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表題作スロウスロウ

萱森京介,施工主側の責任者で一級建築士,30歳
成島一志,下請けの現場監督,40歳

その他の収録作品

  • メロウメロウ

あらすじ

下請けの現場リーダーである成島は、地下鉄工事の案件で後輩と揉めた施工主側の責任者である萱森と一緒に仕事をすることになるが…。

作品情報

作品名
スロウスロウ
著者
栗城偲 
イラスト
いさき李果 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344824577
3.3

(11)

(1)

萌々

(4)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
35
評価数
11
平均
3.3 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数3

ビバ!オヤジ受

40歳ガテン系オヤジと、30歳インテリ眼鏡の物語。

2人は仕事(地下鉄の工事)で出会うんですが、
インテリ眼鏡がオヤジを好きになってしまい、
押せ押せしていく展開です。

本作品、何が面白いって、
オヤジには高校生の息子がいるんですが、
その息子に、恋愛相談をしたり、
40歳になってからの恋愛に戸惑ったり、
オヤジがかわいい!!

また、エチでも、オヤジならではというか・・・
「人間ドックで検査する感じ」とかいう表現があるのですが、
大人な2人だからこその表現が面白かった。
高校生の物語では、絶対無い表現ですもんね。

オヤジ受好きには、読んでいただきたい作品です。

4

ガテン系40オヤジの受けさまね

まさしく、作業現場のガテン受け様なんだけど、人が良くて自分が感じた事を
信じてるタイプで性格もかなりポジティブなバツイチで高校生の一人息子がいる
受け様と、大手ゼネコンの一級建築士で常にスーツを着てる見た目はクールだけど
どこか内気な感じもする誠実そうな年下の攻め様との現場が取り持つラブストーリー

現場のトラブルで建設会社と下請けで揉めてしまった後の尻拭いで急遽現場監督として
仕事をするようになった受け様、しかし、トラブル相手と思われた攻め様は何やら
聞いていた話と随分違うタイプで、周りには騙されてるとか言われながらも
横暴で嫌味な人間には見えなくて次第に好感を持つように

仕事が急遽早上がりになった時、受け様は流れで自宅に誘い、そこで誤解があった
事を知り、互いに何か変だと思っていたわだかまりが全て消える事に
しかし、自宅飲みして、寝ていた受け様に攻め様がキスを・・・
眠さも吹き飛び何なのかと問えば、攻め様はゲイで受け様に一目惚れしたと。

それから40オヤジ受け様は悩みまくるのですよ~息子に性別を言わず相談したり
でも10歳も離れてるしと悩みは尽きない。
まぁ、歳の差を考えてるくらいだから嫌いじゃないんですよね。
そしてこの受け様はキャリアでインテリ委員長タイプにかなり弱い(笑)
でも、決して高学歴に卑屈になるような受け様じゃなくて、単に好みなんですねぇ~
40過ぎてから男に求愛され、己のアイデンティティーが180度変わる展開かな?
攻め様のちょっぴり繊細な性格を大らかな受け様が受け止める感じでしたね。

そして受け様の自慢の欲で来た息子、書下ろしではそんな息子と恋人に板挟み
受け様のふがいなさが露見するお話なんです。
そして年下ならではの攻め様の悩み、なんだかとってもいじらしいのです。
その思いを息子から諭される、ダメおやじ(笑)
でも結構地味に感動しちゃうんですよね。

3

おやじは甘えん坊

歳の差10歳40歳バツイチ子持ちのガテン系おやじ受け。
対する相手は関連業界のちょっと真面目そうな年上好きなワンコ気味の年下。
ガテン系といっても内装系接着関係の仕事で、鳶とはちょっと違う。
おやじはとても人がよく、年の分だけ分別もあるが、蓮っ葉ではなく口調はやんちゃっぽいけど基本甘えん坊の雰囲気がにじみ出ている。
そのせいか、おやじモノなのに非常にかわいらしい雰囲気が漂い、あまり汗臭いイメージはない。

このおやじ、大変にデキた子供を持っている。
この子供が物心つかない頃に、家庭より仕事をとったキャリアウーマン(死語?)の妻と離婚してるが、高校生となった今は、子供がきちんと食事や家事を色々やってくれていて、また態度も口調も、父親をたしなめるような、おかんのような子供だw

仕事のトラブルで現場に入る事になった成島は、そのトラブルの当人と思い込んでいたのが取引先の萱島。
だけど仕事を一緒にしてるうちに、何か聞いていた話と人が違う。
実はトラブルの張本人は担当を変えられていて、萱島ではなかったという。
そんな出会いなのですが、萱島がとつとつとした真面目そうな一見天然ぽい反応を示すんですが明らかに、成島に好意をもっているのがあけすけに見てとれる。
成島はそんなこと考えもしないから、非番前に一緒に飲みに行かないかって誘って、家にあげたところ、キスされちゃって、告白されて、
それから萱島のプッシュに押されて流されてという感じ。

成島が多少悩んだりもするけど、基本明るい人なんでそんなに深刻に見えない。
ただいい人、好きになってくれた、ちょっと興奮しちゃった、
そういったこれといった決め手もないので、この表題の前半部分はふ~ん、、、な感じ。
むしろ面白いのは後半のメロウメロウかもしれない。

一応恋人同士になった二人の前に立ちはだかるのは
成島の子供という、或る意味「お母さん」なのだwww
それのせいで、積極的になれない成島。
本当にこの子供、高校生とも思えないほど自立していて、しっかりしてるよ!
表題の部分でもそうだったけど、多分、本人的にはやっぱり動揺してると思うんだけど、ちゃんと言いたいことはしっかり言うし、しかも感情的にならず、理性的だし。
きっと父親に甘えたいとは思うんだけどな~どうなんだろう?
なのに、成島が息子に、そして萱島に甘えてしまってるんだもん!
息子は、それさえもちゃんと見抜いて、成島に進言してるから、
息子、お前は威大だ!!

確かに、働くお父さん、久々の恋愛にうろたえるお父さん、子供に知ったされるお父さん、お父さんであるおやじとしてはいい感じのおやじかもしれないが、
多分、極左の中原作品おやじとは違う、この作家さんならではのおやじ像はえがかれていると思います。
仕事の部分も割と細かい描写があって、しっかり仕事してる雰囲気も出てるし。
親子関係もしっかり描かれているし。
そつのない仕上がりだと思います。
ただ、萌えるか?と言われると自分のオヤジスキーのおやじとはちょっと違ったかな?
とっても愛きょうがあってかわいいんですけどね。
その点で萌えが1個でした。
多分、ガチおやじが苦手な方のガチおやじ入門には丁度いい具合のおやじ加減なんでしょう。

前半で明らかに文章が間違っている箇所があったので、もし重版かかったら訂正してもらいたい。
そして、なんとなく独特の文章の使い方がきになる感じが、やはり前半部ある。
そこに違和感を感じてしまう。ことを覚書しておこう。

0

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