若い男・柊也と再会する、というところから始まります。
薬物密売で服役した椹木。服役する代わりに、ヤクザの世界から足を洗うという約束の下、何も言わずにただひたすら仮釈放される時を待っている。
その時、同室に居たうちの1人に、柊也がいた。
彼は若いのに全てをあきらめたような瞳をしていて、同じ部屋の別のヤクザに黙って抱かれている。
柊也は、寡黙な椹木に興味を持つけれど、椹木は決してなびかない。
ここを出たら、全てを洗い流して、そして義弟と甥を静かに見守る生活を送る。
それが、椹木の心の支えであり、守りたいものだから。
お互いの境遇が違っていても、寂しい気持ちがあるのには変わりなく。
それでも尚、前を向いて歩いていこうとしているのが椹木で。
どうでもいいよと投げやりで適当に生きているのが柊也で。
二人が寄り添い、椹木は係らないようにしようと思っていても、どうしても冷たく突き放す事は出来なくて。
一緒に居る時間が増えるにつれ、「ただそばにいる」という温もりが心地よくなっています。
……椹木が好みすぎて上手く言葉を綴れない…っ!(笑)
柊也のようなビッチは大好きです。ある意味好みな訳で。
椹木は、義弟を好きだと思っていたけれど、それは本当に恋心だったのだろうか。
そして、何故椹木は柊也を欲しいと思ったのか。好きだと思ったのか。
逆に柊也が椹木に惹かれていく過程が分かりやすく表現されていると思います。
でも椹木は?キッカケは?どうして?
そう考えながら読んでいて、読み終わった頃には、理由なんて要らなくて、本当に理屈抜きで、
「柊也だから惹かれたのでは」
と思うようになりました。
特別な存在というのは、いつどこで生まれるか分かりません。
好きに理由なんて要らないなら、きっと椹木の場合もそうだったんだじゃないかなと。
柊也は、きっとあったかい恋焦がれた気持ちを胸に持っていて。
椹木は、彼を包み込みたい愛を持っていて。
歳の差があるからかもしれないけれど、子どもな柊也と、大人(寧ろオヤジ…ハアハア)な椹木の、気持ちの重なる瞬間がいとおしく感じました。
でも何故だろう、ただ「良かった幸せになった」とすんなり思えない、燻る気持ちが残っているのも確かです。
早く、柊也の心が完全に溶けて、ただ目の前にある幸せだけを掴んでくれたらなぁと、思ってやみません。
でも、ちゃんと2人の気持ちが重なって本当に良かった。
ヤクザが出てくるけども、そんなに裏社会でどろどろした感じは無く、可愛い・セクシー系男の子が、カッコいい男前に拾われ、仲良くなる・・・という王道なストーリー。しかしそこが良かった。正確な数字は覚えてないけど、受けと攻めの年齢の幅がかなりあったような・・・その為、受けちゃんの、見た目というより、行動や思考などがちょっと子供っぽく見えたりしたけど、それはそれで可愛かった。攻めにお世話掛けてばっかの受けなのか、と思いきや、好きな人を守る為に、身を引こうとする受けは良かった。
私にとって初めての英田サキさんであり、山田ユギさんでした。
渋く、暖く包み込むような包容力ある椹木さんのキャラが凄く良かった。人を信じることができない、愛も何もしらないで闇の中を這いつくばって生きてきた柊也を愛してあげられるのは、やっぱり喜びを悲しみもいっぱい経験してきた椹木さんだからこそだったのかな。
椹木との出会いにより愛を知り、信じることを知っていく…少しづつでも“変わりたい”と成長していく柊也の描写過程が素敵でした。
一緒に生きていくと決めた2人。どんなことがあっても2人には手をつないで寄り添って欲しいと強く思いました。
ストーリーの設定もキャラ達の性格や生い立ちとか全部全部私好みでした。文句なしの“神”です!!
まだ「たかが恋だろ」は未読状態なので、機会があれば手にとってみようと思います。
漫画で「神」って、あまり付けない方なのですが、
本作品は文句なしです。
「たかが恋だろ」ですごいいい味を出しまくってた
椹木のスピンオフです。
「たかが恋だろ」で、刑務所に言った椹木ですが、
そこで、捨て鉢になったような生き方をする柊也と出会う。
刑期を終え、再び偶然再会をするのですが、
柊也の行き方/考え方は刑務所にいたころと変わっておらず、
不器用な生き方のまま。
そんな柊也を何だかんだで優しく、守る椹木。
はあ、オヤジスキーにはたまらない1冊であります。