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表題作東京の休日 1(文庫)

北条珠紀,28歳,医師
大塚真史,22歳,大学生

その他の収録作品

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  • あとがき

あらすじ

完璧な容姿を誇る北條は、総合病院で医師として働いている。彼が職場の飲み会で酔っぱらい、二日酔いで目覚めたある朝。ともに裸でベッドのなかにいたのは、なぜか男―医局でバイトをしている大塚真史だった。ゲイではない己の所業に、北條は逆切れする。それ以来、真史と顔を合わせれば喧嘩ばかり。そのたびにムカつきながらも、相手が気になって仕方がない北條だったが…。
元祖ケンカップルの恋を文庫化!

作品情報

作品名
東京の休日 1(文庫)
著者
桜木知沙子 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
札幌の休日
発売日
ISBN
9784403522598
3.5

(6)

(1)

萌々

(1)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
21
評価数
6
平均
3.5 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数3

普通にBL

ニアBL「札幌の休日」のスピンオフ

真史ちゃんのダーリン北条が、いかにしてノンケを克服して真史の元へたどり着いたかを、北条視点でたっぷり語ります。

自分の気持ちは、本人が一番わかっていない。
というより寧ろ、自分の心がどこにあるかを確かに感じているからこそ、それを認めたくなくてわからないと思いこもうとしている。
なかなか、自分に素直になるのは難しいよね。
でも、素直な気持ちで向き合えば、こんなに素晴らしい物が手に入る。

1冊で、ちゃんとハッピーエンド完結する普通にBL。
こっちの方が札幌より面白かったけど、こっち先に読んじゃってから札幌はちょっと耐えられないかもしれないので、札幌を読破してから東京を読むか、もしくは、東京だけ読むのがお薦めかも。 

1

ケンカップル

帯『始まりは最低、なのに唯一無二の恋。』

「札幌の休日」で脇だった真史のスピンオフシリーズ全2巻。
自分はやっぱこっちのカップルの方が好きですよー。
でも北条はちょっとイメージ違いました……札幌の休日の番外編で出て来た感じではもっと大人っぽい人かと思ってたら意外に子供っぽい、というか大人気無いです。

ノンケな弱い北条[攻]が酔っぱらって男である真史[受]と寝てしまいその事に北条はショックを受けます。
北条は医師で、真史はそこでバイトをしており、それを切っ掛けに2人はやたら口喧嘩をしあう関係になって行くんですね。
しかしこの口喧嘩、2人だけの場所でやってくれんかと正直読んでいて思いました。
店内で店員がやってくる程の口喧嘩って迷惑な…そのシーンにはちょっと引いちゃいましたよ。
北条がちょっと子供っぽいんですよね、真史に関してだと。
にしても医師で大人なんだからもうちょい考えて口喧嘩しなはれ~と思いつつ読んでました。
珍しくエロシーン入ってます、いや他作家さんだったら少ない位なんですけど、でも桜木さん作品としては多いー!

まあちょこちょこそういうとこは気になったりはしたんですが、やっぱりこのカップルの方が好きだなー。
あと札幌~もそうだったけど今回は「元祖ケンカップル」と来てますがこうやってかやたらにザ・名作!!的にハードル上げない方がいいと思うんだけどどうなのか。
ケンカップルとだけなら、あーそうだよね、だけど元祖って付くと、え?元祖って…って気分にむしろなっちゃうんですが。

挿絵の北沢さんは、うーんやっぱ昔の方の絵柄の方が好きだったなあ。
自分的には好みじゃない方向に行ってる気がします、小物とかは上手いんですが人物に魅力が乏しくて、今回の休日シリーズの挿絵はちょっと色々残念。

1

ちょっと切なさが足りない?

 完璧な容姿を誇る北條は、総合病院で医師として働いている。
 見た目よし、頭よし、そんな北條の唯一の弱点が、「酒に弱いこと」だった。
 ある日、彼が職場の飲み会で酔っ払い、二日酔いで目覚めた朝。
 ともに裸でベッドの中にいたのは、なぜか男――医局で事務のバイトをしている大塚真史だった。
 ゲイではない己の所業に、戸惑った北條は真史に対して逆ギレする。
 それ以来、冷静な北條が真史と顔を合わせれば喧嘩ばかりしている。
 そのたびにムカつきながらも、真史のことが気になってしょうがない北條だったが……?

 という話でした。
 こちらは、札幌の休日で出てきた隆司に振られた真史と、その相手である北條の話。
 北條は、出会いからして最悪だった真史のことも、ましてや自分が男も抱ける人間だということも受け入れることができなくて、真史のことを見かけるたびにイライラし、イライラしてしまうから、ついつい口調もきつくなって、他の人間にはできているような冷静な対応ができなくなってしまう。
 おまけに真史は、自分の性癖に関しては非常にオープンな人間で、北條が忘れたい思い出したくないということを、冗談めかして口にする。
 かと思えば、入院患者が病室を飛び出した時にはその入院患者に付き添ったりして優しい面もあって。
 おまけに、「するな」と言ったことは絶対にやらなくて律儀に守る。
 ただ明るいだけの人間だと思いきや、時折見せる陰りに北條は真史との距離をどうとっていいのかわからない。
 その戸惑いが真史に対する辺りのきつさに変わって――

 一方の真史は真史で、意地っ張りで、おまけに過去の恋の傷からまだうまく立ち直れてないから、なかなか北條に素直に心を開けずにいる。

 真史はでも、そういう精一杯の恋愛の経験があるから、何とか自分の気持ちをうまく飼い慣らしてるんだけど。
 今まで自分から人を好きになったことがなくて、「女は寄ってくるもの」という一般男性に喧嘩を売っているような認識の北條はだからこそ、右往左往。おまけに勝手にどんどん煮詰まって。
 ついには、自分の気持ちを認めざるをえないことをやらかしてしまう。

 でもまぁ、認めたら北條みたいなタイプは手が早いわけだ。
 腹さえくくれば後は一直線。ハッピーエンド、でした。

 この話は「札幌の休日」っていうシリーズの番外編のような形で、そこで真史はちょっと悲しい役回りになってしまっていたので、ぜひとも幸せになれたのでとってもよかったです。
 ただ、札幌の休日ほど、主人公が傲岸不遜な北條なだけあって、胸が苦しくなるような切なさはないので、札幌の休日的な切なさを求めて読むとちょっと拍子抜けしてしまうかもしれません。

1

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