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表題作からまる嘘と誤解

瀧川耿介,大手企業の開発
都筑遥人,設計事務所勤務の建築士の卵

その他の収録作品

  • からまる嘘と誤解・瀧川の場合

あらすじ

本当に好きな人としかしたくない──。派手な外見のせいで誤解され続け、二十三歳の現在までまともな恋愛ができないでいた都筑遥人は、バーで好みのタイプの瀧川耿介と出会う。彼に惹かれ、今度こそはとはりきる遥人だが、瀧川はいつも冷めた態度で相手にしてくれなかった。それでも諦めきれずに慣れたふりをして彼を誘う遥人は、最初は身体だけでも、徐々に心の距離が近づけばと必死にアプローチを続けるのだが…。

(出版社より)

作品情報

作品名
からまる嘘と誤解
著者
義月粧子 
イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778111496
3.7

(52)

(15)

萌々

(20)

(9)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
9
得点
186
評価数
52
平均
3.7 / 5
神率
28.8%

レビュー投稿数9

裏目裏目の・・・

義月さん、時々どうしようもなく痛い攻め様を書くんですが、今回は納得しました!
本編は受け視点なんで、読んでる側は受けの気持ちが解るわけで、だからそこから誤解が生まれると、攻めーー!もうちょっと優しくしてやれよーーー(涙)とか思ったりするのですが、今回はその攻めの冷たさを抜きにしても、よかれと思ってする受けの言動が裏目に出ちゃう!
ああ、ここでもちょっと素直にしていれば、とか、駄目だよ!受け!!なんて思いながら読むことができるので、
そして何より、ドSとドMのカプだったので、よかったのですw
後半に攻め視点のお話を付けてくれているので、補完されて、ちょっと救われる・・・かも?

遥人は結構見た目もイケてるからモテるんだけど、きちんと自分を愛してくれる人とちゃんと恋愛したいと思ってきていたので、23歳のこの年まで経験がない。
軽いとか言われている相手でも、付き合えば本当はいい人かもしれないと想い、誘われればそれにノってみたりはするけれど、でも寝るまでは行かないで拒否してしまう。
そんな事があったりして、外の評判としては遊び人とかビッチな印象を与えてしまっている(本人不本意ながら)
でも、いつかは・・・と思ってるところ、恋愛に関しては乙女な部分を持っている純粋な人なんですよね。
そんな遥人に、友人の直己が彼氏の諏訪の友人という、耿介を紹介される。
一目見て、その外見に心奪われたのですが、そこで取った遥人の態度が耿介や諏訪の誤解を生んで、印象は最悪。
そのまま終わるかと思ったのだけど、遥人がねばったことと、ある出来事でセフレな関係になることが出来るのだが・・・

ことごとく、ちょっと意地をはったり、自分をよく見せようとしたり、素を隠してしまうことで、耿介から誤解を受けて、それでも耿介を好きでいて、好きになってもらいと健気になっている遥人が切なくて辛い。
耿介もまた、遥人をどう思っているのか、全く見えない。
ひょっとして、ちょっとははまっているのかな?と思う部分も見せたり、この人は究極のデレがないツンツンで、それが行き過ぎたドSなんだろうな~と思わせる部分があって、遥人が間違った反応をしてしまう度に、ああー、また耿介に誤解された(ガックリ、、)と、ちょっと辛いけど、それがとても面白いのです。
遥人自体は、本当はイイ子なんだよv
それが最終的に、耿介との亀裂を深めたし、そしてそれが彼との恋人へのステップアップの下地になっている。
やっぱり、誤解なんですよね。。。

いっそ、ここまで嘘と誤解が絡まると潔くて、本当面白いです!!
Cielさんのイラストも美麗で、耿介カッコいいですv
お話も魅力的だし、イラストも魅力的。
ちょっと切ないけど、それが読ませる。
一筋縄でいかない恋人たちのお話、裏を返せば、そこには耿介のドSの執着愛が待っていて、ラブラブバカップル(破れ鍋に綴じ蓋)になっているのですw

4

坂を転がるかのような誤解の連続

傷つき萌え属性持ちには萌えたっぷりでした!
誤解されやすいキャラにはどうも弱い…(ФωФ)

やる事なす事すべて裏目裏目に出てしまう受け。
これがまーお見事な裏目っぷりの連続で可哀想なんです。

坂を転がるかのような誤解に誤解を重ねてしまう結果。
攻めから心ない態度を取られ、
周囲から心ない野次をうけ、
友人の彼氏から侮蔑の目で睨まれ…。

すべてはやっかみ半分の噂の尾ひれが原因なのですが
受けはもう誤解を解くのはもう諦めてて誤解を解く努力はしない。
反面、本当の自分を見て欲しいという願いはある。
この矛盾の間に苛まれる姿に切なキュンでした(∩;///;∩)

でも周りすべてが敵というわけでなく、
唯一(?)の友人や行きつけのバーの店長・スタッフはちゃんと理解してくれてます。
なので、ずっと傷ついてはいるけど、あまり悲壮感はなく楽しめました。

さて。攻めはというと…。
作者さんのあとがきに書いてあったので、心置き無く言わせていただきます。
「「「「性格悪ッッッッッ!!!」」」
この一言に尽きる(´‐ω‐`)ふぅ

冷たい態度を取ってたのは仕方ない。
誤解してたんだから。
とはいえ、冷たい態度に対する詫びがあってもいいんじゃない?
謝るどころか「誤解する俺の方が悪いと思ってんだろ」←この言い草ですから。
受けがめいっぱい愛されたい願望を持ってるのを知りながら、
愛情を駆け引きに使って小出しにする狡猾さにイラっとするヽ(#`Д´)ノ

でも、本編の後に攻め視点のお話が入ってたおかげでイラっと感は軽減。
本編では伝わらなかったけれど、かなりズブズブに落ちてたのねw
外デートNGの理由が可愛くてモヤモヤスッキリでした♪

願わくば攻めもガッツリ傷ついて欲しかったな。
この程度じゃ甘すぎる(`・ω・´)
受けを傷つけた分ぐらい攻めにも傷ついてもらいたいわ…。

3

最後の番外編の攻めの変わりようといったら……!

義月作品の俺様攻め、しかも属性に「鬼畜」が入ってるので、かなりビビりながら読んだけど鬼畜とは感じなかったです。
でも、充分に攻めが冷たいというか、とにかくつれないんですよね。

受けは処女でウブなのに派手な外見のせいでビッチだと誤解されてるんだけど、あえて誤解を解かずにセフレでもいいから……と頑張る健気な子なんだけど、すべてがことごとく裏目に出てしまい、攻めからつれない仕打ちばかり受ける。
そこが「からまる嘘と誤解」というタイトル通りでした。
嘘が嘘を呼び、誤解を招きまくって恋がまったく思うように進まない。
それが何とも読んでて、焦れ焦れしまくりでした。

で、ようやく誤解が解けたときに、「俺のせいだね、ごめん」ではなく「やっぱり俺のせいか?」と言う攻めの口を万力でひん曲げてやろうか?!と思ってしまったけど。

で、後半の攻め視点。
攻め視点好きにとってはご褒美パート。
最初に見た時から目を奪われてたんだね、とか、何かとちょいちょい気になってたんだね、とかニヤニヤする部分がありました。

だけど、こいつは本当に根っからのドSで苛めたがりなんだなぁというのも良くわかった。
外でもデートしたいという受けの気持ちを理解しておきながら、あえてデートせず合鍵も渡さないことによって不安に陥る受けの姿を愛でてるとかさ、性格悪!
でも受け自身も虐められて悦んじゃう子なので、あとがきにもあったように「性格のいい攻めでは務まらない」ので外野がとやかく言う必要はないんだけど。

最初、受けはハッキリ言えるしガッツのある子だと思ったんですよね。
攻めから最悪の第一印象の感想を聞かされても、「瀧川さんって見た目カッコイイのにケツの穴小さくてがっかりですよ」とか言っちゃうし、攻めに嫌味言われても「あ、ヤな感じ」とすぐに返してたし。
だけど、途中からドSな攻めによってドMが開花しちゃったんでしょうかね。
思ったよりも、攻めに従順になってしまったわ……。

しかし、最後に収録されていた番外編の「恋に生きる男」が超萌えた!
あのね、この恋に生きる男とやらは攻めのことなんですよ!
攻め視点なんだけど、もう人格がちょっと変わっててすごいの。
我慢できなくてチュッ!と自分からキスしちゃってるし、受けの様子を見ながらひたすら「何とも可愛い」「愛しい」「可愛いなあ」「愛くるしいったらない」「たまらなく愛しい」とかあれこれ思ってるの。
あの、攻めが!
あの、つれなかった攻めが!!
あんた、すっかりメロメロですやん!!みたいな。

やっぱり俺様攻めの醍醐味ってこれですよね。
攻めのあまりのつれなさにイライラしながら読んでたはずなのに、最後には受けに全面降伏しちゃってる姿にざまあみやがれ!と萌えさせてくれる。
俺様攻めはストレスと萌が背中合わせなんだけど、このキター!みたいなのがあるから、やめられない。

最初はどんな鬼畜なの?とビビりながらでしたが、大変楽しく読めました。

3

まぁ、なんて性格の悪い攻でしょう!

 いますよね!苛めることが愛情表現である攻キャラクターって!
 当作品、その典型みたいな攻キャラなのですが、ちょっと一回、痛い目を見た方がイイネ!受が記憶喪失とかになって、お前のこと全部忘れちまうとかね!Σd(゚∀゚d)
 個人的な理想像は、攻は受を無条件にメロメロに甘やかすべき、という信条があるのですが、それ以上に私は、片想いに頑張る受が大好きなので、君が幸せならそれでいいです。
 でもやっぱり、ちょっくら痛い目を見る攻の番外編とかがあれば、尚イイネ! 


【あらすじ】本当に好きな人としかしたくない―。派手な外見のせいで誤解され続け、二十三歳の現在までまともな恋愛ができないでいた都筑遙人は、バーで好みのタイプの瀧川耿介と出会う。彼に惹かれ、今度こそはとはりきる遙人だが、瀧川はいつも冷めた態度で相手にしてくれなかった。それでも遙人は諦められずに慣れたふりをして彼を誘う。最初は身体だけでも、徐々に心の距離が近づけばと必死にアプローチを続けるのだが…。

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●『からまる嘘と誤解』
 著:義月粧子/絵:Ciel
カテゴリー  :【現代】
キャラ設定  :バーで知り合ったサラリーマン同士
総評     :★ ★ ★ ★ ☆
ストーリー構成:★★★★☆(勢いがあって物語らしい出来事の連なりが上手い)
設定・世界観 :★★★☆☆
文章表現   :★★★☆☆(※一人称文体)
濡れ場    :★★★☆☆
私的萌    :★★★★☆(…チキショウ、悔しいが萌えた!!!)

2

Rこぴん

ほんとその通りで笑いましたwww
こうすけは一度痛い目をみるべきです…!

ギリギリまで追い込まれてからの、萌え爆発なのです

こちら、主人公ですが、すごく一途だし健気なんですよ。
が、派手な美貌が裏目に出て、遊んでる軽いタイプだといつも思われちゃう。
その上、勝ち気な性格や甘え下手な所が災いして、わざわざ自分から誤解を助長してしまう。

またこれ、義月作品だとお約束なんですけど、攻めがなかなかの冷たさ。
や、本人も悪いんですけど、いちいち的確に受けを傷付けてくるんですよね。
そしてこれもお約束ですが、なまじ我慢強い分、ギリギリまで平気なふりをして耐えちゃう受け。


これ、そんな主人公と、主人公が片思いする攻めとの、誤解に誤解がこれでもかと積み重なった、混迷を極めた恋模様を描いたお話でして。
もうね、よくぞここまでってほど、主人公のやる事なす事裏目に出て誤解されまくっちゃう。
いや、初エッチ時に、遊び相手でしか無い自分が初めてだと重いだろうと、遊び慣れてるふりをしちゃったりとか。
すると、慣れてないようなウブな反応は計算だったんだ?
いつもああやって男を騙してるんだ?
みたいな。

まぁそんな感じでこちら、主役二人が延々と、もうほぼほぼ9割スレ違ってるんですよね。
誕生日を祝おうと張り切って準備すればスッポかされ、そっと泣く主人公みたいな、読んでて辛い展開が続くんですよね。
もう受けが可哀想すぎて見てられないって所まで、こっちも追い込まれるんですよね!

が、ここからが萌え爆発でして。
こう、読者も鞭でギリギリまで追い込まれた後の、突如投入される巨大な飴。
これ、萌え転がると共に、まるで解脱したかのようなすっごい気持ち良さなのです。

や、義月先生ってこのパターンのお話が多いんですけど、中には(読者が)追い込まれ過ぎて、萌え爆発の前に力尽きちゃうのもあるにはあるのです。
それか、飴が思ったより小さくて「こんなんで誤魔化されるか!」ってなるか。

が、今作はその傑作で成功例だと思うんですよね。
どちらかと言うとマニア向きだとは思うけど、本当、クセになるのです。
たまらないのです。

ちなみにこちら、受け視点の本編後に、攻め視点でスレ違い時の事が語られます。
受けの言動にイラつきつつも、どうしても愛しさを覚えずにはいられない彼の、複雑な心境と言うのが楽しめます。
いや?
もうこの段階で、わりと受けに落ちてたのねぇ、と。
本編ではなかなかの冷たさですが、彼は彼で受けに振り回されてたか!と。
この攻め視点が、非常に巧みだと思うんですけど。

2

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