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表題作異邦人の求愛 ~甘やかな腕に抱かれて~

ヴィクトール・フォン・ベルンシュタイン 貴族
瀬川槇 19歳 商家の息子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

父親を亡くしたことから、親戚の商家・桂木家に引き取られた槇は、奥方の峰子に時折つらくあたられるも、何不自由なく暮らしていた。ある日、桂木家の長男・哲が、来日していたドイツ人貴族であるヴィクトールを家に招いた。日本の文化に興味をもっているヴィクトールに頼まれ、あちこちを案内するうちに、槇は熱い想いをよせられてーー。けなげで一途なラブロマンス。
(出版社より)

作品情報

作品名
異邦人の求愛 ~甘やかな腕に抱かれて~
著者
松幸かほ 
イラスト
宮沢ゆら 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775516546
3

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萌々

(0)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
9
評価数
3
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

ドラマティック・ラブ。

時代もの、明治です。

プリズム文庫の松幸さんのパターンを外さず『外国人貴族攻』ですよ。もちろん『健気受』です。

松幸さんのプリズム文庫は、あまあまの王道が多いんですが、こちらはその上にかなりドラマティックです。

まあ『王道』の範疇は出ていないんですが、特に中盤以降は次々と畳み掛けるようなお約束の連続でまさにメロドラマですよ。

父を亡くした後、母一人では育てられないから、と親戚の桂木家に引き取られた槇(受)。その後母は再婚しますが、槇は連れて行ってもらえませんでした。

ここで、親戚の家族中に苛められるというのがテンプレートのひとつでしょうが、ちょっと違って桂木家の主人や長男・哲(二男と三男は家を離れているのでほぼ出て来ません)にはとても可愛がられます。ただ、夫がかつて槇の母を想っていたことから奥さんには疎まれるんですが。

そして、日本政府に招聘された建築家の叔父とともに来日したドイツ人貴族(伯爵家の二男)ヴィクトール(攻)。ヴィクトールは穏やかな紳士で、もう最初から『槇が好き』って感じです。
ラブは、2人の気持ちをわりと丁寧に追っていて好感が持てました。

想いが通じて恋愛関係になったあと、ヴィクトールが突然の兄の死で帰国しなければならず(船旅なので大変)、残された槇にさらに過酷な運命が!

そのあたりまではいいんです。わかっていてもちゃんと楽しめました。

ただ、終盤の解決法があまりにもご都合主義というか、なんというか・・・
いきなり流れを断ち切られた気がしました。茶番劇としか思えなくて(いや、まさしくその通りなんだけど)唖然としてしまいましたよ。

ネタそのものよりも『実はこういうわけでした』とあとからくどくど『説明』されてもね~という感じでしたね。
せめてもう少し描写の仕方を考えてくれたらまだよかったかもしれません。

結構面白かったと思うので、それがちょっと残念でした。でも、松幸さんのプリズム文庫では好きな方です。

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