• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作王子様と灰色の日々(1)

あらすじ

*BL作品ではありません

敦子は父と2人、極貧生活を送る女子中学生。生活のため仕方なく怪しいバイトにも手を染め、学校でも忌み嫌われる、不幸な少女。

ある日、敦子は、眩しく輝く、お金持ち男子3人組と出会う。
そのうちの1人・至に興味を持たれた彼女は、至のボディガード兼学友の信也・遼に拉致され、至が住む大きな豪邸へと連れていかれる。

そこで敦子が得たものとは?
そして彼女が失ったものとは?

人気急上昇中の作家、山中ヒコが少女漫画誌初参加!
切なくも美しい、純愛ストーリー。
(出版社より)

作品情報

作品名
王子様と灰色の日々(1)
著者
山中ヒコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
講談社
レーベル
ARIAコミックス【非BL】
シリーズ
王子様と灰色の日々
発売日
ISBN
9784063805406
4.2

(15)

(9)

萌々

(3)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
63
評価数
15
平均
4.2 / 5
神率
60%

レビュー投稿数3

驚くほど愚かで、愛おしい。



ヒコ作品を読んだことがある方ならご存知だと思いますが、キャラクターがいつも真っ直ぐ。もう「間違ってるよ!それは!」ってことを知りながらにやるキャラクターばかり。
でも気持ちが痛いほどに伝わります。だから愛おしい気持ちがいつも溢れてくる。
今回はいつも以上に真っ直ぐです。


主人公の敦子は、父子家庭で、どうしようもない父親と一緒にいます。(育てられてるんじゃなくて、一緒にいる。)
そしてなんやかやがありまして(ここは読むが良いさ!)お金持ちな至っていう、王子…(って呼ばれてる)と身代わりになるのです。


好きなことは何でも出来る環境にいるのに自由でない至と、好きなことが出来ない環境にいながら自由な敦子は、どちらもとても苦しそうです。
どちらにいれば幸せとかじゃないのね…
また敦子が凄く凄く真っ直ぐ。
生活難から様々な苦労をしているのに、一言が欲しくて努力をする。
どのキャラクターも苦しくて、読んでて辛いんだけど、逃げは信也でした。
至を凄く慕っていて、まるで犬!可愛いー。
性別を偽るとかは作者の前作、「丸~」のにも通ずる所があって、やっぱり巧い!

細かい所はやっぱり読んでいただきたいです。
心の機微がとても上手い作者なので、つまらない文字を並べるよりも感じるのが一番!

次も楽しみです。

5

少女漫画

決して明るいお話ではない。
あれ、BLじゃないじゃん・・な最初だったんですが
面白かった。
誰にも頼らず、誰にも期待せず。
自分のことは自分が守るしかないと思っていた少女。
その少女が、自分にそっくりの少年と出会う。
その少年は何もかもに恵まれて見えた。
その少年を守ろうとする人たちにふれ、自分も彼のためにと
そんな二人のこれからは~な感じのお話。
次回に続く~な感じなので、これからどーなるかというところが気になりますね。
そっくりな二人の関係。
少年がどこへ行ってしまったのか。少女はどうするのか。
何が恵まれていて、恵まれていないのか。。。。
ひとまず次回を楽しみにもう一度読もうと思います。

4

ヒコさんの切なさ満載少女漫画

ヒコさんの青年誌作品は、自分的に今一つ萌え切らなかったんですが、この少女漫画は、いかにも少女漫画的な”貧乏””いじめ””コンプレックス”など、主人公境遇がBLなんかと共通する点があって、対比できたりするのですごく好みです。
きっと、これがBLなら男子であることから、境遇に対して対抗できたり対処できたり、家を飛び出したりとか、できたりするんでしょうが、高校生のしかも女子という点が、その性差からどうにもならないものを含んでいて、昔子供の頃よく目にしたシンデレラストーリー的な部分を持ち合わせた典型的な少女漫画設定だと思います。

飲んだくれの父親の為に家が貧乏で、援交詐欺まがいのことをして金を調達してる主人公・敦子。
そんな彼女が偶然夜のコンビニで出会った金持ちの高校生3人組。
その一人、至が彼女とそっくりだったことで、至が突然家出したことで身代わりとして敦子が至の家に入り、至として生活することになる。
そこでの敦子の気持ちの変化や感じ方がとても見せどころだと思います。

本当、切ないです。
貧乏だからと差別され、父親には売られそうになり金づるとしか思われてなくて、自分の存在を意地を張って守って来た彼女が、身代わりといえ、その取り巻きの男子や、事情をしった執事に、お礼を言われて思わずその感謝に自分の存在意義を見て感動の涙を流す敦子。
家出した至には事情がありそうで、その取り巻きである遼の事情、すこし敦子が好意を持っているもう一人の取り巻きの信也の存在。
彼等なりに、至への愛情がある。
前半、遼の事情があきらかにならない時、ひょっとしてこれは寮は至を!?という期待もあり、
信也の至への愛情もこれは!?と思わせるものもある。
何より、後半明らかになった至の秘密により、これは至が主人公であればBL展開の主人公になるのでは!?という腐女子的にも妄想を掻き立てる要素が入っているのがイイ。

主人公の少女と3人の男子。
女子の男装もの少女漫画は、ある種今では流行的定番なのかもしれないが、それでも、作者がヒコさんであるだけに、欲目で見ても断然こちらの方が入り込みやすく、また夢中にさせる「読ませる」ストーリー展開が上手いとおもうのでした。

7

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP