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表題作『コイビト』

熊のような後輩 左右田幹太 大学一年生
事故で走れなくなった大学生 菅谷僚平

その他の収録作品

  • ゼニス・ブルー
  • 4年目の告白
  • あとがき

あらすじ

元恋人・高階とその妻子と同居することになった僚平。恋人・左右田がいるのに僚平に手を出してくる元彼に戸惑うが? 待望の文庫化!
(出版社より)

作品情報

作品名
『コイビト』
著者
椎崎夕 
イラスト
三池ろむこ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344822603
2.7

(8)

(0)

萌々

(1)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
20
評価数
8
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

ひたすらただひたすら一途な大型ワンコ

99年の作品の新装版だそうです。
本編に書き下ろしで、主人公カプの本編前と、本編後の2本が入っていて、二人の関係がよくわかるようになっています。
それにしても、二人の出会いから実に6年半?全く甘い部分はなく、受けはツンデレをつきとおし、攻めは受け一筋の、時に嫉妬する番犬かストーカーかのような一途さをつきとおし、自分的にはちょっと読みにくい話になっていました。
そんな点であまり主人公達に入れ込めなくて微妙なラインです。

主人公・僚平のトラウマの元、義姉夫婦が引っ越し先のトラブルで、僚平の家へ居候してきたことで物語が進展していきます。
僚平は高階という年上の男性と恋人だったのですが、僚平の義姉・いずみと高階が結婚することになったので、事故で怪我をし母を失くしたこともあり籍をぬいて実父の元へ戻りいずみの家とは縁を切り高階とも別れた。
だけど、いずみにはよくしてもらって本当の姉のような信頼と愛情があったので彼女は大好きな存在であり、彼女を苦しめたくないという気持ちで離れたのに、今回の同居で高階は僚平にしつこく復縁を迫る。
僚平には恋人というべきか、彼を一途に慕ってついてくる関係のある後輩左右田がいるのだが。
そんな中発覚したいずみと高階の間の子供は実は高階の子供ではなかった事実。
夫婦間の亀裂と、高階の異常なプライドと執着が泥沼を作っていずみと僚平を苦しめる。

そんな本編なので、ラブというよりはそのドラマがとても重点にあって、読み応えはあるのですがちょっと恋愛部分は薄いような。。。
いずみや僚平がトラブルや悩みを抱えるのを、第三者の左右田が力強く見守り、時に助け、彼等の代わりに怒り、支えていき、それによって、僚平の抱えた心の傷となった高階との関係がきちんと清算されて左右田と向き合えることになった。
というお話ではあるのですが、結構いずみ・僚平・高階の話のウエイトが大きすぎて、萌えるとかそういう次元のお話にはなってなかった気がするのです。
だから何だか甘さが足りない。。。

『ゼニス・ブルー』は恋人というか初めて関係を持つお話なんですが、これも色気がない!?
うっかり左右田にゲイであることを漏らしてしまった為に、その時を境に左右田が襲ってもいいんですね、なんて感じで襲っちゃう。
それまで大好きな先輩であって、大学まであとをついて入学して、先輩一色だった時点で僚平への愛だとはおもうんですが、
左右田がまっすぐ突き進んで、僚平がそれを拒否・否定して逃げて、でも自分の事でトラブルに巻き込まれている姿を見て、彼は本気なんだということを知り、しようがないな、、っていう甘くならないツンツン僚平、あくまでも超ワンコな左右田っていうお話。
一点、驚愕した箇所がww
左右田は高校3年の12月まで小さくてかわいい子だったらしいのだが、急に成長がはじまって数カ月で数10センチ身長が伸びて別人のようになって卒業式には制服がきられなくなってしまったらしい、、(爆笑)

『4年目の告白』本編で離婚したいずみの再婚というその後の幸せですよ、っていう報告と、僚平は相変わらずツンツンだけど、とうとう左右田と同居しますよ、っていう報告になるお話なのかな?

全体を通してご主人様と家来見たいなスタンスが頑固なまでに貫かれ、僚平がツンツンしどうしで、最後にちょっとデレる。
そんなパターンなんで、変化が乏しいと感じてしまったのが今一つな原因かもしれません。
どっかに色気があったら、もうちょっと好みだったかな?

3

当て馬の扱い…

当時は数少ない年下攻めを書く作家さんだったので買っていましたが、この作品を読んで以来買うのをやめました。


以下は主役カップルとは別部分のネタバレです。

受けの義姉のいずみと当て馬攻めの高階は2人とも記憶のないまま裸でホテルで寝ていたことがきっかけで結婚し、その時の子供もいます。

でも実はいずみは酔っていた時に高階のライバルである能代にレイプされていて、子供もその時に出来ていたのです。

いずみは能代に聞かされて事実を知りますが、高階に知られたくない一心で能代に脅されるまま不倫関係を持ちます。

ところが高階は子供が自分の血を引いていないことも、いずみが不倫していることも気付いてしまい、いずみにも子供にも冷淡になり離婚届を置いて家を出てしまいました。

という経緯で、この後に当て馬攻めがザマァされ罵られることには気持ち悪さしかありませんでした。


当て馬攻めがやられたことは托卵と妻から事実を話してもらえなかったことで、それはいずみがレイプ被害者だろうと変わりません。

自分の子供じゃないのに、いずみが黙ってたせいで長い間騙されてたんです。
それをいずみ可哀想、当て馬攻めを捨てて強く生きるいずみかっこいい、みたいな描写されてもハァ?感が強い。
どうしてもザマァしたいならレイプ犯のほうをザマァすれば良かったのに。

当て馬に雑に相手をあてがうのも好きじゃありませんが、当て馬の扱いが胸糞なのは嫌悪感すらある。
以来、当て馬の扱いをできるだけ確認してから購入するようになりました。当て馬も人ですから!!!!!

1

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