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表題作兄弟とは名ばかりの

倉敷稜,高校2年生,優等生な義兄
倉敷伊沙,高校2年生,素行不良な義弟

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

父親の再婚で、大嫌いなアイツと兄弟になっちゃった!? 高校二年生の伊沙(いさ)は、遅刻魔で服装も校則スレスレ。ところが義母の連れ子は、学年首位の委員長・稜(りょう)だった!! 「おまえと馴れ合う気はない」自分とは真逆の伊沙に、敵意剥き出しの稜。生活態度を叱責され、伊沙も激しく反発する。両親の前では良い兄弟を演じていても、裏では喧嘩ばかりで…!? 一つ屋根の下、多感な高校生の繊細な恋?

(出版社より)

作品情報

作品名
兄弟とは名ばかりの
著者
渡海奈穂 
イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199006401
3.6

(32)

(5)

萌々

(13)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
115
評価数
32
平均
3.6 / 5
神率
15.6%

レビュー投稿数7

兄弟モノでは1番

数ある義理兄弟ものでは、
これはツボで、何回も読みなおしてしまいました。

伊沙が、父親の再婚により、兄弟になったのは、
同じ高校の学年首位の委員長・稜だった。
というお話。

こういうお話は、よくあるとは思うのですが、
2人が兄弟として距離を縮めていく様が、
微笑ましくて、胸キュンでした。
じゃれあっていて、キスをしてしまって、
「あれ?兄弟ってここまでスキンシップするっけ?」
と、焦りながらも、進んでいくのが、
2人の心模様がじっくり読めるようで、面白いです。

終盤に、大きく事件があるのですが、
その後の2人をショートでもいいので読みたかったです。
(家族旅行のお話とは。)

1

家族思いの優しい兄弟

同じ高校の同級生でありながら両親の再婚で突然兄弟になってしまった稜と伊沙。
普通に生活していたら仲良くなれない生真面目な優等生と怠惰な遅刻常習者という正反対の二人ですが、それぞれ片親で育った経験からお互いに理解しあえる一面ももっています。

ただ、なんでも我慢してしまう稜と誰とでも気さくでオープン伊沙という全く違う感情表現のふたりゆえに、なかなか素直になれません。
そんな二人が徐々に相手を理解し、打ち解けていく様子が可愛くてしかたありません(^^)
読んでいて照れてしまう優しいお話でした。

1

連れ子同士

帯『同級生ってだけで嫌なのに兄弟になるなんて最悪だ…』

親の再婚で連れ子が兄弟になるという王道パターン。
優等生な稜〔攻〕と、茶髪にピアスで遅刻常習犯の伊沙〔受〕
彼らは同級生で一度は同じクラスになった事もあるのですが、ともかく仲が悪くタイプも正反対。
しかし稜も伊沙もそれぞれの両親には幸せな家庭を築いていって欲しいと願っているし、また再婚相手の親は気に入っている、ただ連れ子同士の仲が悪いという事を除けば仲良し家族です。
稜と伊沙がちょっと可愛いのは、どちらも親の前では仲良し兄弟である演技をしてみせてしまう所。
けれどもプライベートや学校では相変わらず仲が悪い。
堅物の稜は、伊沙のピアスや茶髪、服装の乱れに厳しく注意をします、ちと小姑みたいです。
そして伊沙は何を言われてもそれを変える気はない。
とことん気が合わない2人なのですが、共に一つ屋根の下で暮らしている内に稜は、伊沙がちゃんと自炊が出来たり意外と考えている事がしっかりしているという面をしり、伊沙は伊沙で稜の良いところもわかってきます。
そうやって彼らは次第に仲良くなっていくのですね。
そして本当の意味での家族愛、そして兄弟愛、さらに恋愛が生まれるのでした。

1

イラストありき。

表紙買いです。

でも渡海さんの小説はわりと読んでいるかも。
読みやすい、でも、又よみたいなと思える作品はなかなかない。

この作品親どうしが再婚し同級生だった男と急に家族になり
対象的な2人ではあるが
家族になろうし、家族以上になる話

嫌いじゃなかったですが
両親に気を使い過ぎでは?
家族を強く出しすぎて、逆に違和感を感じました

みる視点がずれてるかもしれませんが
良い子であること、迷惑かけないこと
絆と言えなくないですが

そこはそんなに見えなくて良かったなと。

0

家では兄弟、学校では他人

両視点の義兄弟ものです。
長年に渡って男1人で伊沙(いさ)を育ててくれた父親が再婚をする事になり、再婚相手の連れ子が同じ学校に通う同い年のいけすかない進学コースの優等生だったというもの。
正反対の性格で、同い年で…と、義兄弟ものでは鉄板とも言える設定なのではないでしょうか。

一方は品行方正を絵に描いたような学年一の優等生、一方は遅刻常習犯のだらしのない生徒。
こんな真逆な2人が、ある日突然義兄弟となり、ひとつ屋根の下で暮らす事になる。
初めはお互いに「なんでこんなやつと」と、両親の前では仲が良いフリをしたりなんかして、水と油のような関係なのですが…
そんな2人が反発し合いながらも、一緒に暮らしていく内に思いがけず相手の良い部分を知っては、一歩ずつ心の距離が縮まっていく様子が丁寧に描かれています。

この義兄弟、すごく可愛かったな。
2人共が親思いの素直な子だったからか、ありがちな設定ではあるのだけれど、なんだか微笑ましく読めてしまう。
どちらかと言うと、義兄弟のお兄ちゃん・優等生の稜(りょう)が可愛かったです。
彼がですね、品行方正で居なければならないと思い込んでしまっているのかな?というくらいの優等生っぷりなんです。
伊沙相手に家でも学校でも、まあとにかく口うるさくものを言ってしまう。
でも、そのお堅さの理由がなんともいじらしくって。
未婚のまま自身を産んだ母親が悪く言われないよう、親を思うが故に必死に生きて来た結果が優等生であろうとする姿になったんですね。
頑なで、甘えや気の抜き方を知らなかったガチガチだった彼の心が、伊沙とのやり取りや伊沙の友人達との交流によって少しずつ解けていく描写が良いです。
元々素直な子ですし、読み進めていく度にお兄ちゃんがどんどん可愛くなっていく。
稜は本当は甘えたかったんじゃないかなあ。

描かれているのは本当に何気ない日常ですし、特別な事も起こりません。
ただ、実は稜の方が不器用だったり、伊沙の方がしっかり者だったりと、2人の性格の正反対さのバランスと距離が縮まっていくエピソードが素朴かつ説得力のある自然なものばかりで、苦手が愛情に変化していく様子があたたかいです。
しっかりと言葉を交わして、互いの価値観の違いも認め合っていて、終盤辺りでは唯一無二の関係になっているのが分かる。
義兄弟になっていなかったら以前のままだったのでしょうね。
2人のやり取りがすごく可愛くて好きでした。

と、どちらも可愛いなあと非常に楽しめたのですが、BLとしてというよりこちらの作品は家族愛な感じかも。
途中で唐突に入るBL展開によって、今までの心地良かった雰囲気が壊されてしまったような気がしてなりません。
もちろんBL作品ですから、この流れになるのは仕方がないとは思うのですけれど、個人的には義兄弟のじゃれあいのままが良かったなあ。
恋愛に発展するまでも前半くらい丁寧に描かれていたのなら「兄弟とは名ばかりの」のタイトルがより光ったのでは?
それから、第三者による突然の隠し子騒動は必要なかったように思います。
途中までの展開がとても良かっただけに、終盤の展開がかなり惜しい印象です。
重要なシーンでの人名違いも残念。

とは言え、犬猿の仲から始まる義兄弟ものとしては面白く読めました。
まだ大人になりきれていない、男子高校生らしい子供っぽさが見え隠れしているのも良かったです。

0

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