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表題作瑠璃国正伝 (1)

白清栄 海子の支えになった貴族 / 赤渡海
八潮 海子の後継者 21才

同時収録作品瑠璃国正伝

六陽 疾風の国からの旅人
緋波 八尋の弟

同時収録作品瑠璃国正伝~白銀の風~

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

海子の八潮は、貴族から精神的な「支え」となる男性を選ばなくてはならなかった。しかし、八潮は屋敷守の入江を密かに想っていて…。
(出版社より)

作品情報

作品名
瑠璃国正伝 (1)
著者
谷崎泉 
イラスト
澤間蒼子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
瑠璃国正伝
発売日
ISBN
9784344823198
3

(4)

(1)

萌々

(0)

(1)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
10
評価数
4
平均
3 / 5
神率
25%

レビュー投稿数2

ファンタジー系時代物開始ですよ~

長編もの1作目ですが、大変読み応えのある作品です。
時代物ファンタジーとても言いますか、王朝イメージです。
物語は瑠璃国と言う世界にただ一つだけ海に面した国が舞台。
瑠璃国では身分階級が名前でわかる仕組みになっていて
白・赤・黒・黄・緑と言う名字で解りますが、読み進める時、
なんとなく頭に入っていると面白いですよ。
瑠璃国には海の魔物を鎮めることが出来るとされる海子がいます。
海子(みこ)は代々子孫に引き継がれる家系で、その時代の
富の権力者達によって守られてきた家系、簡単に言えば
その当時の権力者の愛人みたいな感じですね。
お話では精神的な「支え」になってますが・・・
代々、類まれな美貌と淫乱な身体を持つ家柄みたいです。
1作目の受け様主役は八潮です。22才の誕生日に海子として
背中に印が現れるまでは屋敷から出ることもなく過ごして
いるのですが、その前に八潮の支えとなる人物を決める事に
なっていて、家柄も富も支えとして申し分ない白家の清栄。
清栄から支えとして求愛されている八潮だか、密かに世話役の
黒入江に淡い思いを抱いていたが、入江に拒絶、諭され
清栄からの申し出を受けることに。
しかし、支えを決めた後に現海子と王の訃報のしらせが・・・
そこからは、まさに痛いですねって感じで話が進みます。
そして、謎の人物が登場します。
赤渡海と言う新たな攻め様の登場で次回作もまた波乱が・・・

3

なんとイレギュラーな・・・

ファンタジーです。

谷崎泉の初ファンタジーだというガッシュ文庫の『華蜜の斎王』と同じ世界観のお話のようですね(ある意味続編というか次世代編か?それについてはのちほど触れます)。

とりあえず『受が本命の攻以外と(しかも継続的に)関係する』のが無理という方にはちょっと厳しいかもしれません、とだけは言っておきます。

作中ではまだそういう説明・描写は出て来ないんですが、あとがきで作家が『本命が出て来たところで終わっている』と言っています。

その通り、メインの攻(らしい)キャラクターが本編ラストでようやく八潮(受)と出逢って最後のページで名前が・・・というまさに出て来ただけの状況で終わってるんですね。

脇キャラクターをメインに据えた書き下ろしの中編を除く雑誌掲載分のラブ(かどうかはともかくH)成分のすべては、本命ではない他の男とのアレコレですよ・・・
これは画期的と言って済ませてしまっていいんでしょうか。

本編は雑誌連載2回分なんですが、本命攻が連載2回目のラストでようやく登場ってことですよね?せめて1回目のラストで出してやってくださいよ・・・
さすがにこの構成はあんまりじゃないでしょうか。

本命攻が顔出しだけの状態で判断しようがないというのもありますが、書き下ろしでメインになってる脇の六陽の方が魅力的でした。
まだCPと言えるか微妙なくらいなんですが、この六陽と八潮の弟・緋波との関係の方がよっぽど気になったんだけど。

というよりも、八潮が『出番が多いから主人公なんだろうな~』というくらいに存在感というか魅力のうっすいキャラクターだと感じたんですよ。

ひたすら流されるだけと言ってもいいくらいなんですが、その中でぐるぐる悩んでるのかと思ったら、自問自答とでもいう感じでなんか勝手に答出して自己完結しちゃってるんです。
読んでて『あ、ああそうなの・・・?』としか言いようがなかったですね。

正直なところ、本編(雑誌掲載分)よりも書き下ろしの(六陽の生い立ちを追ったラブ無関係の)番外編の方が面白いというのはどうなんだろう。

いえ、でもなんだかんだ言ってはいますがそこまで悪くはなかったんです。

もともとファンタジーBLは大好きですし『無理矢理から』でさえなければ、本命以外との関係も(ストーリー展開上必要なら)別に構わない。
それでもちょっと引っ張り過ぎだろとは感じましたけどね。

実際、新書1冊使ってせいぜい導入部でしかない感じです。少なくともラブ面は。
どんな大長編なんだと思ったら3冊完結なんですよね。


私は『華蜜の斎王』は結構好きなんですが、向こうを読んだ時にも『1冊で終わるの勿体ないなあ』と思ってたんです。

書き下ろし番外編『瑠璃国正伝~白銀の風~』を読むと、冒頭に書いた『華蜜の斎王』とのつながりがわかります。
明言はされてませんが、六陽は『華蜜~』の攻・青嵐の息子だったってことなんでしょうね。

作中でハッキリ書くと『華蜜~』のCPの顛末は・・・の方向に行っちゃうからかなあ(息子がいる時点でその母親と・・・ってことだし)。
でも、それを気にするならもっと曖昧にぼかせばいいと思うんだけど(青嵐の母の名前に乳兄弟その他いろいろ、まさに『青嵐の名前を出していない』だけでしかないですから)。
あるいは完全に『同じ世界のまったく別の話』にしてしまうか。←私個人は別に繋がってるのがイヤだとは思ってませんよ。

ちなみに、この番外編で出て来るやんちゃなオヤジ(ここではまだジジイまで行ってない・・・と思う)・雲海は、青嵐の乳兄弟で『華蜜~』にもお供として出てます。

とにかく、すべてにおいて続刊に期待!って感じでしょうか。

申し訳ありませんが、私は谷崎泉とは非常に相性悪いんですよね。とにかく作風が個人的な好みに徹底的に合わない。
『無理矢理から』『お仕事もの』が目立つ作家ですが、私はどちらもすごく苦手なんです。←他にもこの作家で苦手要素はありますがここでは挙げません。

それでも、すべてがまったくダメなわけでもないんです。特に、ファンタジーなら少なくとも『お仕事もの』にはならないから、もうそれだけでマシだというのはあります。


あとはイラストですが、絵柄はあまり好みではないものの、作品の雰囲気に合ってないということはないんです。ただ、キャラクターが作中のイメージより幼過ぎる気がするんですよね。
それに、表紙カラーと本文モノクロの絵柄の印象が違って、読んでてちょっと違和感ありました。

1

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