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表題作恋々(表題作 初恋ブリーディング)

水無瀬弘毅,隣家に越してきた弁護士
杉原斎巳,高3,音楽一家の末子だが才が無い

同時収録作品再恋トライアル

琴引伊織,ITコンサルタント
水無瀬裕也,28歳,カフェのフロアマネージャー

その他の収録作品

  • dolce vita

あらすじ

恋人を困らせ、傷つけることしかできない自分なんて、大嫌い。 こんな自分を好きになってくれる人なんて、いないから……。 どしゃ降りの雨のなか、びしょ濡れで震える傷心の裕也(ゆうや)は、 知的で精悍な美貌の男・伊織(いおり)に拾われる。 「かわいがって、甘やかして、あたためてあげる」と伊織に甘く囁かれ、強引に抱かれてしまった裕也。 それ以来、体の関係だけが続いていてーー!? 裕也の従兄弟・弘毅(こうき)と斎巳(いつみ)の拙い恋物語も同時収録!

(出版社より)

作品情報

作品名
恋々(表題作 初恋ブリーディング)
著者
柊平ハルモ 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403522895
3.3

(6)

(0)

萌々

(3)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
19
評価数
6
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

貴方は犬派?それとも猫派?

互いにコンプレックスを抱えて他人との関わりが
苦手な二人が、それゆえに惹かれあうように
傍に近づき、いつしか互いに恋になっていく。
二人でいるとすごく楽で優しい時間の中で
愛を育てて行くような穏やかなカップルのお話と、
自分の性癖に必要以上のコンプレックスや罪悪感を
抱きながらまるで威嚇する子猫みたいにワガママで
寂しがり屋の受け様と甘やかせてお世話をするのが
大好きな攻め様とのお話の二作品の同時収録でした。
二組のカップルのお話で「初恋ブリーディング」は
5匹のワンちゃんがキーポイントで「再会トライアル」は
猫ちゃんがさり気なくキーポイントのようでした。
まるでそれぞれのカップルの受け様をイメージしてる
感じで面白いと思いましたね。
前篇の攻め様は実は犬が苦手なんですが、恋人だった
従兄弟が猫ちゃん気質だったからなんとなく無意識で犬は
駄目だと思っていたのではないかと・・・
でも隣人の受け様との交流で苦手意識も薄らいで。
このカップルは攻め様が性癖のコンプレックスで
受け様が家族に対するコンプレックスを抱えてます。
そんな二人は特に互いを詮索しなくても居心地のいい
空間をいつの間にか作っていたようでした。
受け様の子供の割に潔い感じは素直でいいですね。
それに感化されるように感情の表現が乏しかった
攻め様も過去を振り返ることなく前進して新しい
世界に受け様と二人で進んで行くようなお話でした。

後半のカップルは前半のカップルの攻め様の元恋人の
従兄弟が受け様で登場してます。
従兄弟同士で性癖で悩み、思春期から傍にいた二人しかいない
世界から一人取り残されて切り捨てられた感じの受け様。
でもそれは相手しか見えていない故の執着で
ワガママを繰り返し、どこまで許してくれるか試す、
そんな時間の積み重ねから従兄弟に別れを言われ
でも、恋人関係を解消しても従兄弟同士で・・・
なのに、従兄弟に愛する人が出来て、完全に切られた
受け様は、まるで捨て猫のように・・・
そんな受け様を拾ったのが攻め様でどんなに悪態を付いて
暴れてもまるで子猫でも相手にしているようにかわされ、
初対面なのに一目ぼれだと口説かれるように、そして
寂しい心の内を見透かすように囁かれ&甘やかされて
身体の関係に、毎週合うようになってその度に
どんな暴言を言っても甘やかされているうちに攻め様を
好きだと気づいてしまうが、今のままの自分では
いずれ従兄弟と同じように離れていってしまうと・・・
もっと強い人間になろうと攻め様から離れようとします。
でも、攻め様はかなり強引なやり方で再び受け様へ。
こちらの受け様はにゃんちゃんみたいな感じでした。
それをベタベタに甘やかして見守る攻め様。
後半のお話の方がかなり甘めでした。

1

大好きな性格同士のカップリングだ~っ!!

2カップルの話が入ってました。
やけに前半カップルのストーリーが短いなぁと思ってたら
表紙(あらすじ)からも解るように
後半のストーリーがメインだったのかなぁ?

でも私はこういう性格同士のお話好きです。
とにかく甘えたおす攻(強引な部分もあり)
とにかく表現が苦手で甘え下手な受。
受の28歳という設定(見えない)には笑ってしまったが
私は楽しめました。

後半のお話になる(拾われる)までには前半のお話が必要で
何故そうなったかが書かれてます。

前半の攻の元恋人(従兄弟でもある)が裕也で
3年も前に別れたんだけど、諦めきれず、
相手の気を引こうとして苦手な犬を5匹
弘毅の家に置いてくるんです。
最初は5匹も犬を連れた弘毅に嫌悪感を抱いてましたが
犬の理由を知って、手伝いをするうちに恋におちてたと。
そしていつものように弘毅の部屋で犬の面倒をみつつ
留守番をしているところに裕也登場。
案の定、裕也との関係を誤解してしまい
弘毅から離れていくんですが、誤解も解け晴れて恋人同士に。
そこに現れた裕也はどんなワガママでも
今まで受け止めてくれてた弘毅に拒絶されて
飛び出した後が後半のお話になる訳です。

後半のお話は本当にあらすじにある通りで
「かわいがって、甘やかして、あたためて」もらってます。
そして今まで弘毅に抱いていたものとは違う
依存ではなく、本当の恋におちていくのでした。

あっ、結局5匹の犬はどうなるんだろう???
もともとは裕也の犬で、とても可愛がってた感じがあるし。
でも伊織のところには猫がいるし…???

0

こんな28歳イヤだ・・・

CP違いで2編。作品としては『萌』にしましたが、2編目だけなら『中立』です。

1編目は年の差(年上攻)CP。もともと柊平さんの年の差は好きなので(それ以前に年の差そのものが好きなんですが)、それだけでも悪くなかったですね。斎巳(受)のコンプレックスも焦りも、高校生なら子どもっぽくて当然だと思いますし。
まあでも水無瀬(攻)は、好みがどうのというよりも、浅くてよくわかりませんでした。犬の方が存在感あったくらいです。

ただ、2編目は裕也(受)が28歳とは思えない(ありえない)ほど幼稚で、ホントにどうしようもなくてうんざりしました。こういうキャラクター大キライなんです。高校生ならまた別だったと思いますが。
これ、裕也は1編目の水無瀬の従兄なんですが、裕也の方が年上というのにびっくりしましたよ。

あらすじが2編目のものということからも、メインは2編目なんでしょうが、そもそもの始まり(雑誌掲載作)は1作目なんですよね。分量としては、2編目が1編目の1.5倍くらいと長いんですが、なんか途中で作家さんの中で方向転換したんでしょうか?それとも、これが最初からの構想?

個人的に2編目がどうにもダメだったので、せめて1編目のCPを掘り下げてくれた方がよかったですね。これが逆(2編目が掲載作で、そこに至るまでを描くために1編目のストーリーをあとから作った)ならともかく、どうもこの形にまとめたのは納得行きませんでした。

柊平さん、作品によってはすごく好きなんですが、最近はどれもあまり乗れないです。もともと重厚なストーリーを綴るといった作家さんではありませんが、それにしても薄いな~と感じるんですよ。これもそれほど印象に残りませんでした。キライじゃないんですけどね。

0

外へ目をむけて一歩踏み出す話でした

この題名何て読むんだろう?「れんれん」?「こいこい」?・・・いやコイコイじゃアッチで不味いよ(汗)と読み方に悩んだww
と、恋の話が二つ入ってます。
2本とも視点は受けだけど、中心はマイノリティであることで同情にも似た慣れ合いの従弟同士の恋愛と呼ぶにはあまりに二人だけの世界でなぐさめあっていただけの関係だった二人がそれぞれに、自らの力で外に向かって恋愛をするというお話でした。

音楽家一家の末息子・斎巳は自分に音楽の才能がないことをわかっていて、獣医になりたいとおもってる。
しかし自分に自信がないからか内向的で、自分自身を強く表に押し出すことのない性格。
ある日、5匹もの犬を連れて、その扱いに困っている隣人の水名瀬に出会い、彼が犬が苦手なことを知り、犬の世話を一緒にすることでだんだんと水名瀬に惹かれていく。
水名瀬が攻めなんだけど受け身ですね。
そのせいか、恋愛と呼ぶには斎巳が一方的な感じがして、水名瀬が過去きちんと恋愛を経験したことがなかったとはいえ、それは斎巳も同じことで、水名瀬が弱い気がします。
犬に随分助けられている話ですね。

水名瀬の元恋人である裕也の話は、これは彼が出会う伊織という男のグイグイ押す姿勢があるからこその進展でした。
裕也、28歳なのにまるで少年のようです。
従兄弟の水名瀬をひきずりながらも、自分でもいけないとわかりながらも、構ってちゃん度が高い人。
伊織にそれを受け止めてやれる、面倒見のいい性格があるからこその組み合わせですね。
途中、裕也の葛藤などもありますが、全体の流れとしては裕也のまっとうな人間に戻るためのリハビリみたいな感じがしました。

いずれも、相手に度量があってこそのカプリング。
あまりにスムーズすぎて、ちょっと物足りなさはあるか?
読後の印象は薄いです。

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