• 紙書籍【PR】

表題作黄昏の世界で愛を

かつては一世を風靡したが今や落ち目の俳優・真野奉一
入社1ケ月で攻様を任された新人マネージャー・左草祭

あらすじ

新人マネージャーの祭りは、奔放な振る舞いで落ち目になった大スター・真野の担当に。男らしい魅力に溢れた彼にある晩、強引に抱かれてしまい・・・。
(出版社より)

作品情報

作品名
黄昏の世界で愛を
著者
榊花月 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403522697
3.1

(6)

(1)

萌々

(1)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
17
評価数
6
平均
3.1 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数1

新人君、一癖もふた癖もある年上に翻弄されて成長するの巻w

今回は表紙の小山田さんのイラストが目を惹きますね!
主人公達の後ろにあるモノクロームの写真風イラストv
これ、攻めの真野の過去ですねw
洒落たラブコメの雰囲気を漂わせていますが、案外に中身は骨太で新人マネージャー君奮戦記みたいな様子もあり、一人の俳優の生きざまでもあり、いつも、はずれを引くことが多かった榊作品の中、結構好みの仕上がりをしていました。
何と言っても、主人公達が魅力的だったんですよ!

有名大学を出たものの、折からの就職難で芸能事務所に就職した祭は、研修期間を経ていきなり過去数々の賞も受賞したことのあるベテラン俳優、真野の担当マネージャーを命じられます。
彼は、数々のスキャンダルの過去を持ち、今では過去の栄光からは遠ざかり、主役級の仕事はない状態。
そのフェロモンあふれる魅力的外見にドキっとする惹きつけられるものを感じる祭ですが、真野の傍若無人な振る舞いに翻弄される日々。
当たり前の通り一辺倒の対応しかできないので、「マニュゾー」とあだ名で呼ばれる始末。
しかし、スキャンダルをかぎつけるフリージャーナリストに一人で立ち向かう姿に、やっと見直され今度は「祭ちゃん」と呼ばれ、やっと少し認められたかな?な状態。
そんな時、過去映画賞を取った作品の監督から新作のオファーが来るのですが、真野は出ないと拗ね出して、何でもするからという祭に「出る代わりに一発ヤラセロ」と言われ、それ以来セフレのような関係にもなるのでした。

この真野が、じつに子供みたいな大人なんです。
賞をとり、一世を風靡したその過去にあぐらをかかない。
というと、日々精進のイイ人みたいですが、実は自分は自分、
思った通りにやりたい、納得する答えがなければ自分を曲げない頑固な人なんです、世渡りとしては不器用なんです。
だからスキャンダルがあっても弁明しないし、それが誤解を生んだりして。
すごく、損な人だと思うんです。
充分に魅力的な人なのに(絵からも文章からもそれは見られる)

それを、どうして新人の祭にマネージメントさせたかという会社の思惑は、終盤で明かされるのですが
真野の不運は、マネージャーの手腕でもあったと思うのです。
信頼関係もあるけれど、真野を引き上げた伝説のマネージャーと言う人がいたからスターダムに乗れたし、スキャンダルも表でないで済んだ。
どうも、真野の凋落は、そのマネージャーが代替わりしたことで起こったみたいな感じなんです。
で、祭は真野との仕事の中で、彼の扱いを学んでいくのですが、間に合わず・・・
決して、祭が真野の恋人になってしまったから真野贔屓になって周りが見えなくなったとか、不手際をしたとかそうわけじゃないんです。
むしろ、祭は祭の立場をちゃんとわきまえて、彼なりの対応をできたとは思うのです。
恋人になったことは、彼なりの、真野も上手くいくための方法にもなったと思うのです。
そういう部分で、ラストの展開はすごく切なかったんですよね。
真野が気にしてないから、あっけらかんとしているからいいんですがww
世話女房と、やんちゃな旦那ってとこかな?
みんな、それぞれに自分というものを持って仕事をしているから譲れない部分がある。
それを上手く折衝していく技、そんなものをマネージャーは求められているのかな?と、苦労を思うと、祭は本当によく頑張っているな~とはげましてあげたくなったです。

どんなに辛いことがあっても、へこたれない、メゲない。
頭もよさそうだし、柔軟性がある。
そんな祭が、エチでエロい子になるのがとても可愛らしかった♪
このお神酒徳利に幸あれ~(爆!)

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP