きっとまた巡り会う運命だった――

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表題作贖罪-忘れえぬ肌の記憶-

警視庁刑事部捜査一課のノンキャリ警部・蓮見誉志彦
個人の事務所を持ち民事中心に扱う弁護士・本間恭之

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

弁護士の本間が捜していた失踪人の遺体が発見され、殺人事件と断定された。捜査に現れた刑事たちの中に、本間はかつての恋人・蓮見の姿を見つける。だが七年ぶりに再会した彼は、すっかり人が変わっていて――!?
(出版社より)

作品情報

作品名
贖罪-忘れえぬ肌の記憶-
著者
妃川螢 
イラスト
せら 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
ISBN
9784896017908
3

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

忘れられない存在

今回は警視庁刑事部捜査一課のノンキャリアの警部と
個人の事務所を持ち民事中心に扱う弁護士のお話です。

別れの原因となった攻様の弟の失踪事件を絡めて
7年ぶりの再会から元の鞘におさまるまで。

受様は小さいながらも
個人で弁護士事務所を開いています。

設立以来どんな依頼にも真摯に取り組み
着実に事績を積んできた受様は依頼に対して
ある種のカンが働くようになります。

今回、
息子を探してほしいと現れた依頼人は
明らかに難しい案件になると思われましたが
受様は請け負う事にします。

大人の失踪は
本人の意思による場合が圧倒的で
明らかな事件性が無ければ
警察ではまともに取り合ってくれません。

しかし失踪人の家族を襲う不安は
第三者には理解しえない程深く危うい事を
受様は実体験として知っていました。

かつて付合っていた相手の弟も
前触れも無くいなくなってしまったから。

受様が向かった所轄署でも
警察の態度は変わりませんでしたが
1週間後に依頼人の息子が遺体で発見され
殺人事件と認定されるのです!!

駆けつけた受様を待っていたのは
憔悴しきった依頼人と
事件担当らしい厳つい刑事でしたが

彼の上司として現れたのは
大学の同級生でかつては恋人でもあった
攻様その人にでした。

受様が別れた当時の攻様は
警部補への昇進試験前でしたが
本庁捜査一課のノンキャリ警部として
威圧感と迫力を滲まれていて

遺体となった依頼人の息子を
被害者と決まった訳ではないと言いながら
当たり障りのない話しかしてくれません。

未だに攻様への想いを捨てられない受様は
攻様の態度に胸を詰まらせます。

しかし、
受様にすげない態度だった攻様の脳裏にも
受様の胸を焦がしたモノと同じ
熱い思いと深い悔恨があったのです。

再び2人が関わりを持ったこの事件は
やがて攻様の実弟が姿を消した夜に
起こったある出来事へと繋がっていき…

大学時代に親友から恋人になりながらも
袂を判った2人の再会モノになります。

大学で知り合い恋人同士になった2人は
社会人になったのを機に同棲を始める程に
幸せな生活を送っていましたが

受様にとっても弟同然だった攻様の実弟が
行方知れずになった日から少しづつ崩壊を始め
互いに傷つけ会う事しか出来なくなって
終止符を打つ事になったのでした。

嫌いで別れた訳ではないので
2人ともが未練たらたらなのですよね(笑)

妃川さんの刑事モノは事件解決に結構
ゴリ押し感があったりするのですが
主役の職を刑事にするなら
謎解きにも重点を置いて欲しいのですよね。

2つの失踪事件を絡めた事件の進展と
2人の恋を上手くからませた本作は
キチンと納得のいく謎解きがされていて
読了感も良かったです♪

本作はフェア店限定ですが
番外編を収録した特典ペーパー付き。
二人の休日を描いた後日談ですが
本編以上にラブラブなので必読?!

今回は本作と似た組合わせで一作
渡辺ゆいさん『愛してると言ってみろ』を
ご紹介作とします。
親友同士の検事×弁護士カプですよ。

2

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