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表題作積木の恋

加賀谷聡,32歳,大学の研究室勤務
五十嵐蓮,22歳,恋愛詐欺師

その他の収録作品

  • 積木の恋 CHRISTMAS BOOK
  • 積木の恋 NEW YEAR'S BOOK

あらすじ

これが「好き」という気持ちだろうか──
恵まれない生い立ちから恋愛詐欺師となった蓮は、恵まれすぎている男たちの金を巻き上げることに、なんの罪悪感もなかった。次のカモにと狙ったのは、総合病院の長男である医者の加賀谷。呆気なく騙され蓮に夢中になる加賀谷を、内心馬鹿にしていた。なのに──生真面目で真摯な愛情、穏やかな逢瀬。加賀谷と過ごす優しい時間に、知ることのなかった感情が湧き起こるが……。

(出版社より)

作品情報

作品名
積木の恋
著者
凪良ゆう 
イラスト
朝南かつみ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829625163
4.1

(309)

(170)

萌々

(70)

(40)

中立

(10)

趣味じゃない

(19)

レビュー数
44
得点
1260
評価数
309
平均
4.1 / 5
神率
55%

レビュー投稿数44

凪良先生にハズレなし!!

無条件で作家買いしてます。今回もよかった・・・
発売を楽しみにしていましたが期待通りでした!

男専門の恋愛詐欺師の蓮(本名・透)が
狙った獲物の加賀谷に次第に惹かれていくという
よくある内容なんですが、そこは凪良先生。
蓮(受)の恵まれなかった生い立ちからによる人間への不信感や、
その不信感と加賀谷(攻)へ気持ちの葛藤などの心理描写が
上手いこと書かれていてしっかりと読ませてくれます。
3話構成で、1話と2話が蓮視点で3話が加賀谷視点です。

この蓮がまた可哀想で可愛いんですよ~
父親はわからず、母親には捨てられ、
親戚にも見捨てられ家族というものに恵まれなかった蓮。
人間不信の蓮にとって加賀谷の真っ直ぐで真面目な愛情や、
彼に対する感情は全部初めてのものだったんですね。
加賀谷に恋をして、彼を不幸にしたくないと思う蓮が
とっても切ないです。
蓮が服役を経て、想いが通じ合って同棲を始めてからも、
幸せをかみしめつつも、いつか終わりが来るんじゃないかと
考えています。
不安でもそれを口に出来ない蓮に加賀谷も歯がゆさを
感じます。
やっと決まった仕事先でも、前科持ちというハンデから生じた誤解から
解雇されたことを打ち明けなかったことからケンカになりますが
ここも切なくてうるうるしました。
凪良作品には必要以上に泣かされます・・・。
3話目の加賀谷視点では、蓮が今まで手に入れられなかったものを
自分が与えてあげたいという深い愛情が感じられます。ここも感動。
また、着物エチがあるんですが、
加賀谷から贈られた着物を汚したくないと
健気にがんばる蓮に萌えました。

全体的に切ない内容なんですが、読後は
心がほんわかとなる一冊でした。ほんとオススメです。
凪良先生はコメディもいいですが、
ガッツリ切ないのが私は大好きです。一生付いていきます。
来月も新刊出されるっぽい?ですが、
今から心待ちにしています!!

9

一字一句

評価の高さからも、ずっと、読もうと思っていたのですが、
きっと泣けるだろうな・・・
沁みるだろうな・・・と思い
読むタイミングを図り、待ってしまいました。

読んでみて、
ゆっくり沁みてくる世界観に感じるせいか、
一字一句を読みながら、漂うような気持ちで読めました。

男専門の恋愛詐欺師である蓮とそのカモとなった
総合病院の長男加賀屋の物語。

騙しているのに、常に誠実な加賀屋に対して、
蓮は、今まで思わなかった罪悪感を感じてしまう。
加賀屋だけは、騙したくない。そんな思いにとらわれてしまう。
でも、今までの犯歴から逮捕されることで、
加賀屋に詐欺で近づいたことがバレてしまう。

蓮の考え方。
自分が恵まれて育ってこなかった。
恵まれ、お金の心配も無く生きている人を騙してお金をかすめ取るのは、
「返してもらうこと」と考えるのが、心が痛くなりました。
本来であれば、ダメな考え方かもしれませんが、
「そうか」と思わされました。

こういった蓮の考え方が丁寧に書かれていることが、
本作を沁みる本に成し得ていると思います。

8

じわじわと心に沁みます。

こちらのサイトで評価が良かったので、初めて購入した作家さんでした。
表紙も綺麗でとても今風だったので、期待せずに読み始めました(ごめんなさい)。

1話目(蓮視点)は「まぁ、そうならなきゃBLとして成立しないよね」ぐらいにしか思わなかったのですが。
2話目(蓮視点)は、どちらの言い分もよく分かる。染み付いた不幸体質のせいでマイナス思考から抜け出せない蓮の気持ちも、甘えてもくれない・本音も見せない恋人に対する加賀谷の淋しさも。
無欲であることで自分を保とうとする蓮が、クリスマスの夜に加賀谷へ欲したものは、それを願うことすらも蓮にとっては怖いことだったんだろうと思います。
でも、蓮はそれを言葉にして伝えるほどに強く望んだ。それは蓮にとってさぞ勇気の要ることだったんだろうなぁ、と思うと、思わずほろりときてしまいました。

3話目に加賀谷視点を持ってきたことで、1話&2話の蓮の切なさがすべて報われたような気がします。
加賀谷がプレゼントを贈ろうと思った経緯や想い・願いに、加賀谷の静かだけれど深くて揺るがない想いをひしひしと感じました。

決して大号泣するような、派手な作品ではありません。
しかし読了後、温かくて心地の良いものがじわじわと心に沁みてきます。
それは日に日に大きくなり、気がつけばこの本を手にとって読み返してしまいます。
まさに表紙イラストのように、ゆっくりと水面に広がる波紋のような、灰色の空に静かに降り積もる雪のような、そんな癖になる本です。

7

何回も読みたい作品です

いやあ、泣かされましたッ(´;ω;`)
みなさんおっしゃるように、感動大作で号泣ってんじゃないんですよ。
じんわり、きます。胸の奥に。

あらすじだけ抜き出せば、騙した相手を好きになっての定番もの。
展開だって、とりたてて目新しい部分もない。
それでいて、泣けます。
凪良さんの文章のうまさ、読者の掴み方のうまさを堪能できる一作だと思います!

脇役もいい人ばっかりじゃないんですよネ。
そこがまた泣ける。。。。
透が誤解されて仕事辞めたシーン、おばあちゃんの家に行けなくなったシーン、悲しかった。
だっておばあちゃんきっと待ってるよッ!

最後まで読んで、ようやく二人の幸せな未来を実感できましたッ!
いいお話でした!
イラストがまたストーリーにぴったり合っててヨカッタです♪

7

家って大事

ふふ、「神」101個よ、このぽちで。
心に残りすぎている当作品。本棚整理中に出てきたもんだから
さあ大変。読み途中の本をやっぱり放り出し、夢中になって再読。

何が心に残ってるって、
受けさんが自分の感情を自覚するシーン。
未来想像図として構築している「自分の家」に攻めさんがいる と認識するシーン。
自分の家 に 誰がいるか、帰ると誰がいるか、誰が待っているか
そして、待っていてもらえることを嬉しく思えるか。
家って、とても重要なファクターなんだなあ 
とつくづく思った作品でした。

この作品ととてもあった絵で、好き~ ってわけではなかったですが
存在を強く認識していた 当作品の絵師様。
まさか二度と新作を拝見できないとは知りませんでした・・・涙。
今更ながらではありますが、素晴らしい絵をありがとうございました。
教えてくださったレビューアの皆様、ありがとうございました。

7

この作品が収納されている本棚

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