「この恋は事件だ」

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表題作恋と刑事

土田,ノンキャリの刑事
雪村ハルキ,32歳,本庁キャリアの警視

同時収録作品ツーガイ・ズ

西本,借金持ちの産業スパイ
木原慎吾,34歳,製薬会社社員でターゲット

その他の収録作品

  • おまけマンガ

あらすじ

不運続きのノンキャリ警部補・土田は職務質問した不良青年ハルキにビンタを食らう。その夜から土田はクール見えて情熱的なハルキが気になって仕方ない。どこかの誰かに恋するハルキとそのハルキを追う土田、可愛い大人ふたりの不器用な恋愛事件簿!
花音誌上で大人気だった軽快ノンキャリ部下×エリート上司刑事の社内ラブが遂にコミックス化!
(出版社より)

作品情報

作品名
恋と刑事
著者
西田ヒガシ 
作画
西田ヒガシ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
芳文社
レーベル
花音コミックス
発売日
ISBN
9784832287563
4.2

(66)

(31)

萌々

(22)

(11)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
17
得点
277
評価数
66
平均
4.2 / 5
神率
47%

レビュー投稿数17

オトコしか言えない

 なんなんでしょうね、書店でちゃんとBLの棚に並んでいるから手に取ったのに、フタを開けてみて「これって別に男女でも成立するじゃん」と思ったときの、あのがっかり感。絵づらだけの問題で、特に受けがどう見ても女の子にしか見えないようなのは、それでもまだ耐えられるんですけどね。沙野風結子さんが以前「赫蜥蜴の閨」で主人公の極道者に言わせてました。「わざわざ男抱くからにはこのぐらい歯応えがないとつまらん」(ちなみにこの時彼が抱いていたのは沙野作品でも屈指の男前、攻めでも十分通用する受けです) ーそう、そうなんです。こちとらBLが読みたくて、時に恥を忍んで肌色率の高いコーナーにわざわざ足を踏み入れているのに、「なんちゃってBL」や「自称BL」「見かけ倒しBL」でお茶を濁されたくないんです!!

 その点で、西田作品にはまず期待を裏切られることはありません。絵からして、どう間違っても女には見えないがっしりした腕や肩、厚い胸に太い首を持つ野郎どもしか出てこないし、「設定上は繊細な美人なんだろうなぁ」と思われる受けでも、ことごとくちゃんと男の顔とカラダを持っている。そのふたりが画面狭しと絡み合うシーンはお世辞にも美的とはいえないかもしれないけれど、妙な生々しさをもって迫ってくる。まるで1週間張り込み続きで風呂にも入ってない土田(本作の攻め)の汗とか、靴下の臭いまで感じられそうなほど。(是非ともくさやの代わりに●ァブリーズと対決して頂きたい)

 そしてなにより本作では、「これぞBLでしか聞けない」一級品のセリフを聞くことができます。受けのハルキこと雪村は警察キャリアのエリートでゲイ。ひそかに片思いしていた土田(ノンキャリ警部補、ノーマル)と、紆余曲折の末ようやく恋人同士になれたけど、土田は骨の髄まで刑事。迷わず恋より仕事を取るため、これまでつきあった女たちに次々と振られてきた朴念仁。事件で重傷を負った雪村が「一緒にいてくれ」と縋ったにもかかわらず、やっぱり人質を連れた容疑者追跡の方を優先して行ってしまう。

 独り置いてきぼりの雪村は泣くのか、「もう別れる」と怒るのか・・・そのどちらでもありません。傷ついた身体で土田の度肝を抜く「●部警察」ばりのど派手なカーチェイスや狙撃の腕前まで披露してくれたのはご愛嬌。無事事件も片付き、合わせる顔がない風情で戻ってきた土田に「お前が今まで女に振られまくってきたわけがよくわかった」と雪村。「ああいう重要な時にこそ、うそでもいいから仕事よりもお前が大事だと言え」と。
 本当は、そんな器用なうそがつけない土田だからこそ好きになったのだし、もしもあの場面で土田が雪村を選んで仕事を放棄していたら誰よりがっかりしていた自覚もある。だから雪村は言うのです。「ありがたく思え。俺が男で、警察官だってことを」

 絶対に男女のカップルでは成立しない展開。これぞBLの醍醐味、みたいなものをいつも存分に味わわせてくれるから、「近頃BL臭が不足気味」だと自覚症状があったら、迷わず私は西田作品を読みます。

15

最高ー

大好き!好き!
西田東さん最高です。
隅から隅まで楽しくて、なんだろ、すべてが好きとしか言いようがない。
天才です。

表題作は刑事もの。
びっくりするネタも仕込んでくれてますので、そのへんは読んでのお楽しみですね。おおっ!て思って、思わず最初から読み返してしまうほどでした。
主役二人ともキャラクター造形が素晴らしいです。
あと肉体美も素晴らしい。裸のお尻に見とれてしまう。筋肉のきっちり乗った体は美しい。
ギャグ絵はいちいち面白い。棒人間の使いどころとか、天才的だと思います。
好きなシーンは、たくさんありすぎて困りますね。

攻めを仕事に送り出した受けが、シーツ洗うのやめとくかってベッドに一人で寝ようとして、でも攻めの残した足のニオイには耐えられずシーツの向きをかえる場面とか、ニヨニヨしつつも笑えるし。ニヤケてる受け様が可愛すぎです。

あと、お仕事関係の描写が地に足がついてること。背広を着てる人間が仕事をするときのスタンス、ここの部分のバランスの良さが西田東さんの魅力なんですよね。真面目なんだけど、絵に描いたようなリアリティのない真面目さではなく、生活してる人間のときに不真面目にもなる真面目さであるのが本当に本当に魅力的です。

『ツーガイ・ズ』
こっちも良かったなァ。
変人受けがきっちり変人なのも、ちゃらんぽらん攻めがきっちりちゃらんぽらんなのも、出会ってそれがいい方向へと変化するのがイイ。
金魚の使い方、涙の使い方、ココゾ!っていうツボをつかれて切ないです。
さらに、どんなに切ない作品でもギャグを忘れないのが西田作品のいいところですね。

おまけ漫画はいつものクオリティでした。
ぐにゃぐにゃ漫画のあのクオリティは、低いのに高いという不思議さ。
このぐにゃぐにゃ絵が大好きなんです。

6

ツボ作品!

分かりやすいトレンディドラマみたいな刑事ものでした。それもなぜかバブル期のドラマのような印象があるのは何でだろう。 だ が! そこが良い!!
これは褒め言葉です♪私は基本的に分かりやすい作品が好きなので。

メガメでオールバックの雪村(受け)が髪を下ろしてチャラい服装で潜入という、もうそのギャップの時点で萌えます(*´∀`*)しかも雪村の照れ顔がまたキュンっときますね♪
また、攻めキャラの土田のさっぱりした性格も好きでした~!感情を素直に出せる人間も魅力的ですね。

~以下ネタバレ注意です。
雪村が倒れて、救急車で運ばれようとしているとき、雪村がわざと「ついて来てくれ」と言うシーン。
土田は容疑者を追うように命令が入り、現場に向かわなければならないんですが、
雪村はわざと「一緒にいて欲しい」と言います。
そこで土田は雪村と一緒に救急車に乗るのかと思いきや、やはり、というか救急車には乗らずに、仕事を優先するんですよね。
そりゃ警察官が公私混同したらおかしいし、仕事を優先するのは当たり前でしょうけれど、なんとも切ないシーンでありました。

その後、土田が雪村に対して悪かったと思っている時、
雪村がこう言うんですね。
「ありがたく思え―俺が警察官で男だってことを」というセリフ。
同じ警察官としてそして男として、土田が取った選択は理解できるからこそのセリフなんですよね。自分が死にそうになっていてもそれを見捨てて仕事を優先しても、その選択の意味が分かるからこその。

まさしくこのカップルがカップルとして成立する真理はそこだと思えるセリフでした。
うーん、奥が深い!!!!!

5

なぜカッコいいんだ

西田東氏ではベスト3に入る作品です(私的に)。
表紙が黄色・・・! さすがです。

しかし
ハルキがカッコいいのは美形だから・・・にしても
なぜ土田さんがカッコいいんだろう。

その辺を読んでみて欲しいです。

西田氏の作品は 遠くに去る人を追いかける全身のコマが
大好きです。

4

これもまた大好物

ノンキャリ刑事×本庁キャリア警視ものです。大好きジャンルを西田さんの漫画で読めるとはなんという贅沢!しかも受けはクール美人の健気受けで大好きなタイプ。メガネだし。

元々ノンケ×ゲイでもあるので、受けの健気さが可愛い。好きな所は1週間張り込みで汚れてる攻めを受けがお風呂で洗ってあげる所。犬か!(笑)最初「お前動物臭いぞ」とか言ってたのに攻めがすぐ仕事に行ってしまうとその臭い匂いのシーツで寝て攻めの温もりを感じたり、攻めが疲れてる時はイカせてあげた後自分は寄り添って寝るだけでいいんだ、とか…献身的で乙女な性格の受け。

しかし!ここで終わらないのが西田作品の良いところ。カッコよく男前な受けの姿も最後にバッチリ描かれてます。皆さんおっしゃるように「ありがたく思え。俺が男で警察官だってことを。」という決めゼリフはBL名言集(?)みたいなものがあったとしたら絶対に入れたいセリフです。

2つ目の話は軽めの短編でしたが、攻めの泣き顔が印象的なちょっと変わったパターンで萌えました。おバカ攻めも可愛い。



2

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