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表題作茅島氏の優雅な生活

茅島家おかかえ庭師
資産家・茅島夫妻の忘れ形見である御曹司(無職)

その他の収録作品

  • 休暇の過ごし方
  • 春の嵐
  • 晩さん会と学友と奥庭
  • 続・休暇の過ごし方

あらすじ

誰にだって初めてはある。お前がわたしに初めてを教えればいい。わたしはちゃんとしてみせる」『ちゃんと?』彼は躊躇いもせずそれを掴み出した。「これを咥えればいいのか?」―!!少し感性にズレのある、孤独な大金持ちの茅島氏。とってもヘン(?)、だけど素直で一途な彼がなんとしても手に入れたかったのは―?遠野春日と史堂櫂のスペシャルユニットが贈る、い・け・な・い・セクシャル・コメディ。

作品情報

作品名
茅島氏の優雅な生活
著者
遠野春日 
イラスト
史堂櫂 
媒体
小説
出版社
リーフ出版
レーベル
リーフノベルズ
シリーズ
茅島氏の優雅な生活
発売日
ISBN
9784795214941
3.6

(3)

(1)

萌々

(1)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
10
評価数
3
平均
3.6 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数2

茅島氏の情熱をとくと堪能してほしい!

久しぶりに読んでいて「楽しい!」と思える作品に出会った。
本作自体は絶版中だが、遠野春日のデビュー10周年を記念して「花音DX」誌上で麻々原絵里依にてコミカライズされたものが連載されているので、こちらからでもぜひ読んでいただきたい。
遅まきながらあちこちに薦めてみたくて仕方のない心境(´∀`*)

お話は非常にシンプルな造りで、資産家の両親が不慮の事故で急逝し、名家の若き当主となった茅島澄人と、その茅島家に雇われている庭師の甘い甘いラブストーリー。
しかし一見単純に思われるこの作品にはとても面白い仕掛けがあり、読者を飽きさせない仕様となっている。
それは主人公である資産家・茅島氏視点のお話が一切ないことと、茅島氏の恋人である庭師の氏名がうまく伏せられているところだ。
そのせいか、読んでいてややまどろっこしいというか、掴みどころのない印象もあるのだが、茅島氏自体がとても浮世離れした人物なので、それもまた作品カラーに合った表現方法かなとも思った。

とにかく茅島氏が可愛らしくて仕方がない。
人嫌いで少々変わり者の茅島氏は、これまで他人や物に対して深い思い入れを持ったことのない人物として描かれている。
ところが両親の愛した庭を慈しみ懸命に世話する庭師の彼に、いつしか惹かれ想いを募らせ、そしてあるとき押し寄せる激情にのまれてしまう。
それは陳腐な表現だけども、真っ白な何も描かれてないキャンバスのような茅島氏に、ある意味傷のような衝撃を持ってつけられた出会い・・・とでも言うべきかしら。
初めて知った他人への欲望を、たどたどしくそれでいて傲慢に手に入れようとする茅島氏が、たまらなく愛らしい。

そしてお相手の庭師は「彼」、もしくは「俺」という表現でしか登場しないミステリアスな存在。
またこの庭師が一筋縄ではいかない男で、茅島氏の財力や他人への影響力をもってしても、そういった上辺だけの事には靡かない人物として描かれている。
なので、資産家でありやんごとなき血筋を遠縁に持つ茅島氏が、あまりの恋しさに胸を詰まらせ「好きなんだ」と声を震わせたとしても、そう簡単には甘やかせてくれない。
本当にドS(笑)

しかしそんな茅島氏のことを、何も知らない世間知らずの我儘お坊ちゃまかと思っていたら大間違い!
庭師の彼がいつか茅島氏は家を継ぐために自分と別れてしまうと一線を引いていたことに対して、茅島氏は事もなげに生涯独身で通すと決めていることを告げて、彼を驚かせる。
しかも死後の事まで既に遺言しているとは・・・本当にその情熱たるや衝撃的。
もうこのくだりを読んだ瞬間から、茅島氏には本当に幸せになってほしいと思うはず!

続編があると思うだけで、また茅島氏と彼に会えるとわくわくしてしまう程にオススメしたい作品である。
ぜひぜひ(≧△≦*)/

9

乱菊

>ルネさま
絶版ですが今ならアマ●ンやヤ●オクで、割と安めに手に入る感じですよ♪
ぜひ読んでみてほしいです。
従攻めのバリバリ敬語攻めです(≧ω≦*)
雇い主のくせに「○○しなさい」(エロス方面)って庭師に言われて、素直に従う茅島氏を抱きしめたくなりますよっ。

ルネ

茅島氏がものすごく気になりました。
そして庭師がドSなんてo[TX
絶版だとなおのこと気になり、困ったものです。

斬新

庭師、の攻めが名前を明かされないという…
ちょっとミステリアスな彼。そして坊ちゃんであろう茅島氏。彼が一途で純真でかわいい。でもヘンテコだけど。あ、だからこそ攻めからはかわいくてしょーがなく感じるのか。

あわや乱行!の現場でも茅島氏は持ち前の真っ直ぐさ?で乗り切ります。ここはもうそういうストーリーよね、と。でもって自分の気持ちに気づいて庭師のアパートへ乗り込むところも素晴らしい。
ま、いきなり勤務先の坊ちゃんが濡れ鼠でアパートまで来て告白されても「なんじゃそれはー!」ですよね。受けて立っちゃう攻め様も心がでかい。さすがイイ大学出て庭師になるくらいの度胸がある人だからね。

茅島氏が本当にモダモダしてて、読んでてうぉーーーってなりますが、その後の二人を見守りたい気持ちになりました。
ほんわかした読後感で良かったです。

イラストは少し昔風ですが、お話は今読んでもあまり古臭くないです。王道だけど。

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