君を…そういう意味で好きだと思ったことはないよ

リセット 上

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リセット 上
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神9
  • 萌×28
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

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レビュー数
3
得点
83
評価数
20件
平均
4.2 / 5
神率
45%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
二見書房
シリーズ
シャレード文庫(小説・二見書房)
発売日
価格
¥657(税抜)  ¥710(税込)
ISBN
9784576110509

あらすじ

橘田の心を埋めようとした親友の高平と、義弟の倉橋。
とある事件によって再会した三人が行き着く先とは――

一九八九年、とあるマンションの一室で起きた放火殺人。当時十三歳だった橘田と高平は事件に巻き込まれて以来、互いしか知りえぬ思いを共有する。しかし橘田の心の空隙は次第に二人の関係を歪ませ始めていた――。大学進学後、高平との関係を断ち切り、一人事件の悪夢にうなされ続ける橘田の前に現れたのは、義弟の倉橋だった。倉橋もまた橘田の苦しみを知り、心を砕くようになるのだが…。時を経て起きた新たな事件が、それぞれの道を歩んでいたはずの三人の男たちを呼び寄せる。そこに待つのは悲劇か、過去との決別か。
(出版社より)

表題作リセット 上

幼馴染 高平尚徳・28/義弟 倉橋祥吾・24
PTSDの警視庁キャリア 橘高一真・28

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数3

人間愛

谷崎さんの本を、キチンと読むのは始めてだったと思います。
ひゃー、びっくり!というのが感想でしょうか。
確かにBL、でも内容はBLの枠から飛び出して空中で一回転してる感じです。
でも、読んでいて救いがあったのは、攻め二人がどんな形であれ受けを愛しいと思っていたからかな。


受けの橘田は優しげな容貌でありながら、子供の頃の母の死をきっかけに笑顔を見せることはなくなりました。
現在は警察庁へ入庁し、警視庁捜査一課管理官。

攻めは高平と倉橋。
高平は、橘田が小〜高校までずっと共に刻を過ごした存在。
現在は所轄刑事課の刑事。
倉橋は、橘田の父親が再婚したことで出会った義弟。
現在はフリーライターです。


小五からカウンセリングを受ける橘田に付き添い、高平は彼がなるべく静かに過ごせるよう心を砕いてきました。
しかし、中学に入学した夏のカウンセリングで、殺人放火事件に見舞われ大火傷を負った高平。
その後、不眠となった橘田を高平が抱き、そんな関係を続けてきたものの、火事、そして幼い頃に起きた橘田の母親の事故死、それらすべての責任は自分にあり高平は関係ないのだ続きと橘田は彼から離れます。

その後、京都で大学に通い、父の再婚をきっかけに倉橋に出会います。
倉橋は橘田に勉強を見てもらっている過程で彼が苦しんでいることを察し、欲望と庇護欲がないまぜになった勢いで関係を結んでしまう。
受け入れてはもらえていないと気づいていながらも、橘田から離れられない倉橋に橘田は、高平への別離と同様の行動で彼と別れを告げました。

この辺りまでで、一冊の2/3ほど使っています。
この間は火事や殺人についての明確な表記はほとんどありません。
舞台が2004年に進み、始めて動く感じですね。
この年にはふたりが中学時代に遭遇した殺人放火事件は、時効となりましたが、心には真実を知りたいという思いをお互い抱えていて、これが下巻でどう動くのか気になるところです。
わたしは自分に文体があうかわからなかったので下巻を買わずに読み始めてしまったのですが、警察物の硬いBLがお好みの方は、上下揃えてから読み出した方が良いと思いますよ。
同様の作品を上げるならば、かわい有美子さんの『光の雨』かな。

イラストは奈良千春さんです。
奈良さんのイラスト嫌いではないのですが、今回はちょっと違和感がありました。
高校生のふたりはまるでオヤジのようです…オヤジの濡れ場に見えてちょっとひいてしまいました。
レーターさんの個性は大事だとは思いますが、もう少し作品のキャラクターの年齢設定を重要視して欲しいなと思いました。

7

ザ・小説

ふいに純文学小説を読んでるような感覚になることが何度もありました。刑事ドラマやミステリーなどとも違う、なかなかの読み応えでした。
くどくならない、濃すぎない、ギリギリのところの細かい描写などはBLジャンルを取っ払っても、個人的に好きです。

冒頭の男たち三人は、どの人が誰なのかぼんやり・もやっとした感じで始まっています。上下巻とも読み終えてみると、そのもやっとした感じを残したまま時系列でコトが語られてゆくさまに、かなーり引き込まれていたと気づきました。
ただ、下巻で最終的に三善という人物に行き着いてからの部分は、何だかまとめて畳みかけられて駆け足な感じもしましたけれど。

橘田(受)は最後まで笑顔描写はありません。例えば倉橋(攻)の存在によって変わっていき、笑顔を見せるようになるというようなある種お約束的なものが無いのも、自分が純文学風な好印象を受ける要因かなと思っています。

4

下巻が待ち遠しい!

この話はかなりのシリアスと厚みがあり読み応えは充分です。
読み進めるとその重さにラノベというより普通の小説を読んでいる気分になってきます。
時間を現在から過去にさかのぼり、それぞれの関係について、かなり丁寧に書き込まれていますので、そこに面白みを見出してのめり込めるかどうかがこの本を好きになれるかどうかの分かれ目かも?
だけどかなり、かなり面白いです!!
もう下巻が待ち遠しい、早く読みたくてたまりません。

ある事により人と話せなくなった一真と唯一話す事ができる幼馴染の尚徳との関係は、それに追い打ちを掛けるように二人が巻き込まれた事件によって変わっていく。
そして、尚徳への依存から(多分本人はそう思っている)自立しなくてはと無言で尚徳から離れた一真が、義弟となった祥吾と、尚徳と同じような関係に陥るのですが、やはり自ら離れていく。
そして5年後、警察キャリアとなった一真は高卒で警官となった尚徳とある事件で同じ捜査に関わることになるのだが、そこに音信普通になっていた祥吾の存在が絡んできて・・・

一真の心は見えないけれど、でもかすかにそうなのかな?と思われる部分は、祥吾続きを尚徳と間違える部分にある。
祥吾が一真にのめり込んでいくのは、全く尚徳と一緒だ。
ただ、尚徳のほうが一真と心の傷を共有しているという部分、彼のほうが祥吾より一真に近い存在ではあるのだ。
一真に捨てられた事で祥吾がどのように変わったのか、まだそれは不明だ。
尚徳が警官を目指した理由、一真が警察に入った理由、それは同じものであるはずだから
今回発生した事件がそれに関係あるのか?
そして、祥吾がどのように絡んでくるのか?
二人の男に愛される、トラウマ持ちの警察キャリア。
そして、多分彼のトラウマを知らない分義弟のほうが執着が強く、捨てられた傷は根深いと思われる。
これからの本当の本筋の序章のようなこの上巻であったので、下巻の展開が待たれるのです。

ラブとかエロに萌えた!という評価よりも、小説として作品として好みである!という評価のほうが基準になるで、他BL作品とはちょっと違うラインかもしれません。
しかし、彼等の苦しい気持ち、切迫した状況と雰囲気と関係が迫ってくるものがあり臨床感が満ち満ちています。
一体どんな結末が待ち受けているのか?
彼等がどんな風に動くのか?
大変に楽しみです。

5

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