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表題作秘書喫茶 ―レイジータイム―

真宮司飛鳥・米国ミラー社の社長 
冬海瞬・秘書喫茶のオーナー 

その他の収録作品

  • 完璧な秘書

あらすじ

恋人に傷つけられ、アメリカから日本へと戻り、秘書喫茶をオープンした冬海。しかし、自分を信じなかった恋人が日本に現れ…。
(出版社より)

作品情報

作品名
秘書喫茶 ―レイジータイム―
著者
火崎勇 
イラスト
いさき李果 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
秘書喫茶 -ビジネスタイム-
発売日
ISBN
9784344823693
3.3

(12)

(0)

萌々

(5)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
39
評価数
12
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

愛されていることの傲りが二人を引き離すキッカケに

秘書喫茶シリーズの2作目は謎めいたオーナーのお話でした。
長髪で美貌の経営者がどうして「レイジー・マスター」を
開くことになったのか、過去の愛を今も忘れていない冬海。
あれほど愛していながら真宮司に信じてもらえなかったのに
それでも、達観したかのように全てから身を引いた冬海が
とても切なくて、ミラー氏を憎み切れない冬海の気持ちが
痛い程伝わってくるようでした。
日本で再会した時も裏切られたと思っている真宮寺が冬海へ
辛辣な侮蔑の言葉と視線を向ける・・・
騙されていると解かっていても読んでると切ないです。
そして4年過ぎた冬海の後悔も再会してからは枷が外れかけた
ように押し寄せて、昔に戻れなくて誤解だけは、愛していた事実
だけは伝えたいと、そして会いに出かけた先で待ち受けていたのは
真宮寺の恋人で・・・そこで冬海ははっきりと終わりを悟る。
寝込んでしまう程愛していたんですよね。
受け様視点で描かれているので冬海の焦燥や後悔諦めがこれでもかっ
て言うくらいで・・・でも真宮寺もバカではなかったですね。
4年の月日は長いのか、どうなのか微妙ですが恋人も作らず
冬海を忘れていなかったことで良しとしますって感じかな。
でも、やはり話し合ってさえいれば・・・と思わずにはいれない。
真宮寺も母親と同じ過ちをしてしまったんですよね。
相手からの言葉を何も聞かずに別れてしまって・・・
冬海も愛されている傲りから、恋人を賭けの対象にしてしまう。
やはり4年ぐらいの熟成期間が必要な恋人だったのかも。
そして何もかも失った冬海が作り出した「レイジー・マスター」
ここで働く秘書たちの冬海を思うが故の優しい嘘にもほっこりです。
ほんとに優秀すぎる秘書揃いの「レイジー・マスター」です。
オーナーが最後に愛する人に引き抜かれた後は・・・
きっと大丈夫なんだろうなぁ~と思わせる内容でしたね。

短編の完璧な秘書は攻め様視点のお話です。
これからは自分が守ってやると心に誓っていた攻め様が
完璧で優秀な秘書の受け様に守ってもらう内容で
優秀でプライベートで仕事を蔑ろにしない生真面目な
受け様に、攻め様は言葉では言えないけれどヤキモキしてます。
そして初めに受け様の間男だと思い込んだ大倉とのやりとりが
子供の様で笑えます。最後まで楽しめる作品です。

1

一途な恋

毎度のことながら、火崎先生の作品には泣かされてばかりです。。。
今回は、第三者の策略から誤解が生まれ、離れ離れになってしまう2人。
受けの冬海の視点で話が進んでいくのですが、攻めの真宮司と出逢った時から惹かれていき、気付いた時にはもう恋に落ちていた、という流れ。
しかし、両思いになった矢先に誤解した真宮司から別れを言い渡され、信じていただけに何も言えずにそのまま姿を消す冬海。
ショックで泣くこともできず、真宮司のことを忘れることもできない。
そして数年後に再会するという、お決まりの流れではありましたが、今回は、受けの心理描写と第三者からの攻めに関する情報で話が進んでいったので、攻めが登場するシーンは少なめですが、かと言って攻めの影が薄いわけでもなく、それぞれのキャラクターがしっかりと生きているという印象を受けました。
攻めが好き!だけど一緒にはいられない…けど会いたい!しかし、攻めの幸せを願うならば、身を引かないと…という矛盾を抱える受けの一途さにキュンとさせられました。
(卑屈な感じはなく)
あと、個人的にオイシかったのは、秘書喫茶の個性的な面々。
みんなして、上司である受けの為に、己の持つスキルを最大限活用する様がステキでした(笑)
個人で高い秘書スキルを持つ人達が、束になってかかってきたら、そりゃ向かうとこ敵なしですよね!
番外編?では、一転した攻めの子供っぽい面も暴かれて、コミカルで面白かったです。
火崎先生は、読者の胸をキューッとさせるのが上手いです。

1

嘘に隠された真実

今回は受様の元恋人の米国企業の若社長と
会員制の私設秘書紹介所のオーナーのお話です。

受様視点で過去を絡めながら新たな関係を築くまでの本編と。
攻様視点で本編の裏側を含んだ後日談を収録。

受様は母親の仕事の関係で
日本人ながらNYで長く生活をしていたため

母の死後も縁遠かった日本に帰らず
母親の上司だった大手企業の社長の援助を得て
大学に通いながら働く事にします。

とは言え学生の身ではできる事は
社長の身の回りの事くらいで
子供のいなかった彼の隠し子ではという
噂さえたてられます。

社長が受様の面倒を見ているのは
妻帯者である事を隠してつき合っていた
日本女性が生んだ息子の代用だったのです。

それでも社長に感謝していた受様は
息子を探し続ける社長に協力を惜しみませんでした。

その後、大学を卒業して
正式な社長秘書となった受様は
傷心旅行でNYを訪れた青年と恋をします。
彼が今回の攻様になりますね♪

受様に惹かれていた攻様は
受様と会うために何度も渡米し
やがて二人は恋人同士になりますが

受様を心配した社長が攻様の事を調べ
攻様が社長の実子だと判明した事から
二人の関係は破局してしまいます。

長く息子を探していた社長が
攻様を自分の跡取りにするためと
受様の恋が仕組んだものだったと
攻様に告げたのです!!

恋に破れた受様は帰国して
会員制の私設秘書紹介所を始めます。

様々な理由で会社を辞めた秘書と
事情を抱えて秘書を求める人々を
取り持ち続けて月日が流れますが

その間に攻様は
病床の父に代って会社を継ぎ
受様が彼の会社が日本進出をするのでは
との噂を耳にしたある日、

攻様が秘書喫茶にやってきます!!

その男がお前と逃げた男か

傲慢な程の攻様の態度に
心を痛める受様でしたが

その二週間後
攻様は他の会員に伴われて
秘書を探しに現れます。

果たして攻様の目的とは?!

既刊『秘書喫茶 ビジネスタイム』続く
シリーズ2作目は秘書喫茶のオーナーの
恋物語になります♪

受様と攻様の恋の始まりと破局、
秘書喫茶を始める間に至る過程を交えながら
再び二人が恋人関係に落ち着くまで

攻様のバカ!攻様のバカ!
攻様の馬鹿!!

と心の中で何度叫んだか判りません(笑)

二人の仲を裂いたのは
攻様を手に入れたかった社長がついた
受様の言動についての嘘が発端なのですが

攻様が受様の話を聞く耳を持っていたら
二人の破局は無かったはずなのですよ。

でもソレを言ったら
そもそもこのお話が成り立たないし

素直じゃない攻様が復縁出来たのは
所属秘書達の手助けがあったからなので
裏ではビシバシ痛いところを刺されたはず!!

嫌いで別れた訳ではない2人なので
受様と一緒に攻様の言動にハラハラしながら
読むのが正しい読み方かもです♪

攻様視点の短編は
2人のその後になりますが
攻様事情の暴露編って感じですね。

攻様が
最初に秘書喫茶を訪れた際に
受様の恋人かと思い込んだ秘書に
やり込められていて楽しかったです(笑)

受様は秘書喫茶から退きますが
秘書喫茶シリーズは続けて欲しいです。

本シリーズは単巻でも読めますが
シリーズ前作『秘書喫茶 ビジネスタイム』は
攻様をやりこめた俺様秘書の恋物語です。
合わせて読むとより楽しいですよ。

0

結果的にはOKですが

「秘書喫茶 -ビジネスタイム-」の続編です。前作を読んでいなくても支障はありませんが、読んでいた方がより楽しめます。

表題作は冬海(受け)が主人公で、同時収録の続編ショート「完璧な秘書」では真宮司(攻め)が主人公です。

前作では社長の鮎川(受け)も、秘書の大倉(攻め)も格好良かったですが、今回は冬海はともかく真宮司は子供っぽく短慮です。
結果的にはハッピーエンドでOKなのですが、仕事はできても人間的にどうだろうかと不満がありました。その不満を「完璧な秘書」で大倉が全部言ってくれたので、スッキリしました。劣等感から不安があり、そこを突かれたというのが分かると納得できます。

そんなお子さま真宮司ですがイラストでは格好良いです。あと、冬海の片腕である仲丸さんって前作のイラストで登場したヒゲの方でしょうか。檜川も加えて秘書勢ぞろいのイラストが欲しかったです。

社長×秘書ですが、仕事モノというより恋愛模様の方が強い作品でした。前作の鮎川は戦うタイプでしたが、冬海は辛くて倒れるタイプです。その違いを楽しめる方にお勧めです。櫛の歯が欠けるように人が冬海から去っていく場面では切なくて、その分、ラストではほっとして良かったですよ。

0

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