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表題作愛だけをうつす瞳

プロカメラマン 三浦稔幸・28歳
無職でニートの幼馴染 澤村陸・30歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

愛を知らない我が儘な陸。彼は年下の幼馴染み、稔幸なしでは生きてゆけない。稔幸の優しさを当然の事だと思っていたある日、突然!?
(出版社より)

作品情報

作品名
愛だけをうつす瞳
著者
芹生はるか 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
大誠社
レーベル
LiLik文庫
発売日
ISBN
9784904835487
2.7

(8)

(0)

萌々

(1)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
20
評価数
8
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

気が付けば何も出来な30才に

不幸な生い立ちで生活するためのスキルを
誰にも教えられないで来てしまった為に年齢に
そぐわないワガママで傲慢な人格形成になって
しまった受け様と、その全てが愛しいと受け入れて
接する攻め様との幼なじみ同士の執着愛でした。

傍若無人でワガママ気ままでいいところなんて
何一つ無いような、さらに30才と言う年齢に
見合わないような精神年齢の低い受け様。
外見はまるで子供のまま成長が止まってしまった
かのような容姿。
これほどの受け様にはなかなかお目にかかれない。
誰かの保護なくして生きていくことが出来ない受け様。
本人が気が付かないだけでこれほど不幸な人はいない
のではないかと思います。
それでも大学生だった4年間は攻め様とちょっとした
一方的なケンカから音信不通になっていた受け様ですから
何も知らない出来ないって言ってもそこそこは出来たのでは
ないかと思うのですが、攻め様と暮らし始めて6年の間
受け様はペットのような生活をしてきたのでたぶん
それまでにあったスキルさえ無くしてしまったような感じ
読んでると受け様の身勝手な傍若無人ぶりに目を奪われますが
本当は攻め様の受け様に対する執着故の受け様に悟らせない
軟禁的な生活環境の成果が表れた結果ですね。
自分がいなければ生きていけないように仕向ける攻め様
そして、幼い時から攻め様に言う事を聞かせる事が
当たり前と思っていた受け様にしたら慣れればこれほど
楽な環境はないのでどっぷり30才になるまで考えなしに
つかってしまってます。
それが攻め様の弟の出現が切っ掛けで受け様が攻め様との
関係を今更ながらに考えて遅い自立の道を考え始める。
でもいくら考えても頭で理解しているからと言っても
やることなす事全て裏目に出て、受け様危機的状況に・・・
そこで初めて自分が攻め様を恋愛的な意味で好きだったと
あらためて気が付くのです。
深層ではとっくに攻め様は受け様の特別だったんだけど
受け様は愛される事を知らずに育っているので30才と言う
年齢まで気づけないお子様精神年齢です。
攻め様はとっくに気が付いて受け様を絡め取っているのですが
受け様は自分が好きだと気が付いたと同じように攻め様も
同時くらいで好きだと自覚してくれたと思ってる・・・
う~ん、攻め様、優しいふりして怖いです(笑)
それでもきっと二人にとって幼い日の出会いは運命だった
のだと思えるお話でしたね。
これからも甘やかされて囲われるように何処にも気持ちが
そらないように攻め様の腕の中で鳥かごの鳥のような
生活をしていくんだろうなと言うストーリーでした。

1

とんでもない30歳!

普通とは何ぞや?と時々自問自答する時があるのだが、いわゆる常識を逸脱しない程度の言動が日常なされていればそれを普通と呼ぶのか?
とすれば、このお話の主人公・陸は普通じゃない!
彼を一途に愛している攻めとなる稔幸も、愛で目が曇っているわけではないだろうが、そんな陸を諭すでもなく甘やかし続けて6年間。
そういう意味で普通じゃないかも!?
ということで、痛すぎるキャラクターが主人公のお話は、あまりにも陸が酷過ぎて、あきれ果てを通り越して憤慨者だった為に評価はあまり高くなくなってしまいました。
逆にとれば、憤慨したことでこのお話は成功しているのか?

父が死に、母に捨てられ、祖父母に引き取られるものの我儘放題の放任で育った陸は、偏食と家庭環境の為か発育不全で背も小さく細く、とても30歳には見えない外見。
おまけに社会性が一切なく、金銭感覚もなく、父の遺産も24歳で全て食いつぶし文無しになる。
幼馴染の稔幸が学生の頃からカメラマンとして成功していたことと、彼が祖父の遺産を引き継いで裕福だったことから、彼に寄生するように生活している。
仕事もせず何もせずただ家にいるだけなのに、家事もなにも一切しない。
全ては稔幸がやってあげている。
しかも、稔幸は別段それに不満があるでもなく、陸が癇癪を起しても平気で愛し抜いて甘やかしている。
稔幸が受け継いだ祖父の山荘で毎夏過ごすのだが、今回は稔幸の弟もやってきて、しかもその間4日間、稔幸に急に仕事が入り不在になるという。
不安に思う陸だが、根が素直でないのでつっぱっているのだが、稔幸の弟とはウマが合わず、陸は何とかしようと思い立つのだが・・・

何もかも一人でできない、依存しきった陸が自分の立場や稔幸を初めて思いやって、少し目覚める第一歩といった話でした。
それを認識するのには、たかがそんなことで!?
というようなトラブルであるが、子供以下の常識と社会生活しかしてこなかった自分本意の彼には、そのくらいがとても大変な事だったです。
誰も助けてくれない。
助けてくれるはずの稔幸は遠くにいるし、何より彼との唯一の連絡手段の携帯電話が水没して使えなくなってしまったから。
ま、彼にはいい薬であったのでしょうが・・・

それにしても稔幸、どうしてそこまで陸を愛してるのか、恋は盲目とはいうけどいいのか?
陸にはイライラはさせられるけど、それ以上にこの稔幸に苛立ちと怒りがこみ上げます。
ま、愛しているから陸を溺愛してるからお話になるんですけど。
普通だったら稔幸みたいな献身はできないよ!!
ということで、稔幸の陸への執着愛の理由が今一つわからないなんですよね~

発育不全に、性格が歪み過ぎていて、、、
山荘で彼は彼なりに頑張ろうとする姿はあるけど(慣れない家事をやってみる)、そこは仮にも30歳なりの矜持だったのかな?ともおもうのだが、いかんせん、自分の大嫌いなタイプのそれが到底「かわいい」とか裏返して「愛おしい」になりそうにないキャラだったので、
そして何より攻めも・・・
そこが自分的にひっかかってしまった(涙)
しかし、ちょっとひねくれていてある意味愉快な(辛辣?)な話かもしれないwww

1

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