ボタンを押すと即立ち読みできます!
まるまる一冊ホモサークルのお話でまとまっています。
渋谷×上野を軸に全部で3カプのお話が絡み合っていて、オムニバス形式とでもいうのでしょうか。
どのカップルのお話も私は好きでした。
導入で昴先輩の絵を描く上野。からかわれて渋谷に泣きつくところから、すでに二人の関係がわかるようになっています。甘える上野と甘やかす渋谷。この時もう上野は渋谷に負けていること、一癖あることを匂わせてあります。そして、くしゃくしゃになった昴先輩の絵をもらう秋葉。場の空気と上野の扱いを誰よりもわかっている中野。
短いページ数で、自然な流れできれいに導入されていて、ここだけで唸ってしまいました。
受けの子がみんな無欲というか手放しの段階を踏んでいるのが面白いです。
最初に出てくる秋葉は、自分が全部食べられてしまってもいいと思っています。(肉体の手放し)
次の町田は、「目立たないように」という約束を守っているうちに、自己を見失ってしまっています。(精神の手放し)
最後の上野は、生きることさえ手放そうとしています。だから、生きる資格がないのに生きているだけでもいたたまれないのに、さらに愛まで欲しがるなんて自分には望んではいけない、浅ましいとまで思っています。(存在の手放し)ちょっとその辺、「愛を乞う人」を思い出してしまいました。
断舎利とか、手放しとか、一時期流行りました。確かに必要以上のものは手放した方がいいかもしれませんが、なぜ手放した方がいいかというと、それは「どうしても手放し切れないものは何か」=「自分が本当に大切にしているものは何か」をはっきりさせるため。誰にでも、絶対に譲れない部分はある。それがなかったら、生きている意味なんてなくなってしまう。
中野は上野の生きている意味になりたかった。
描き下ろしの「重力」というタイトルは、渋谷が上野の自分でも否定していた本当の気持ちの存在を信じてくれたことで、やっと本来の上野になることができて、地に足がついたことから、なのかなぁと思いました。それまでは、肉体や現実と結びついてなくて、精神性だけでふわふわ漂っている存在さえあやうい妖精のような子だったのが、ちゃんと肉体を持った人間になったのかな?と。
甘さもノリも重さもシリアスもうまい具合にミックスされて、好みに合わせて好きなように読める本だと思います。そういう意味でもオムニバスなのかも?
重いテーマをがっつりと、でもきれいに読ませてくれました。
深いと思います。
浅いようでいて、深かった…。
ちょっと、常人では思いつかないようなストーリーとストーリー展開でしたね。
松本ミーコハウス先生、すばらしいです!
大学生サークルの3組のCPのお話です。
メインは、芸術家の先輩後輩CPである・渋谷×上野。
上野はその生い立ちから、死にたがりで生きたがり・愛されたがりという複雑な気持ちを抱えた人間。
相手の気持ちにキチンと向き合えず、応えることができない。
でも、本当は愛することを諦めないで欲しいと思っていて…という複雑な人。
愛する代わりに生きて…という条件に、愛されたいから生きる…とやっと応えることが出来たのは、諦めずに想いを伝えてくる渋谷がいたから。
とにかく、とても深いんです。
他の2CPは、可愛くてほっこりします。
サークル内で唯一まともな?荻窪は、全く恋愛には関わりませんが、間接的にいい働きをしています。
もちろん、本人は気がついていませんが(笑)
とある大学の「星を見る会」というゆる~いサークルを舞台に、特にトラウマを抱えて愛をうまく表現できない上野と、彼を執着と大きなワンコ愛で包む渋谷を中心に据えて、そのメンバーの模様を描く青春ストーリー。
サークルのメンバーは新入生と、卒業生を入れれば7人で3組のカップルで、それぞれの話が上手く交差しながらそれぞれの形を描きだして思わずキュンとさせてくれました☆☆☆
ひとりだけ、カプに含まれない元野球部の新入生・荻窪は、ひょっとしたら読者の役割をしているのかな?なんて思えます。
そして面白いのは先輩の名前意外は皆の名前!?
思わず擬人化なのか?なんて思いましたが違いました(大汗、、)
けっこう厚みのある本になりましたが、お話が面白くてあっという間の素敵なお話でしたヨ♪
渋谷×上野
彼等は大学のデザイン学科?芸術科?なんでしょうかね?
最初の登場の印象だと上野はとても我儘で女王様な雰囲気でちょっとエキセントリックな雰囲気がします。
新入生勧誘で渋谷が連れてきた荻窪が上野の絵の感想を素直に述べると、自分の何を知ってるんだ!って急に怒りだします。
それをなだめるのは渋谷で、平気で皆の前でキスをしてそのまま二人の世界に~
部員は二人の関係を知っていて、先に行くからって荻窪の歓迎会に出かけるのですが、遅れてきた上野はすっかりご機嫌が治っていて、荻窪は二人の関係がわかっているのかいないのか?
そんな天然でまっすぐな風が受けれられるのです。
この導入部分だけを見ると、ワンコ×女王様風味のカプなのかとおもうのですが、実際は本当の恋人ではないんです。
それが、その後の展開、特に中野の話によって明らかにされていきます。
父親が亡くなったのは自分のせいだと、そのことで母親もなくなってしまい、自分の存在はいらないものではないかと、常々死にたいと願っていた上野。
中野は上野の従兄弟で、母親を亡くした上野は中野の家に引き取られ一緒に生活していたのです。
死にたがる上野を生かす為にとった中野の行為は上野の足かせになり、そして学校の先生のさらなる上塗りの刷り込みで、上野は自分を汚すことで死ぬ事の代替行為にしてしまうという悪癖(?)を持った人になってしまっていたのです。
そんな彼を、何の見返りも求めずに一途に好きだといい上野の心を乱す存在が渋谷だという、
あまり好きな言葉ではないけど、無償の愛という言葉が思わず浮かぶ程に渋谷は健気ではあるけど、とても懐が深くて彼を理解して、代償がなくても受け止めるという、とってもとってもデッカイ人なところが魅力的でした。
昴先輩×秋葉
広い部屋なのにほとんどそこへ帰ってこないからもったいないと、先輩の昴と同居することになった秋葉。
実は昴は匂い?フェチで秋葉の体中を舐めるのが好き。
最初は酔った勢いでそれを許してしまったのですが、次第に先輩が好きになってしまって臆病になる秋葉。
先輩の元から離れようとするのですが・・・
この先輩のビフォーアフターの外見がちょっと愉快♪
そして、ひょっとすると甘えん坊で寂しがりなのかも?
秋葉も先輩もかわいいカプでした。
町田×中野(?)
実はこちらはまだカプとしてはできあがっていません。
政治家の妾腹の息子として、その存在を潜めて生きろと言われた町田が急に父親の秘書からもう自由にしていいと言われた時、自我がないこと気が付く。
そんな無欲な町田を見て、中野が好きなもの、好きな人、やりたいこと、自分の好きなように生きて幸せになれ!って、そして町田の父親の自分勝手に怒るのです。
好きなものを見つけようとする町田が見つけた好きなモノは・・・中野!?
中野はお母さんみたいでしたが、町田は一見ほわ~んとしたヘタレちゃんですが、きっと彼は中野を襲っちゃう日が来るに違いないとwww
最後に荻窪の存在理由・・・彼はそうした一見ゆるい部内のともすればゆるすぎてバラけてしまいそうな部をまとめるためのゆるい結束バンド的・衝撃吸収材的存在なんじゃないかな?って思えました。(要はいじられ役!?)
すると中野が!
そして前述したように、読者代表なのかな?なんてチラっとも思えたんですよ。
描き下ろしの『重力』で、愛される事、愛することに慣れてない上野が恥ずかしがって顔をずっと真っ赤にしてるシーンがてんこ盛りになっています。
ラブラブアマアマで幸せが溢れていました♪
じんわり痛くて
じんわり楽しくて
じんわり癒されて
じんわり幸せになる… 気がする。
イロイロ行き詰まってるサークルに起爆剤として投入された荻窪くん。恋愛には直接絡まないからこそ、それぞれが第一歩を踏み出すきっかけになってくれたのかな?
主カプの渋谷×上野は… これは痛いというより、トラウマでがんじがらめになってる上野先輩は痛々しい感じ。猪突猛進、ワンコの渋谷もどこか現実離れしている感じで、はやく先輩が愛を受け入れて癒されるといいな、と思いながら読み進めました。
その二人を取り巻く感じで、昴先輩×秋葉のすれ違い愛、町田×仲野のラブ未満 があります。
どの話もじんわりと心にしみるお話です。
昴先輩×秋葉はヘソ姦が!!…もっと見たかった( i _ i )
町田×仲野はラブ未満なんですが… いつまでも見ていたいなと想わせる甘々カプになりそうな予感です。 町田が写真をとるシーンがキレイで、キラキラしてて好きです! 密かに好きなものアルバムとか作っていて欲しい。そこには、みんなの甘々っぷりが収められているといいなぁなんて…。。
とってもオススメ! ぜひご一読を!!
情緒不安定な受けだけど、渋谷に八つ当たりしたり、すぐ泣きついたり、それを怒らず見守って宥めるためにキスをする。
萌えました。渋谷の寛大さにも。
上野先輩が可愛いわ。
上野の過去……けっこうズッシリ重い。
表情で語り合ってる感じがすごく良いです。
上野先輩初めての初恋みたいな、それよりの初さでした。
ツンデレっぽくて可愛いです。
表紙の上野先輩から死にたがりのビッチとは想像出来ないよ。
松本ミーコハウス先生の作品良いのばかりだ。