泣くなよ、先生――ますます虐めたくなる

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表題作甘い棘のいたみ

会社員 矢埜紘一郎・43歳/雑誌記者 重成哲也
高校の英語教師 石野拓実・27歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

高校教師の拓実は恋人・紘一郎をひたむきに愛する一方で、彼の優しいセックスでは満足できない被虐の性を持っていた。それを知った三流雑誌の記者・重成に脅され陵辱された拓実は、紘一郎を思いながらも深い快感に溺れ――!?
(出版社より)

作品情報

作品名
甘い棘のいたみ
著者
水原とほる 
イラスト
あじみね朔生 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
ISBN
9784896018059
2.5

(6)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
12
評価数
6
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

重成さんが主役!?

うーむ、何と言っていいのか。
掴みどころのない作品という感じでした。

それもそう、攻めの紘一郎さんの押しが弱いせいでしょう。
欲しいものがあるなら、何としてでも自分で掴み取れよ!
とゲキを飛ばしたくなるような彼。

そしてそれが出来ていたのが、Мで受けの拓実を脅していた重成さん。
彼はいい奴なんですよ~。
自分のある心に誓った目的を達成する為に、拓実に近づき脅しをかけます。
そこで拓実がМであることを知り、ネタを手に入れるために拓実を脅して関係を持ちます。
しかし、それは拓実の被虐の性を大変満足させるものでした。
拓実と関わっているうちに彼がとても真面目で誠実な性格であること、自分の性癖と現状に非常に悩んでいること、などなど知っていき段々に気持ちが変化していくのです。
そして終盤なんとも面倒見のいい奴になってしまったことか!

だけれども、この話のキモはその性癖を盾にされ脅された拓実が実に捨て身になり、大事にしていた仕事も恋人も綺麗に捨ててしまうというところにあると思います。
その姿がなんとも男らしい。

あんなに好きで大切にしていた紘一郎さんを綺麗に捨てるのです。

捨て身になった男はいいもんだと思いました。


終盤はもっと攻めてほしかったですね。
特に紘一郎さん!
重成さんに指導されて十分に拓実の扱いを教えられたはず。
もっと嫉妬してもいいし、それを行動に移してくれないと本当に影の薄い男に定着してしまうよ。

3

内に秘めた欲望

生真面目な学校教師が恋人に言えない内に秘めた欲望。
愛しているから言えない、隠すのが苦しい。
全部読み終えると、ああー、何かすごいリアル感あるんだよな~これって夫婦の性の不一致とかね(w)いわゆる下世話な言い方をすると奥さんが旦那さんに・・・ってやつデス。。。
確かに主人公の拓実はまるで女性を投影しやすいキャラクターなんですが、その点で一見すると女々しい雰囲気を与えてしまってちょっと損な感じなんですが、彼がそういう性格でないと話にならないですしね。
方や、肝心の恋人の紘一郎はイイ人すぎるよ!
元々ノンケで奥さんを亡くしてという事情があるにせよ、43歳でこれって枯れてないかって思ったりもするのだけど、彼が元々ノンケだからこその優しさなんですよね。
・・・遠まわしに色々弁解しましたが、はっきり言ってこれは性の不一致とそれを乗り越えるお話でしたw

それに萌えどころがどこかな?と問われると、萌えをもよおすシチュとしては、真面目で品行方正風の拓実が昔の男によってセックスをMに調教されていたから、痛くされて泣きながら喜ぶとか、
恋人にバレテしまうから嫌だっていうのに、剃毛されてしまうところとか、
あとクライマックスでしょうか。
って、、、全部エロww
全体としては、淡々&トツトツとして派手さはないのです。
滅茶苦茶評価に悩みます。
自分的にはどんな位置づけ何だろう?
でもね、悪くはないんですよ。

拓実は生徒にも好かれて教師として充実した生活を送っているようです。
私生活もある会で出会った会社員の妻を亡くした紘一郎とめでたく恋人になり、一緒に過ごす週末がまるで自分が妻になったみたいで幸せを感じる関係。
だけど一つどうしても言えない事がある。
まるで壊れモノを扱うように丁寧に自分を抱いてくれること、嫌じゃないけど、本当はもっと酷くされたい。
紘一郎に会えない時、ついそんな関係を求めて他の嗜虐嗜好の男に抱かれている拓実は後ろめたさを感じている。
そんな時教師のスキャンダルを求めて学校にやって来た雑誌記者の重成に出会う。
拓実は、自分の指向を知られスキャンダルの匿名性を守るために重成と関係を持つのですが、自分の被虐嗜好を満たすものだった。

ここから始まる三角関係にドロドロを予想するのですが、これが!!
紘一郎、出張多すぎデスww
ともあれ、やはり皆イイ人でした。
残りページ数が少なくなってラスト展開に、一体どうなるのか?と思わずページ枚数とにらめっこする自分がwww
本当は紘一郎が一番問題だと思うんだけどね~♪
彼の成長にかかってますよ、この関係は。

3

初の水原本

初めて水原さんの作品を読みました。最近受が少し傷つくくらいでは萌もキュンも感じなくなってしまい、刺激を求めてた私ですが…うん、萌もキュンもあんまり感じなかった。

高校教師でありゲイである拓実(受)はノンケで妻と死別した紘一郎(攻)の優しさや温かさに心魅かれ、ゲイの自分を好きになってくれた紘一郎を本気で想っています。しかしながら、大切な人を傷つけたくないと、自分の異常な性癖を隠し裏切る行為と知りながら紘一郎を想う一方、他の男に身体を委ねる日々を送っていた拓実。そんな拓実の前に現れたのが、教育問題をネタに記事を書いている記者の重成。彼は拓実の性癖を知って、ある目的のために脅しにかかり関係を持ってしまいます。


全体を通して、拓実のモノローグが長くて、同じ心理表現も何度もあり萎えました。中盤まで読んでて疲れて読むのやめようかと思ったくらい。

皆さんおっしゃっていらっしゃいますが、攻の紘一郎の印象がホントに薄いです。優しすぎるんですよ。ただの優男じゃ読み手も全然魅かれない。逆に重成の方が辛い過去の持ち主で横暴すぎる性格とか、バイでドSなところとか読み手が魅かれる要素いっぱい持ってました。

最後の3Pもなんだかなぁと思いました…せっかく拓実の本当の姿を知って、抱き方も重成からアドバイスもらったのに生ぬるいセックスで萌えきれなかったです。設定上ドロドロ関係の3人の行末が怒涛の終局を迎えると思ったらそうでもなかったし。すごく物足りなかったです。紘一郎に変化がもっと欲しかったですね。このままじゃまた拓実は他の男に縋っちゃうんじゃないかと心配です(笑)

それと一番の不満は終盤重成の存在が“愛でも恋でもない同胞だから”の理由で片付けられちゃったところ。ホントにそれだけか!?っと疑いたくなっちゃう。なんで紘一郎に抱かれながらもあそこで重成を呼んだのかが一番の疑問です。それを許した紘一郎も意味解らないし。

3

穏やかな愛情に追いつめられて

穏やかな愛情に追いつめられていく受け様の心情が
淡々と進むストーリーでした。
天使の心に淫魔の身体を持ってしまったらって感じかな。
極端な例えですが、受け様にしたらまさにそのような心情でしょう。
学生時代に付き合った相手に調教されてから普通のHじゃ
満足出来ない性癖になってしまったようで、心から好きに
なった相手はノーマルで奥様と死に別れした43歳のエリート。
受け様は真面目な高校教師で性癖のせいで教師をしている自分にも
自嘲めいた思いを持ち、年上の優しい恋人へも性癖を隠し、
度々夜の街で体を慰める。攻め様を愛しているのに裏切りをする
自分自身が分からなくなるほど精神的に追い詰められて。
そんな時教師の腐敗を取材している記者と脅されるように
関係を持ってしまう。内容的にはドロドロしている設定でも
読んでてそんな感じはしないです。
ただ、年上の彼との愛情的な繋がりがあまり感じられないかな
記者の受け様への愛は感じるんだけど、メインの攻め様影が薄い。
ラスト、なあなあで終わってる感があり中盤までは良かったので
残念な気がしました。

2

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