背徳のマリア 下

背徳のマリア 下
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神15
  • 萌×21
  • 萌3
  • 中立2
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
6
得点
90
評価数
24件
平均
4 / 5
神率
62.5%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
海王社
シリーズ
ガッシュ文庫(小説・海王社)
発売日
価格
¥657(税抜)  ¥710(税込)
ISBN
9784796401777

あらすじ

「私はお前と一体になりたいんだ」結城の歪な愛情表現が行き着いた先にあるものは?「龍と竜」黒崎医師の原点がここに!

T大学医学部外科医の早坂圭介は、謎を残したまま失踪した大親友・佐伯 彰を想い、苦悩していた。そんなある日、圭介の前に彰そっくりの美貌を持つ「あきら」が現れて――?

許されない愛に身を落とした男たちの切なくも美しい軌跡を描いた幻のデビュー作、完全復活。書き下ろしも収録!
(出版社より)

表題作背徳のマリア 下

医師 黒崎結城/外科医 早坂圭介
実の弟 黒崎和己/外科医 佐伯彰

その他の収録作品

  • 背徳のマリア~Mary Magdalence~
  • 背徳のマリア 旅立ち
  • あとがき

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レビュー投稿数6

異常な執着愛

前半は上巻からの続きの黒崎兄弟の話しで、後半は圭介と彰の北海道診療所での話しでした。

上巻同様に異常な執着愛のオンパレードでした。
現実的でない内容もかなりあるのでが、ついつい引き込まれてしまう作品です。
読み終わったあとにため息が出ます(苦笑)

家族を失うことを恐れ、和己との遺伝子を残すことに虜になった結城。
圭介の愛が途切れてしまうことを恐れながら、でも男として愛されたい、
圭介の子供を残したいと葛藤した彰。
2人とも異常なまでの執着愛に精神をすり減らしてし最後は一番幸せな時間で記憶がとまりましたが、それはそれでよかったのかもしれません。

それにしても圭介は鈍感すぎ(苦笑)

1

魂が口から飛び出るかと思った

衝撃的すぎて、読了してから呆然……。
当時だから発表できたようなもので、今の業界事情だったら完全スルーどころか下手したら封印ものだと思う。
ヤンデレなんて可愛い表現すっとばして、もはや妄執とよべるベレル。

表題作の兄弟よりも、個人的には医者カップルの方が好みです。
というか、これダブル主人公で、安藤を通して互いにリンクしてる話ですよね……。
受が自分で腹をかっ捌くとか、もうどうかしてるとしか。
病み度が尋常じゃない感じで、読んでてしんどいのに、結末を知りたくてもつれそうになる勢いで文字を追ってしまいました。

どちらのカップルの話も、片方のひとりよがりな行動が目立つ。
勝手に勘違いして、勝手に恐怖して、相手の気持ちや言葉を信じられずに、ひとり疑心暗鬼になって……というか、ここまで考えてそれってその時点でもう病気だよね。
両想いなのに一方通行という図式は、相手の方が本当は辛いんだよなー……と思うので。
兄弟なら弟が不憫。医者なら攻が不憫。
作中、唯一のオアシス的役割というか、良心的役割を果たしていた(良心というか、不屈の精神力?)安藤が、受を不憫だ不憫だと言い続きますが、全然不憫には見えないというか、むしろ攻の気持ちを考えると、この自分勝手な受の横っ面張り倒してやりたい。

救いのないラストにも見えますが、見方によっては幸せにも見える。
というか、受にとっては幸せなんだろうという感じ。
ふたりとも幸せには見えないので、読後感は砂を噛んだ感じです。
それでもテーマが深く読ませるだけのものがあったので、BL的な萌は別として評価は挿絵と併せて神です。

3

綺月作品のひとつの原点

表紙とタイトルがとても印象的で、ずっと気になっていた作品。
不妊治療問題+性転換問題+パラサイトイブ+BL=背徳のマリア。

上巻でモヤモヤしたものが下巻で少しは晴れた…かな・・・?というくらいの、もやもやな読後感です。

結局、結城も彰も壊れてしまった。
そばにいる安藤も圭介も、幸せなの????

無いものねだりだもんね。それをどこまで前向きに努力したってないものはない。二人とも恐ろしいくらいに頑張ったと思います。そして手に入れたものに彼らは本当に満足できたのか。精神を崩壊させても、それで本当に幸せなのか。それは彼らにしかわからないけれども。

彰は身体を作り変えたことで間違いに気づいたはずなのに、狂った歯車はどこまでもずれていってしまった。それを止めない安藤も院長もどうかと思ってしまった。そして圭介も。一番ひどいのは圭介かも。鈍いにもほどがあるというか。

お話の展開はどんどんと衝撃的&ひどくなっていって、パラサイトイブのようなSFホラーの様相。いくら天才的な腕と言っても傷跡は絶対に残るわけで、メス入れまくった彰の体は傷だらけでぼろぼろのはず。おそらくあれほ続きどいじっていたら神経痛もかなりのものでしょう。
手に入らないものを必死に欲しがって、文字通り身も心も壊れてしまった彰が哀れでなりませんでした。

そうまでして求めてしまう愛ってなんなんでしょう。
善悪ってなんだろう?と、答えのない問いを思ってしまいました。

BLというより、問題作?だって濡れ場で全然萌えない。綺月作品の濡れ場はどエロいのに哀しいというか痛々しい。シチュとかすごくマニアックなんですけどね。

3

そして、手に入れた安住の地

どこにしまったか、すぐ見つかるか心配だった下巻、割とあっさり最初の箱で見つけた。

やっぱり下巻も、ある意味、安藤が主人公だと思った。
黒崎兄弟の結末も、圭介と彰がたどり着いた平安も、
血みどろの中から命をつなぎ止めたのは安藤。
安藤は物語を進める一番重要な役所を担っているのに、外見はがさつなおじゃまキャラで、恋愛の成就という面では結局最後まで安藤が報われることはない。
こんな三角関係物もアリなんだって、感心した。

1

どう評価していいかわからない地雷畑BL

木原音瀬の「WELL」と同様、いやそれ以上に評価を迷う作品。
奇想天外な展開の連続に、また究極のBLに神としましたが
これ読もうと思っている人は相応の覚悟が必要です。
ある種のホラーに近いといってもいい。
圭介もよくドン引きしないで受け入れたもんだ。

まぁ、ぬるい愛だの恋だの言うてるBLが溢れている昨今では
こういうものは出ないと思います。

男性が出産とか、精子と精子混ぜて新しい生命体できるとか、
今まで「オレが女で子供生めたらよかったのに」的なセリフは
あっちこっちのBL本で目にしましたけどね、そういうモーソーを
より具体的に提示するものはなかった。というか、BL界においては
限りなくタブー。
実質的なデビュー作でこういうものを書き上げてしまう綺月先生、
鬼才というべきなのか若気の至りなのか…。

細かいところにツッコミどころは満載すぎるほど満載で、やはり筆の若さが
見えますが、ストーリーの勢いの良さに目をつぶりましょう。

5

ofnotice

とり歩きさん、ご無沙汰しております。
えぇ…なんていうかね…これは「シュミじゃない」にするか「神」にするかどっちかの作品ですね。
「感動したッ!」とはいえないが、こんなの書ける人そうそういません。
久々に頭がぐるんぐるんしましたw
あ、それとAZptの挿絵、すごくいいですねぇ~。ちょっとこれは芸術的で感動しました。

この人達の欲や愚かさが愛しくなってくる

とうとう下巻です!
振り切れた狂気が紙面の中でとぐろを巻いていて、どこの1行に目をやっても、息を止めて見入ってしまう!
映像にしたら、彰の死体のあった暗い浜辺の上巻の方が綺麗だと思う。
下巻は、ひたすら赤や黄の体液にまみれていたから!
でも、血生臭さはありますが、愛する事で弱くなる心と守りたいと強くなる心がどこにもここにもあって、胸をギュウと締め付けられるのです!

【背徳のマリア 下】
黒崎結城×黒崎和巳(実兄弟)の幻の愛。
精子×精子→受精卵を作り上げるという神以上の奇跡を、その先まで、弟の体内に着床させた(≒子宮外妊娠)という発想がスゴイ!
オペ看が新米だとか各数値とか上げられていて、文章がリアルだから、有り得ないが前提であっても、迫力に押されます!
和巳に真相を告げられなかったのなら、どこから結城は狂ったのだろう?
兄弟の次世代を作り上げるなんて幻に嵌ったんだろう?
考えたら、エンドレスです。
でも、この話の主人公は、黒崎兄弟でも安藤でもないのだと思います。
聖母マリアがセックスレスで受胎したのがイエスだったような、和巳の中で生きて事件後は保管されて続きいる「胎児」が主人公に思えてなりません。
硬派で萌えなど外視している文章と、ラストの和巳の達観した態度が、この凄惨な事件を浄化軟化してくれています。

【背徳のマリア Mary Magdanene】
マグダレナのマリア編。
愛されていたいから言いたくても言えない苦しさが、彰の愛。
安藤には、彰が幸せである為に動く事。
それぞれ我慢している、解放したら愛は死ぬから。
でも、それは違うのに。
彰への集団暴行事件や女性化した自分と本当の自分との葛藤、圭介の母の言動から、彰は後悔と圭介への欲望が膨らみ続けていきます。
そして、彰は自分へ狂気の行動を起こしてしまう!
「お願い!圭介を信じ抜いて欲しい!」(橘の咆哮!)
【背徳のマリア 下】とは違い、文章で泣かせます。
自分の周りの大気に、切なさや苦しさが充満して、咽喉から息を漏らしながら泣きました!

【背徳のマリア 旅立ち】
黒崎和巳編 書き下ろしショート。 
兄が残した研究を引き継ぐ決意を胸に北海道へ!

表紙は、前巻では赤ん坊を抱いて俯いていた彰が、この巻では、月の下、顔を上げて微笑んでいます。
ハッピーエンド好きなのに、そうだと思い切れないのですが、この本の全てが自分には傑作でした!

5

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