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表題作純愛のルール

嘉津村巽 作家(辰村克己) 27歳
斉藤志緒 大学生

その他の収録作品

  • 純愛と欲望
  • あとがき

あらすじ

小説家の嘉津村は、ある青年に一目惚れをする。後日、仕事相手に連れられた店でその青年・志緒と再会した嘉津村は彼に告白するが…。

作品情報

作品名
純愛のルール
著者
きたざわ尋子 
イラスト
高峰顕 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344822979
3.1

(7)

(0)

萌々

(2)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
21
評価数
7
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

甘~いお話だけど、私の中では久々の続編・スピンオフ希望!

きたざわさん久々ヒットでした。穏やかに二人の距離が近づいていくお話だったのですが、いつものように脇キャラ達も魅力的な方も多くて、楽しめました。昔の強引な攻めっていうのが最近はお見かけしなくなってしまって物足りないのですが、今回も強引な攻めではないものの割りと野生身があって気に入りました。
挿絵も素敵で可愛いかったです。前半の当て馬は素敵な当て馬でしたが、後半のあの従兄弟は何なんだ!!って感じの男でしたけれど、甘々で楽しめました。

作家の嘉津村は大学の頃にデビューして出す本は殆どが映画化になるほど人気が出ていたのですが、ここ2年ほど新作は出していません。今はエッセイぐらいです。それも急かされてやっとと言う感じで書いています。今はどうしても断れない友人から頼まれている作詞!!なのですが、テーマは恋愛なのです。
今までそんな歌詞を書くような恋愛をした事がない

ちょっと気分転換に外に出たのはいいのだけれど、暑い!という事で、めったに入らないカフェに入ったんですが、いっぱいで丁度空いていた席の隣では、綺麗な顔をした青年が勉強の途中で眠くなったのか、机に伏せて寝ていました。
何気なく横を見て観察してしまったのですが、丁度その時久々に何かが降りてきた感じで、頼まれていた恋愛がテーマの歌詞を書く事が出来ました。すると、隣の青年が起きて、恥ずかしいのか?慌てて出て行ったのです。

それから彼の事が気になってあの界隈を歩いてみたりしたのですが、彼を見かける事は出来ませんでした。

ある日行きつけのバーで一人で飲んでいるといつも会う柘植という外食企業の社長を努める男に声をかけられます。話をしていると、いい隠れ家の店があるので招待すると・・・。興味をそそられた嘉津村は柘植について行きます。

すごく変わった隠れ家なんですよね~。柘植が気に入った人しか教えない!場所とお酒を提供して、後は来た人が勝手に料理を作ったりと楽しく騒いでいる感じです。
ここを知っているのはせいぜい10名ぐらいだそうなんです。みんな有名人でいろんな職業の人が来てます。
そんな中で唯一、若い青年がいたのですが、それがカフェで見た彼だったのです。
名前は志緒といって大学生です。向こうも嘉津村の事を覚えていたのですが、話す時もこちらを見ない感じでもやもやする嘉津村です。
おまけに、柘植が志緒を自分の者の様なオーラを出しているので余計にもやもやが募る!
自分があの時志緒に一目惚れしたのだと・・・。
でもその時一緒にいた美容師の南にし~ちゃんは柘植さんの愛人だから!と言われます。


それから毎日の様にそこに通う嘉津村です。何度か通って志緒を食事に誘ったりと静かなアプローチですね~。
元々ノンケなので、かなりの葛藤があったのだろうけれど?それでも志緒を好きだと思ったんでしょうね。
そして柘植から呼び出されて志緒を本気で好きなのかと聞かれます。もちろん本気なんですよね!とりあえず保護者?の了解も得たので、志緒本人にも自分の気持ちを告げるのですが、返事は保留って感じです。

志緒はゲイです。小さい頃から憧れていた従兄弟の事を好きになって告白するのですが、一度は断られます。
でも最近になって付き合いたいと言われたのですごく嬉しかった志緒なのですが、裸の志緒を見て、ドン引きされてしまい、傷ついている所へ父親からの見合い話。志緒の家は地元では名家です。権力もあって、いずれは長男の自分が会社を継いで結婚も・・・、って話しになるだろうとは思っていたのですが、父親にカムアウト!するとすぐに勘当されてしまったのです。そして住む所もなくなって今は柘植のあの隠れ家のバーで寝泊りしていたのです。

そんなノンケに身体を見られてドン引きされてますので、相思相愛で且つ男でも平気な人じゃないと怖いんでしょうね。でも嘉津村の事は昔からファンで憧れているんです。
だから嘉津村の気持ちは嬉しいけれど、怖いっていうのが現状なんでしょうね。

柘植の策略で上手くカップルになるもののなかなか身体を繋げる機会がないのです。それに明確な志緒からの返事ももらっていないので、嘉津村は大人ですね~!ちゃんと我慢してます。

そんな時に突然従兄弟が会いにきます。
この従兄弟の目的っていうのが、志緒の父親の会社での地位の確立的なものなんでしょうね。
このまま行けば志緒が社長になるって思って志緒の気持ちを利用しようとしたけれど、身体をみてドン引きしてしまい、次は弟が社長になる予定なので、弟に近づいてみたけれど、冷たくされて、今度は志緒が柘植の会社で働いているのを知って、何か弱みでも握れたらと思い志緒に接触を試みたようです。

でも嘉津村が書いたシナリオ通りに皆に脅されて、逃げて言ったという情けない男でした。


いつもと同じで甘いお話なんだけれど、なんかが私の中でツボったのか、結構気に入りました。
続編というかスピンオフも出るみたいなので、すっごく楽しみにしてます♪

1

安定の甘さ。

きたざわさんの中でも、私のかなり好きなタイプの作品でした。

『年の差(年上攻)』で『ヘタレな男前攻』というだけでも嬉しいんです。
イヤ、この場合『ヘタレ』は単なるオプション(個人的な好み)ですが、とにかくきたざわさんの『大人げない(幼稚な)攻』がものすごく苦手なので。←もともと『年だけ大人で幼稚な攻』自体がもう無理なんですが、きたざわさんのそのテの攻キャラクターは特にダメなことが多いんです。

その点、嘉津村(攻)は問題なし。すごい好みのタイプでもないんですが、いい男だったと思う。

もうひとつ、これもきたざわさんにはよくある設定なんですが、謂わば『隠れ家』というのか仲間が集まる空間で~というのも結構好きなんです。

これの前にレビューした『恋は憂鬱で出来ている』シリーズもそうだったので、向こうを読んでてこちらを再読したくなったんですよね。
そういう意味では、ホントによくある・お約束の『パターン』です。

私はきたざわさんの『大人げない強引・傲慢攻』もですが、それに並んで『鬱陶しい脇キャラクター(悪趣味な揶揄に満ちたようなヤツ)』もまた大キライなんですよ。

その点、こちらは『隠れ家』に集まるメンバーも、魅力はあるけど必要以上にうるさくなくて、ちょうどいい感じでよかったんです。

特に、志緒(受)の従兄を撃退する一幕はもう最高でした。
まさに『撃退』なんですが、誰も傷つけることなく(従兄は『傷ついた』というのとは違うし)カタルシスが味わえる上に笑えて面白い。まさにスッキリというかいっそ清々しいくらいに気持ちよかったよ。

ただ、続編(書下ろし)『純愛と欲望』での女優があまりにも半端で・・・
なんというか『通りすがりの勘違い女』って感じでした。
別に、単なるあまあまラブラブ後日談で『嘉津村の新作小説(が書けたこと)』と『温泉旅行』だけでよかったんじゃないかな~。短いんだし。

ストーリーは別に特筆すべきことはないくらいに王道です。でも、その分安心して甘さに浸れます。

ホントに、どうってことないと言えばその通りですが、それでも好きなんです。面白かった。

存在感ある脇キャラクター・柘植をメインにしたスピンオフ『掠奪のルール』『掠奪のメソッド』も出ています。

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