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表題作不埒な恋のゆくえ

尾上大我(工務店社長)
里見千春(税理士)

その他の収録作品

  • 不埒な恋のゆくえ
  • あとがき

あらすじ

生真面目な税理士・里見千春は、
尾上大我を前にすると、なぜか冷静でいられない。
でもそれはお互い様だ。
金輪際、係わらないと決めていたが、
突然の職場トラブルで追い詰められた里見は、
思わず大我に「匿ってくれ」と縋ってしまう。
戸惑いながらも、受け入れる大我。
大学時代の大我との感情の行き違いで頑なになっていた里見だが、
実は彼への秘密を抱えている。
大我は知らない大我との秘密―。
二人の生活が意外な方向に転がり始めた頃、大我が怪我を!?

作品情報

作品名
不埒な恋のゆくえ
著者
宇宮有芽 
イラスト
香坂あきほ 
媒体
小説
出版社
大誠社
レーベル
LiLik文庫
発売日
ISBN
9784904835357
2.7

(4)

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萌々

(1)

(1)

中立

(2)

趣味じゃない

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レビュー数
4
得点
9
評価数
4
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

もったいないという印象

1冊すべて表題作です。
里見(受け)が主人公なのですが、尾上(攻め)もあるので、互いの心情の変化が分かりやすいです。

ささいなことから里見は尾上に突っかかるようになり、尾上も反感を持ちます。
そんな中の良くない二人が、同居をきっかけに互いの内面を知ることで惹かれていきます。

二人が互いに正体を知らぬまま、オンラインゲーム上で一時期付き合っていたという「秘密」。
里見がお金にうるさくなった過去、恋愛ができない理由、里見が務める税理士事務所の問題と内容は面白かったですし、文章もクセがなく読みやすかったです。
くすぐったがりの里見を尾上が抱きしめる場面などドキリとしましたし、全体的に面白かったです。

ただ、里見が尾上の部屋に転がり込んだ経緯は、唐突に思えました。税理士という仕事を活かして、尾上の会社が何か問題がないか調べてやろうと思いついたとかの方が受け入れやすかった気がします。

二次元の彼女がいるという友人・松井のキャラといい、オンラインゲーム上での恋愛という面白い設定ですのに、タイトルや表紙にその面白さが出ていないのがもったいないと感じました。舞台は関西なのですが、特に関西だからどうということはなかったので、無難に東京で良かったのでは?
香坂先生のイラスト、せっかく綺麗で雰囲気もあっていますのに、スーツやラフな格好の二人ばかりで、もっと派手さが欲しい!と思いました。

同じ人を二度好きになるという甘い話が好きな方にお勧めの作品だと思います。

0

裏表紙の「秘密」が気になり購入

友人の結婚話から、それぞれの恋愛話になっていく訳ですが、
大我には忘れられない人が!!
それはネットゲームで知り合った「りみ」という人間。
大我はその「りみ」に恋をして、「りみ」も大我に…
実はその「りみ」こそ里見のこと!!
里見の方も、相手が誰だかは知らなかったのですが、
大我が大学で喋っているのを聞いて気づきます。
しかし今更名乗り出ることもできずに、
ネット上で2人の関係は続きます。
でも大我がリアルに会いたいと伝えたところで
「りみ」はネットゲームから姿を消してしまうのです。
大我はそれを今でも引きずってるのですが…

訳あって同居する事になり、相手を知るようになるにつれて
今まで相手に対して思ってた悪いイメージががらりと変わり
次第に里見を気になりだす大我。
最初はゲーム上とはいえ同じ相手に恋をしたのです。
もちろんそれは里見も同じで。
ですがまたもや里見は何も言わずに姿を消します。
それも大我が告白しようと決めたその日に!!
大我にとってはある意味トラウマ。
好きになった人から何も言われずに、また姿を消されるのですから。

何度も連絡を入れても返事はなく、
大我は徐々に自分の毎日をつぶやくようにメールをし続けます。
それを機に里見の方からも何気ないメールを。
そしてある日、友人から誘いを受けた場所に行くと大我の姿も。

もちろん大我は、そのまま里見を離すわけもなく、連れ帰ります。
そしてメールのやり取りなどから「里見=りみ」だと悟った大我は、
鎌を掛けるんです。
それに引っ掛かった里見は「りみ」を告白。
いままで大我に隠してきた秘密がバレて、大我への気持ちもバレて
それでも引こうとする里見を大我の強引さで捕獲vv
これから大我に嫌というほどの執着・独占欲を見せられそうです(^^;)

1

軸がブレ過ぎ感

LiLi文庫さんそろそろ帯コピーが欲しいな~~と思うんですが、どうなのか。
帯コピーに釣られて買う事が多い自分としてはやはり帯コピーは欲しい、欲しいぞおおお!

さて作品なんですが、うーん、内容的には学生時代の友人の集まりから始まり、税理士の里見〔受〕と尾上〔攻〕は級友なんですが仲は良くない。
お互いに仲は良くないんだけど、学生時代に2人も同じネットゲームに参加していて、尾上は「タイガー」というゲームキャラを使い、里見は「りみ」という女性キャラで参加していて同じゲームの中で行動したり会話したりする内にゲーム内でのバーチャル恋愛的な仲になります。
しかし里見は途中で、「タイガー」のプレイヤーが尾上だと知るんですが、尾上は里見が「りみ」だとは知らずバーチャルな恋愛だけにとどまらず現実でも「りみ」に恋をしてるんですね。
けれど里見は「タイガー」から実際にリアルでも会いたいと言われてゲームから手を引きアカウントも消してしまう。
しかし尾上は今でも「りみ」が理想の女性だと思っている。
……とまあバーチャル上ではそういう事があった2人な訳なんですが、リアルでの仲はよろしくない。

設定自体は面白い所を突いているとは思うんですが、里見の行動や感情に一貫性が無いんですよ。
新聞記者に追われているという理由で、強引に尾上の家の居候になるのもよく分からない。
それに読んでいて、自分の家に居られない程に深刻に新聞記者に追われているとも思えない。
なのに何故、里見が尾上の家にそんなに長く押しかけ居候をしたのかが、まあ作中で一応説明はされてるんですが納得出来かねる。
その後の行動もどうも里見の軸がブレているというかふり幅が大き過ぎて理解に苦しむ部分が何箇所かありました。
あと話的にもエピソードをあれやこれやと詰め込み過ぎた感じがします。
そのせいで何か全てが消化不良気味に終わってる気がするんですよねー。
税理会社での不正問題の事件がストーリーにうまく絡んでいないので、この事件はいっそ無くした方が話的にすっきりしたかも。
尾上視点と、里見視点と両方入るんですが、主に里見視点側にどうにも読んでいて「???」っていう感に襲われました。
そういう事もあって読後感は、大円団に片付いたにも関わらずどうもすっきりしない。
事件の絡め方が上手くなかったというのと、里見の行動や感情の軸がちゃんと通っていない、この2つが自分的にはどうにもいただけなかったです。
もっと話を整理して枝幹をはっきりさせて、里見の行動に説得性と一貫性を持たせれば面白い話になった可能性はあるとは思うんだけどなあ。

0

なぜ関西弁じゃないのか…

冒頭、大学時代の友人達との飲み会…東京に転勤になる親友の壮行会のシーンから始まります。舞台は大阪です。大阪のはずなのに、誰一人関西弁で喋らないのは何故なんだろうってことがずーーっと気になって萌えどころではありませんでした。最初から最後までみんな標準語です。攻の部下が唐突に流暢な関西弁で喋るセリフがあるのですが、関西弁のセリフは本当にその一箇所だけ。しかもその人も二度目の登場シーンでは何故か標準語だし。…出版されるまで誰も突っ込まなかったのだろうか。不思議です。大阪なんだから関西弁じゃないとダメって意味ではなく、舞台が大阪であることが全く活かされておらず、どうにもモヤモヤしました。

肝心の物語ですが、主人公の里見が抱えている「秘密」を紐解く展開と、とある事情で尾上と同居することになってから距離が縮まる展開と、どっちに主軸があるのかよく分かりませんでした。同居するまでお互いに片思いですらなく、むしろギクシャクした関係の二人が同居に至るのも無理があるし、里見にとっての理由付けも弱くて、主人公なのに言動に一貫性がないように感じました。

レビューの半分以上が方言に対するツッコミになってしまいすみません…。

0

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