生殺しのこの想い、いっそすべて打ち明けられたら――

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表題作はやにえの恋

人喰い蛇 祁蛇
百舌の山神の一族 百蛇

同時収録作品根生いの業

仁井昇 学者
森で出会った少年

同時収録作品恩に初まりし縁

仁井昇 学者
アキ

その他の収録作品

  • 蛇の目
  • あとがき

あらすじ

人喰い蛇の種族である祁蛇は、親友の烏蛇に密かに恋心を抱いている。けれど烏蛇が想っているのは、双子の兄の白蛇。気持ちを打ち明けることは一生ないと思っていたが、白蛇が妻を娶ることを知り――!? 
祁蛇の弟・アキと人間との恋を描いた「根生いの業」も同時収載。

実力派新人が贈る異色時代ファンタジー!! Canna Comics創刊第1弾。
描き下ろし50Pあり!
(出版社より)

作品情報

作品名
はやにえの恋
著者
文善やよひ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
ISBN
9784829685020
3.6

(33)

(6)

萌々

(12)

(13)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
119
評価数
33
平均
3.6 / 5
神率
18.2%

レビュー投稿数9

最初は……

ホラーっぽい?と思いました。
本屋さんで気になって、その時は急いでたので買わずに。
数日後、同じ本屋さんに行くと……どなたかに買われた後でした。
在庫の少ない本屋さんだったんですね。

人喰い蛇の種族の人間に化けることが出来る蛇たちのお話。
人間が好きで人間として里で暮らす白蛇。
白蛇の正体がバレると人間たちは白蛇を殺そうとします。
とても残酷で悲しいお話です。

双子の白蛇と烏蛇 兄弟の祁蛇とアキ。
アキはまだ幼いですが、人間の男に恋をしてます。
普通にセックスもしてます。ショタです。

アキはとっても可愛いんですが、
やっぱり祁蛇と白蛇の関係が一番好きです。
お互いに罪の意識もあると思うので……。

日本のお伽噺みたいなBLもっと増えれば良いです。

0

完全に雰囲気萌♪

独特の味わいのあるイラストと、『人喰い蛇』というワードに吸い寄せられるよにして手にした1冊。アニマル擬人化も和物も好きなんで「絶対イケる!」と根拠のない確信を持って読みました。笑
結果、当たり!ヾ(´∀`)ノワーイ
そらみたことか。こーゆー如何にもな雰囲気醸してるやつがハズレるわけねーべ?とひとり喜んでみたり(*´艸`)♪
完全に雰囲気萌。細かいところはどーでもよくなっちまう。笑
絵もさることながら、話のテイストとかなんか「アフタヌーン」ぽくて、非常に好感度高かったです。つーか、普通に売り場間違えただけかと思った…ちゃんとBLだったからビックリしました。笑
とはいえ、エロ描写とかはあっさりだったりうまーくかわされたりするので、ラブシーンないとやだ~…って人には向かないかもです。

人間に変身できる蛇神たちの話です。
とりあえず、動物が人に変身できるってだけで、一定のハードルは越えます。蛇人間…萌えるわ~(=ω=*)
大きく2つ、現代人×子蛇の話と、蛇×蛇の過去の話が描かれてます。
とにかく祁蛇って蛇が好きだった…!
イカツイ表情がたまらん!常に眉間にしわ寄せてるし、いっかいも笑わない。ステキ☆

■根生いの業/恩に初まりし縁
現代人×子蛇の話。人を襲う蛇がいるとされる村山で出会った子供を保護していたら蛇だった…という。思わぬ場面で人の姿を現した兄蛇の登場シーンに惚れた。かっけー!

■はやにえの恋/蛇の目
表題作。『根生いの業』の兄蛇(祁蛇)が主役だけど、主に恋愛してるのは双子の蛇神同士。祁蛇はまだちょっと蚊帳の外っぽい感じで、当事者というよりは傍観者。
伝統や習わしが衰退していくせつなさがある。行動や言動に甘い雰囲気とかムードはまったくないけど、彼らの絆の深さがありありと伝わってくるのは凄いと思いました。

過去編に関しては、まるで歌舞伎をみてるようでした。兄蛇(祁蛇)の表情が隈取っぽくみえるし、髪型なんて連獅子じゃん!!と一目見てテンションあがるほど。でも、そういうキャラの外見だけじゃなく、すれ違う恋や儚い終わり方、悲劇性、死、そこから得る教訓…そういう要素がよく似ています。個人的に歌舞伎が好きでよく見るのですが、「こういう話あるある…!」と思ったし、歌舞伎でやっても面白いだろーなーと勝手に妄想してました。(余談ですが歌舞伎にも男色物ありますw)
基本的な筋書きは単純だけど、解釈によっていくらでも深みが増す…そんなところも歌舞伎っぽかった。

いろいろと個人的なツボを狙い撃ちしたみたいな作品だったので、とても楽しめました!!ただ、万人受けするかっていうと、人を選ぶと思います。
淡々としたキャラが淡々としたテンポで描かれてるので、それを“粋”ととるか、“あっさりしすぎ”ととるかは好み。
や~でも、歌舞伎ネタでもないのにBL漫画よんで歌舞伎妄想できるとは夢にも思わんかったです…(=ω=)ウマ~♪

★★★・・ :ストーリー
★★・・・ :エロス
★★★★・ :キャラ
★★★★・ :設定/シチュ
★★★・・ :構成

4

ブラコン萌え

帯『生殺しのこの想い いっそすべて打ち明けられたら』

表紙の独特の雰囲気に魅かれて読んでみました。
どちらかというと雰囲気で描いてる感じの作品かな。
ジャンルは和製ファンタジー+妖怪モノ。
絵柄は癖がありますがマンガが上手いので読んでる内に気にならなくなります、っていうかこういう絵柄は結構好き。

巻頭話は「根生いの業」
田舎の村に研究で来ている学者、仁井[攻]が山で蛇を連れた奇妙な少年を拾って自宅へ連れて来ます。
少年はその蛇を兄と呼び、世俗に疎い。
仁井は行きがかり上、彼の面倒を見ていてそしてその少年が蛇の化身であるのを知ります。
結局村人から守ってやり、正体を知っても手元に置こうとする仁井。
仁井の為に柿を取ってこようとするアキが可愛い。
ちなみに同じく蛇である兄はブラコン気味でビバブラコン!

表題作は時間が遡り、兄蛇がまだ生まれたばかりの弟蛇を連れて知り合いである双子蛇兄弟の元を訪れます。
この双子蛇兄弟がメインの話なんですが、これはブラコンを超えて兄弟モノ。
人を食う人蛇と、人里で平和に人間と暮らす人蛇。
ラストは切ない。

「蛇の目」
表題作から少し後の話で、ちっこいアキがショタ萌えをくすぐってくれます。
兄蛇と双子蛇の片割れとの会話が切なくも、しんしんと降る雪の如くに静かに交わされるのですな。

「恩に初まりし縁」
仁井が村での研究を終え、都会の家へとアキを連れて帰ります。
この話では2人のラブ度がアップ。
何気に2人の蛇がアキを見守ってくれてるのがいい。
そして兄はやっぱブラコン。

カバー下はアキの料理話、特典ペーパーもやはり料理話でした。
柿鍋凄そう……。

3

人喰い蛇たちの切なくてやるせないトライアングルラブ

現在「鴆ージェンー」がヒットしている文善やよひさんのデビューコミックなんですが、これも人外ファンタジーモノ。ヘビです。
これ、cannaレーベルの第1弾コミックなんですね。
cannaって人外モノが優秀だよねー!って思ってるんですが、そうか、一発目からこんなの出してるレーベルだったのか、という餅は餅屋的な納得感。

人喰い蛇のお話で、弟編(人間×蛇)と兄編(蛇×蛇)が入っています。
人外だけど王道で読みやすい「鴆ージェンー」とは違って、こちらは少々読者を選びそうな作品ですのでご注意を。
エロはありませんが、弟カプはおにショタです。
描写はありませんが、兄編の方は人間を食べたりします。
一方、ヘビと言っても半人半蛇的な感じではなく見た目は完全に人間なので、その辺が心配な人には大丈夫ですよと言っておきます。
ファンタジー色強め、BL要素は少々薄めです。

デビュー作らしくお話運びや台詞回しなんかはちょっと拙いんですけど、作家様の好きなものが詰まってる感が良くって惹き込まれます。
後から出来たという兄編(=表題作)が、人喰い蛇の設定がしっかりと活かされた切なくてやるせなくて心に残るお話でした。
仲間の双子蛇との切ないトライアングルラブなんですが、一読目は「悲恋だな〜」程度の感想で読み終えてたのに、読み込むほどに切なさが増してしまって最終的には「あぁこれすげぇ好きなやつだ…」って感想に落ち着きました。
どういう矢印で成り立つ三角形なのかは、ぜひ読んでみてくださいな。
3者の想いに胸を切られます。
そしてこれ、3人の恋模様の背景で描かれる「神」という存在のやるせなさがまた物悲しいのです。
人間ってつくづく身勝手で罪深い存在だなって思う。

「鴆ージェンー」では王道ストーリーに徹されていますが、それでも端々に見え隠れするこの作家様の毒気に惹かれた方には是非オススメします。

2

注目新人作家さんです!

プランタンの「Cannna」で連載されていた作品に後日談描き下ろしを2本入れて、充実した内容になって一冊にまとまりました!
ちょっとクセのある絵ですが、人外(人喰い蛇)の哀しい恋の世界のイメージを膨らませます。
かなり注目で今後の活躍が期待される作家さんです。

人喰い蛇の祁蛇(きだ)は百舌の山に祭られている蛇神の友人・烏蛇(うだ)を訪ねます。
祁蛇は烏蛇が好きなのですが、烏蛇は双子の白蛇(はくだ)が好きなのです。
白蛇はおだやかな性格から里に下りて人間と共に生活しており、祠の紙は百舌の笛を持つ烏蛇が継いでいる。
烏蛇は時々人を襲っては食べているが、白蛇は人間が好きなのでまだ食べたことはなく、それでもやっていけるという。
そんな時、白蛇が村の娘と結婚することになり。。。

祁蛇が、この双子の蛇神の結末を見守る形となります。
哀しい片想いは、祁蛇もですが、烏蛇もなのです。
この関係が切なく、特にクライマックスの命を掛けて烏蛇が白蛇を救う場面では、
白蛇に、烏蛇の代わりに、結ばれなかった苦し想いを祁蛇で遂げさせようとする下りに甘さを感じるどころか、「生きる」ということの苦しみを感じさせるのです。
互いに想いを遂げられなかった白蛇と祁蛇。
やりきれなさも漂うのに、全く悲壮感がありません。
烏蛇はやんちゃなツンデレ、白蛇はヘタレ、祁蛇は俺様、3人の性格が上手く絡んでドラマティックを演出していました。

この百舌の山を祁蛇が訪れた時、生まれたばかりのまだ人間に変化できない弟の蛇を連れているのですが、その小蛇が人間のおじさんと出会う話が巻頭のお話です。
百舌の山のお話は時代モノだったようですが、この弟の話は現代になっています。
彼等は何百年も生きているのですね。
しかし、その現代でも山里の村では人喰い蛇が出るということで村人総出で蛇狩りをしています。
学者の仁井が山に入った時偶然であったのが、裸の子供。
世話をするものがいない子供を放っておけなくて、しばらく小屋で一緒に暮らすのですが、ある日子供が怪我をしているのを見て、彼が蛇であることを知らされます。
これは、蛇の兄弟の自立と別れの次期の話だったのですね。
未遂に終わりますが、この仁井はショタコンのようですw
人間に酷い目にあわされても、自分を心配して泣いてくれた、正体をしってもひるまない仁井に子供が惚れちゃった展開になるのかも?
イニシチアティブは子供にありますw
ここでは、人喰い蛇と人間の共存を描いた話になるのかな?と思いました。
これの後に、表題の作品が掲載になっていますので、人喰い蛇の生き難さと苦労、彼等が点々と放浪せざる得ない理由を知ることになるのです。

描き下ろしは、百舌の山を出た白蛇が祁蛇と再会する話。

都会に出てきた仁井と小蛇(後アキと命名)の生活と、祁蛇や白蛇との再会のお話です。
何か、いい感じで、この4人現代生活やっていけるんじゃないでしょうか?
本編が過酷な運命の話だっただけに、すごく救われます!
でも・・・いつかアキは人の味を覚える時がくるのだろうか?
ちょっと心配。
ところで・・・エチはしたのか!?オヤジ、ショタやっちゃったのか?
ジレッタイです(爆!)

3

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