CANON～カノン～

北里先生、初BL本です。

『CANON』
双子の弟×兄カプです。
弟とは違い成績の良い弟が、急に試験の順位が落ちてしまったり、進路調査の志望欄にはアダルトビデオの男優と記入するなどした。
教師が慌てて兄に問いかけてくるが、兄もその事を知らずに驚く。
弟に問い詰めると、冗談だと言う。
そして最近たまって仕方がないからと、女をひっかけに行くと言う弟に怒って止める兄。
だったらお前が代わりにやらせてくれる？と聞く弟に兄は抱かれるのだった…。

短編だったし、兄弟ものそこまで深く悩む訳でもなくあっさりくっついちゃいました。

『きみといた夏』
再会ものです。
転校初日に遅刻してきた受け。
風紀委員である攻めに一番に挨拶したかったから、わざと遅刻してきたのだ。
攻めは初対面であるはずの受けが自分の名前を知っている事を不思議に思い尋ねると「何度もキスしたのに、忘れちゃったの？」と泣き出してしまった。
二人は幼馴染みで、攻めの引越しで離れ離れになってしまったのだった。
今でも受けは攻めを忘れずに好きだと言う。

エッチはなく、キスして手をつなぐだけの二人。
純愛って感じでした。

『Valentine's Day』
バレンタインデーに、好きな攻めに勇気を出してチョコを渡す受け。
だけど攻めから、女の子から貰った物を！と勘違いされ逆に怒らせてしまった。

友達以上恋人未満のお話です。
これから二人が良い方向へ進んでいってくれるとイイなと思います。

『INNOCENT BOY』
受けはゲイと犯罪者を同じに見ている。
なので男から告白されようものなら、相手を殴ってしまう受け。
実は受けの事が好きな攻めだが、そんな訳で何も言えずにいた。

受けは小学二年生の時に林へ連れ込まれ、男から乱暴された過去がある。
その男は近所の男の子を乱暴して殺し、受けが乱暴された林に男の子を埋めたのだった。
それ以来ゲイを犯罪者の様に思っていたはずなのに、攻めに片想いをしている相手がいると知り嫉妬してしまう受け。
自分も攻めが好きでゲイなんじゃないか、犯罪者になってしまうと悩む受けは読んでいて辛かった。
最初「この受け、何言ってんのっ？」と思ったが、そんな過去があったとは…。
ちょっとショックなお話でした。
でも最後はハッピーエンドです。

『NATURAL』
受けは火星人で地球で警察官をしていて、恋人は同じ警察官でコンビを組んでいた地球人。
火星人は一生を分かち合う相手と生まれてから伸ばし続けた髪を交わす習慣があって、生涯をともにして、逝く時に相手の髪を棺の中に納め、来世でも出会い愛し合えると言われている。
恋人に髪を切れと言われた受け。
それは火星人にとってはプロポーズを意味するのだった。

何だか、火星人とか出てきて笑えそうだが、実は結構切ない話でした。
とは言え、もちろん最後はハッピーエンド。
この本の中で私は一番好きでした。
（*´▽｀*）