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表題作中華飯店に潜入せよ

魚住鉄馬,38歳,中華飯店「太平楼」の店主
西沖廉,21歳,使い走りのチンピラ

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

下町の商店街で青年が行き倒れ!? 中華飯店の店主・魚住(うおずみ)に介抱され、そのまま居候になったワケありの青年・廉(れん)。その正体は地上げを目論むヤクザに、敵情視察で送られたスパイだった!! 任務のためなら色仕掛けも辞さない──逞しい腕で軽々と鉄鍋を扱う魚住と働くうち、ある夜ついに「俺のもんになれ」と裸に剥かれて抱かれてしまう!! 計画通りのはずなのに、なぜか廉は罪悪感に苛まれ!?

作品情報

作品名
中華飯店に潜入せよ
著者
中原一也 
イラスト
相葉キョウコ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199006517
3.7

(24)

(4)

萌々

(12)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
87
評価数
24
平均
3.7 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数8

スレた受けさまが人情に触れたなら・・・

ワイルドな中華の料理人の攻め様と訳ありの受け様との
人情が色濃く残る場所での心が温まるようなストーリーです。

受け様はあまりにも恵まれない環境で育ち、生きていくために
いつの間にかヤクザの手先として生きている現状で
そのヤクザの兄貴分に命令されて組で地上げをもくろむ店に
スパイとして潜り込み弱みを握るように指示をされる。
そこは見かけもお世辞にも綺麗とは言い難い中華飯店で
行き倒れのフリを装い、その地域のまとめ役のような攻め様の
店に入り込み居候として住み込みで暮らすことに成功する
兄貴分からは身体を使って誑し込めと言われていたが
攻め様には全く通じなくて・・・

そしてそんな店には個性的な面々が集まり活気に満ちているのですが
受け様は全て騙さなければならない敵として見ている
でもみんなから子ども扱いされたり無償の優しさを示されて
受け様は動揺や罪悪感を持つようになると同時に自分にとっても
その場所が居心地がよく落ち着く場所だと思ってしまうように・・・

タイトルが中華飯店に潜入せよ、なんてついてるから店自体に
何かあるのかと思って読んでたら人情味溢れる昭和の匂いが残る
そんな気さくな雰囲気の店で、常連さんが家族みたいな感じだし
辛い環境で生きてきた受け様にとっては初めは馴染めなくて
でも次第にその心地よさから離れられなくなってミイラ取りがミイラ
になってしまうのです。
でも、受け様は下っ端も良い所なので次第に追いつめられていきます
攻め様に惹かれてしまった為に任務を遂行出来なくなるけど
それを知られて嫌われるのが怖くて何も言えなくて苦悩する。
そしてまわりの皆の信頼や優しさが受け様を身動きが取れないように
してしまう、相手はヤクザだから受け様一人ではどうにもならない。
でも事実を話す勇気もない、そんな中で最悪の形で攻め様達に
受け様が入り込んだ思惑が知られてしまう事になる。
後半はかなりハラハラしちゃう展開がありますが
人と人との人情味あふれた触れ合いを感じさせるストーリーで
読み終わった後にほのぼのさせられるんですよね。
こんな下町みたいな場所に行ってみたいなって思わせるお話でした。

3

中原さんの攻めは35歳以上がいい

いい、いいと言われていますが、やはりいいです。中原さんのオヤジ攻めは。そんな攻めのお相手は薄幸で体は汚れていても心は純粋な美青年が良い。このお話もまさにそのパターンでした。ベタなセクハラ発言も中原さん描くオヤジなら許せちゃう。なぜなら性格が男前だから。スペックが高いから!受けは完全に料理で攻めに落とされちゃってます。スパイ先のオヤジに惚れちゃうのが切なくて可愛いです。

中原さんのこのパターンのお話で「愛と爆弾シリーズ」と(あっちの受けのトラウマの方が酷い)とシャレードのドヤ街の「愛」シリーズも大好きです。(今月完結編が出るので絶対買います)どのオヤジも素晴らしいです。

3

雑多な町の雰囲気が良かった

魚住の店の裏側で行き倒れていた、廉。……実は、廉は地上げを目論んでいるヤクザのスパイとして、この町に入り込んだのでした。
廉を助けた魚住はそのまま、住み込みで廉を働かせることにします。
廉はこれは好都合と最初は思いますが、魚住の店で働いているうちに、店に来る人たちや、魚住に好意をよせるようになりますが・・・。


雑多な町の雰囲気が良かったです。そこに住む人たちも、面白い人たちで。
廉の心の動きがしっかりとしていました。
始めは、悪い事もしようとしていたのに、だんだん魚住や町の人たちの事が好きになり、その結果ヤクザの命令が苦しくなって、悩んで・・・というお話の流れが、良かったです。

地上げ問題がどうなったかはここには書きませんが、魚住の選択は良かったと思います。
これからは二人で幸せに、暮らしてほしいなぁと思いました。
ストーリーもキャラクターも良かったです。

2

中原作品の王道でしょうか

中原作品の王道でしょうか。
実は数年前に挫折して再挑戦しやっと読み終えました。

今回は元格闘家の中華飯店店主魚住とヤクザの下っぱの廉とご近所の常連さんたち。

魚住が相変わらずオヤジで無精髭で美しい肉体美で。廉は子供の頃から恵まれない育ちで、美貌で細身のせいか男に襲われたり。

年齢差は17歳かな?廉は魚住や常連さんたちからしたら子供扱いなんですが、いつの間にか皆の仲間として認められ魚住も廉を好きになって廉も。
初めてのエッチで優しく感じさせてくれて。今までの男たちとは違って。
魚住も廉の可愛さにメロメロで浮かれちゃって。

あらすじにもありますが廉はスパイなんですよね。
でも魚住に面倒みてもらったり常連さんたちに可愛がられていくうちに葛藤が芽生え。

今回もハラハラしました。
しかし様式美というか王道の安定感?きっと助けに来るって予想ついちゃうんですよね。
仲間が団結して攻めが窮地を救う。それでも面白かったです。諸岡がやっかいでしたね。

新しい土地で新しいお店。でも箱が変わっただけでまた同じ仲間と同じように集まって。
廉も魚住と一緒に生きていけ、働く楽しさを味わい新しい人生が始まります。
大団円ですね。

1

中原さんの作品を読んだ!という充実感に浸れる一冊!

かっこいい無精髭オヤジと、
スレてるけど悪い奴ではない受け。
そして周りを囲む街の仲間たち!
ヤクザとの対決!

中原味の濃い一冊です!
まるでちょっとした映画を観ているような、
もしくは面白い二時間ドラマとでも申しましょうか!
とにかく手を休める暇もなく、
あっという間に夢中で一冊読んでしまいました。

この辺は私と中原さんの本の相性の良さもあるのでしょうが、
とにかく読み始めたら止まらないのですよね。

今回もテンポのいいストーリ運びと、
可愛い(?)濂くんの葛藤にはらはらしつつ、
どきどきも混じってあっという間に読破。

相変わらず、
主役の二人を囲む仲間達がいい味出してます。
なんかこう役者さんの顔が浮かぶ感じで、
やはり映画化しても違和感ない気がします!

これはきっと、
タイトルも作者も知らずに読んでも、
これ中原さんでしょう!と解ると思いますv

人情、愛情、バイオレンス、
そしてラブとエロスと、
全てのバランスが上手くまとまっていて、
中原さんらしい一冊でありました!
評価は「萌✕2」で!

1

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