ボタンを押すと即立ち読みできます!
海野先生の作品は、幼馴染み物の「この味覚えてる?」が大変ツボで、その後3作ほど別の作品も読みました・・・が、「この味・・・」以来の大ツボだったのが今作です!!
作者様があとがきで「王道ストーリー大好き」と書かれていて、同じく王道ストーリーが大好きな私としては激しく同意しながらあとがきを読んでいました。
しかもこの作品は、私の大好きな幼馴染み、長年片想い、受け様がピュア(交際もキスも全部未経験)で冴えなくて、逆に攻め様はクラスの人気者だった・・・という設定。
更には、そんな奥手の受け様の職業はポルノ作家・・・という秘密とギャップ・・・この本の存在を知った時には、これは期待大!!!とわくわくしながらページを開きました。
勿論期待を裏切らない内容で、本当に楽しくて幸せになれる一冊でした。
暗すぎないけどほんのり切なくて、時折コミカルで、弘文(受)の奥手さと柊一(攻)の包容力に萌えてしまう傑作です。
柊一の包容力というのは、子どもの頃は放っておけない友人として立派であり、大人になって弘文が故郷に戻ってからは誰にも渡したくないという確かな思いがあり力強いです。
弘文が落ち込んだ時にやりがちな自己完結癖もかわいい。
続編を出して欲しいです。
今度は、ポルノ作家弘文のサイン会が企画されてドタバタするのはいかがでしょうw
編集者の倉重が柊一の店に出入りするようになって、セクハラギリギリで弘文に親しげに接して(あくまでも仕事で)、柊一をやきもきさせて激辛料理でおもてなしされるのも面白そう。お茶漬けの底にワサビの塊を仕込まれたりとかw
受けが攻めと思っていたよりも早くくっついたのに、おもしろかったです。ポルノ作家のくせに恋に純情という攻めがかわいくて、応援したくなりました。柊一があっけなく受けを好きになってしまうのは、物足りない感じもしましたが、柊一の心理描写も書いてあったので納得しました。
一番好きなシーンは、恋愛シーンではなくて亜紀という美容師としての自信がなくなった女の子に主人公がアドバイスをするところです。「それでまた失敗したら……?」「そんなこと、考えている間がおしい」というセリフは、心にすごく響いて、記憶にこびりつきました。この本を大事にして、何度も読み返したいです。
タイトルはポルノですが、ぜーんぜんそんなことはなく、可愛い作品。
ただ、中身が可愛いんですから、タイトルをもっと手にとりやすいものにして欲しかったです(苦笑
イラストもひじょうにマッチしていました。
受けの弘文は、キスもしたことがない童貞でありながら、職業ポルノ作家という無茶設定。
攻めは弘文の幼馴染みで料理屋の跡取り、柊一。
前半はふたりが出来上がるまで、後半はその後のお話。
ふたりの視点が交互にやってくるので、気持ちがこちらに伝わりやすいです。
幼馴染みの柊一にずっと片想いしていた、弘文。
柊一に彼女が出来たことで、七年前に故郷を離れポルノ作家となった弘文ですが、帰省した際に柊一と再会してしまい我慢していた心が揺れ、結局帰ってきてしまいます。
この辺りが可愛いのですー。
柊一は不器用だけれど優しくて、弘文は一所懸命で可愛らしい。
幼馴染みカップルでかなり王道設定なんですが、すごく良いです。
弘文の担当編集者・倉重も好きです。
読んでいて心がほっこりしました。
海野さんの他の作品は読んだことがないのですが、手を出してみようかなあと思います。
あとがきで作家さんが書かれてる通り、もうなんのてらいもなく直球の『王道』です。幼馴染みの再会もの。でも面白かったです。
しかし、これタイトルで損してるんじゃ・・・と思わなくもないですね。実際、『ポルノ』って直接的な単語が入ってると、ちょっと手に取るのをためらってしまうかも。中身は単に『職業・ポルノ作家(しかも童て・・・イヤイヤ)』ってだけで、逆にピュア~なくらいなんですけどね。とにかく、設定のわりに地味に淡々とした日常のみで展開して行くんですよ。
弘文(受)は、ポルノ作家であることを柊一(攻)に隠しているんですが、お約束通り柊一はちゃんと知ってるんですよ。でも、弘文が隠したがってるのをわかっているので、知らないふりをしているんです。
このあたりの攻防も、2人の視点が切り替わるスタイルを取っているため、読み手にはお互いの心情も見えるので、その分ドキドキハラハラはありません(いやもう王道ですから!)。
弘文がよかったです。私は最近、なぜかネガティブ受に多く当たってるんですよね(あ、これ読んだのは最近じゃないんですが)。でも、弘文は『自己評価が低い』には違いないのですが、ネガティブというほどではない気がします。確かに『できない』ことは最初から避ける傾向はあれど、その分『できる』ことには全力投球・一生懸命なんですよ。
後ろ向きな面はあったとしても、ふらふら揺れて(流されて)はいません。意外としっかりしてるというか、一本芯が通ってるんですね。
ストーリーの流れが『ザ・王道』だからこそ、キャラクターが大事なんだと思いました。編集さんを安易に『当て馬』にしなかったところが、(私個人的に)さらにプラスです。